インキュベーター幹部による、美容業界の2024年 トレンド予測 :マス・マスステージを形作るトピックス6
美容業界の幹部らは、2024年主流になりそうなマーケティングや製品、コンテンツやカテゴリーのトレンドを予測している。急成長中の販売チャネルやソーシャルメディア機能のほかに、今後数カ月で業界を席巻する可能性を持つスーパースター素材や製品カテゴリーが含まれることは想像に難くない。だが、そのうちのどれが2024年の業界を形作り、どれが第3四半期までに忘れ去られているだろうか?
マスとマスステージの価格帯にフォーカスした今後の予測には、ヘアケアの「スキニフィケーション」、ペプチド配合製品の急増、ウェルネスと美容が1カテゴリーとして引き続き融合することが挙げられた。
ヘア・ボディカテゴリーの「スキニフィケーション」
「消費者がこれまで以上に髪の健康に気を配っているのを目にしている」と述べているのは、ネイチャーウェル(NatureWell)とオーランド・ピタ・プレイ(Orlando Pita Play)を抱えるAXビューティブランズ(AX Beauty Brands)の創業者、クリスティン・ビブ氏だ。「トリートメントルーティンを提供する製品への注目が高まっており、また、明らかにスカルプ(頭皮)の健康がますます重視されている。我々は(ヘアケア分野に対する)インスピレーションとしてスキンケア処方の成分のトレンドを調べており、特にヒアルロン酸やナイアシンアミドといったスキンケアのトップ成分に注目している」。
ビブ氏はまた、ペプチドや植物由来のタンパク質など、科学的に裏付けられた植物性の成分をヘアケアに取り入れることは今後も増えていくだろうとGlossyに語った。
クリスティン・エス・ヘア(Kristin Ess Hair)、ドリュー・バリモア氏のフラワー(Flower)、タラジ・P・ヘンソン氏のTPHなどのブランドと協働しているインキュベーター、マエサ(Maesa)の最高ブランド責任者、オシヤ・サブア氏は、このような変化は消費者がほかのカテゴリーにも影響を与えるきっかけになっていると述べる。「2024年には、カテゴリー間の境界線は引き続き曖昧になってゆき、すべてのパーソナルケアと美容カテゴリーの大幅な『スキニフィケーション』が加速するだろう」とGlossyに語った。
マスステージカテゴリーに参入するラグジュアリーブランドの増加
「多くの高級ブランドやプレステージブランドが、マスステージ小売向けにより手頃な価格のラインをさらに作成しているのはエキサイティングだ」と述べたのは、インキュベーターのSOSビューティ(SOS Beauty)のプレジデント兼共同創業者、シャーリーン・バレドール氏だ。SOSビューティは、メリット(Merit)、ウェイ(Ouai)、パトリック・タ(Patrick Ta)などのブランドの製品を手がけている。「マス・マステージ小売業者には、グープ(Goop)のような高級ブランドの手頃なバージョンに対する強い需要がある。製品の完全性が維持される限り、そのような普及ブランドと限定小売業者とのコラボレーションは素晴らしいブランド構築の機会となりうる」。
ウェルネストレンドが美容トレンドを形作る
インセインリークリーン(Insanely Clean)とヒュー・バイ・ヘイリー(Hue by Hayley)のインキュベーターであるスレイトブランズ(Slate Brands)のCEO、ジュダ・エイブラハム氏は次のように述べている。「消費者は、シャワーフィルターや美容ツール、サプリメントなど、幅広い総合的なウェルネス製品に関心を示している。我々が期待しているのは、ブランドが意識の高い消費者に対応して自社の価値観を調整しながら、そのような要素をさらに新製品開発に組み込んでいくことだ」。
AXビューティのビブ氏は次のように述べている。「身体の内外両方のストレスに対処することがますます注目されている。メンタルのストレス要因を軽減するマグネシウムやメラトニンなどの成分は、身体的ストレスも軽減する製品の開発に刺激を与えている。美容製品の中に含まれるウェルネス重視の新成分の中には、皮膚のバリアを強化し、皮膚の過敏症への対処サポートを提供するものがある。それらには、オーバーナイトマスクとバームや、オイルとセラムの重ね塗りなどがあり、肌とボディのストレスを軽減する夜のルーティンに組み込まれている]。
TikTok ShopとAmazonが2024年の最重要な販売チャネルに
ガブリエル・ユニオン氏とドウェイン・ウェイド氏のベビースキンケアブランドのプラウドリー(Proudly)と、ジョン・レジェンド氏のラブドワン(Loved01)を運営するエイフレームブランズ(A-Frame Brands)の創業者兼CEO、アリ・ブルーム氏は、「2024年は販売が大発展して、AmazonとTikTokの2チャネルへ注力されるだろう」と語った。「2010年代にはブランドはD2C(ビジネスモデル)に基づいて構築されたが、この4、5年は従来の小売への大きな移行が見られた。次の移行は、現在最多の顧客を抱えているこの2チャネルへと進むだろう。今やどのブランドにとっても必須と見なされており、最終的に低価格商品に対して有利な経済性のあるAmazonと、コマースツールの開発にさらに注力しているTikTokだ」。
「人々がいつどこで買い物をするかにより、(従来の小売とD2Cの)境界線はさらに曖昧になるだろう」とマエサのサブア氏は語る。「消費者ジャーニーはさらにジグザグになり、店舗、eリテール、オンラインショッピングの間の小売環境がさらに一体化する。TikTok Shopとインスタグラムチェックアウトはソーシャルメディアでの衝動買いを促して、美容・パーソナルケア分野での購入が増えるだろう」。
マスカテゴリーにおける科学と技術の台頭
スレイトブランズのエイブラハム氏は次のように述べている。「美容業界のマス層とマスステージ層では、テクノロジーと科学に裏付けられた美容トレンドへの大きな移行があると予想している。これには、ペプチドや幹細胞などの科学的に検証された成分を取り入れたスキンケア処方から、スマート美容デバイスの統合までさまざまな側面が含まれる。また、ARアプリケーションのようなものがショッピング体験においてさらに一般的になり、仮想お試しができたりオンラインでのやり取りが強化されることにも期待している」。
透明性に対する消費者からの高まる要望
「2024年はテクノロジー主導の時代となり、そのため透明性への取り組みもさらに強化されると予想している」とスレイトブランズのエイブラハム氏。「美容ブランドは、美容業界で高まっている信頼性への要求に合わせて、自社製品の背後にある科学的根拠の教育に注力するだろう。顧客は、製品に関して知識に基づいた決定を行うために必要な情報をすべて提供でき、強い価値観を持つ信頼できるブランドを求めている」。
「消費者からのこのような期待は目新しいものではない」とマエサのサブア氏は付け加える。「ソーシャルメディアの出現以来、目撃されているものだ。だが、この数年間で、消費者が製品の品質や主張、企業の価値観や慣行についてもっと知識を持つようになり、この傾向は増幅している。小さなミスがバイラルになって悪夢を引き起こす可能性があるとき、製品の品質に対する説明責任は多くのブランドにとって真価を問うものになるだろう」。
SOSビューティのバレドール氏は次のように述べた。「環境的、社会的、政治的影響の観点から、人々は自分たちの期待事項をより声高に主張すると予想している。人々は、ブランドがどのような会社で何を意味するかについて知りたがっている。この傾向は来年も続くだろう」。
[原文:The beauty industry trends that will shape mass and masstige in 2024, according to incubator executives]
LEXY LEBSACK(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
