資産運用100兆円へ、MUFGの買収戦略が始動した
CFSGAMは豪州をベースに、英国、米国、香港やシンガポールなどに主要拠点を構える。アジア株や新興国株、不動産・インフラ投資など成長性の高い運用商品に強い。三菱UFJ信託銀とは「商品や顧客の重複が少なく、MUFGの収益源の多様化に貢献できる」(川上豊三菱UFJ信託銀執行役員海外アセットマネジメント事業部長)とする。買収により、MUFGの事業本部全体の粗利益に占める受託財産事業本部の割合は、5%から7%に高まる。
MUFGは4月に三菱UFJ信託銀の法人融資業務を三菱UFJ銀行に移管。三菱UFJ信託銀は融資業務から事実上手を引き、資産運用事業などに軸足を移した。同事業にかかる規制や販売コスト増などへの対応、収益性や競争力を維持するには一定の規模確保が不可欠。川上執行役員は「資産運用残高は100兆円規模が一つの目安となる。今回の買収はその重要な一歩となる」と強調した。
資産運用事業をめぐっては、三井住友フィナンシャルグループや大和証券グループ本社などが傘下の資産運用会社を19年4月に統合するほか、三井住友トラストHDがグループ内再編を実施、日本生命は昨年末に米TCWグループに550億円出資した。規模拡大や海外事業の拡大に向けた動きが活発化している。MUFGは運用残高で世界15位以内を射程に収めており次の一手が注目される。
(文=長塚崇寛)
