この記事をまとめると

■日本でランクルに乗るのなら新型300系にこだわる必要はない

■ボディサイズは先代から、ホイールベースは3世代前からほとんど変わっていない

■日本でも期間限定発売された70系の操る喜びは300系よりはるかに上だ

新車の納車を数年待つなら旧型を選ぶのもアリ

 今年8月に発表されたトヨタの新型ランドクルーザー(以下ランクル)、通称300系の納期が2年以上という状況になっていることを、ニュースなどで見た人もいるだろう。

 ランクルは生まれ故郷の日本以上に、アフリカや中東、オーストラリアなど、草原や砂漠が果てしなく続くような地域で、史上最強のモビリティツールとして高い評価を得ている。

 ゆえに、近年は国内の車両を盗み、海外に輸出して販売する事件も目立つ。新型も海外での販売目的に購入しようとする輩がいるようで、国内のディーラーには輸出や転売を禁止する誓約書への署名が必要との噂もある。

 ただし、日本で乗るなら、新型をひたすら待つべきだとは決して思わないのも事実だ。

 ボディサイズは先代200系とほとんど同じだし、ホイールベースに至っては3世代前の80系から不変だ。

 ラダーフレームにフロントが独立懸架、リヤがリジッドアクスルのサスペンション形式は変わらない。

話題が話題を呼んで人気が集中しているランクル300

 新型はTNGAの考え方に基づく新設計フレームを採用し、エンジンの搭載位置を低く後方に移すとともに、車両全体で200kgもの軽量化を実現した。その効果はオンロードでの乗り心地やハンドリングで感じる。でも、その面を重視するなら、ふさわしいSUVは山ほどある。

 電子制御でアクセルやブレーキを微妙にコントロールし、悪路をイージーに走破できるクロールコントロールは先代も装備していたし、今は日本の道路事情に合ったランドクルーザー・プラドにも用意されている。

 オフロードではリジッドアクスルのほうが走破性で有利という意見もある。ランクルも80系以前は前後リジッドだった。その80系、リジッドながらスプリングを60系までの板バネからコイルに換えており、快適性と走破性を高次元で両立したと今も根強い支持を受けている。

 モデルチェンジで大きく変わったのはパワートレインで、ガソリン/ディーゼルともV6ターボエンジンと10速ATのコンビになり、軽量化のおかげもあって燃費は良くなった。

 ただ、オフロードでは自然吸気のほうが扱いやすいのも事実だし、今後は自然吸気のほうが希少価値が高まりそうな気がする。

 もうひとつ、史上最強のモビリティツールという視点で選ぶなら、数年前に期間限定で販売された70系を中古で狙う手もある。ランクル人気に引っ張られて相場は上昇気味だけれど、操る喜びは300系よりはるかに上だ。

 結局のところ、今の日本で300系を欲しいと思う人は、多くが話題の車種だからという理由ではないかと想像している。注文を入れることを止めはしないけれど、納車の頃にも現在のように注目されるかどうかは未知数だ。