ゴーン氏への面会、「仏政府を甘く見るな」のサイン
「あらゆる国にとって自動車メーカーは雇用維持などで重要な存在だ。国が関与することに大きな違和感はなく、仏政府が特異とは思わない。ただ元々、フランスには『国家は国民を管理する代わりに、国民を守るべきだ』との思想がある。特にルノーは、こうした国家の役割を象徴する存在で、政府も黙ってはいられない」
―仏政府はルノーへの関与を強める方向にあるのでしょうか。
「フランスは工業が衰退し、また失業率が10%前後で高止まりしている。ルノーの成長を支えた連合の枠組みを失うわけにはいかないというのが仏政府の考えで、経営統合を進めようとしたのは自然な流れだろう」
―ゴーン容疑者逮捕により日産・ルノーの資本関係見直し論が加速する可能性があります。仏政府の思惑をどう分析しますか。
「現状維持というのは最低条件だろう。日本政府と交渉する場面も出てくるのではないか。これまでのところ日本政府は、仏政府に連れない反応をとっているようにみえる。仏駐日大使が留置場に出向き、ゴーン元会長と面会した。これは異例だと思う。『仏政府を甘く見ないように』とのサインとも読める。仏政府が反撃に出る展開もありえる」
―マクロン仏大統領は支持率が20%台に落ち込んでいます。回復のため、ルノーの日産に対する支配力を維持・強化させるという成果を求めませんか。
「支持率のプラスになる案件とは思えないが、失敗できない案件とはいえるだろう」
