これはどういうことかと言うとですね、ナンチャン!

2012年から北海道日本ハムファイターズの監督に就任した栗山英樹氏。端正なマスクと爽やかな言動、解説者として積み上げた経験から、日本ハムファン以外から大いに期待を集めている栗山氏が、新たな野球観をブチ上げました。それは「謎掛け野球」。解説者時代の経験を活かした斬新なスタイルの予感に僕は大きな手応えを感じています。ハムには勝てるぞ…と。

どうやら、試合解説よりも「報道ステーション」「Get sports」などの振り返り番組での解説を主戦場としてきたころで、栗山氏は独特のノウハウを身につけていたもよう。試合中継などでは即時性が求められ、ゆっくりと時間を掛けて説明することはできません。しかし、振り返り番組ではCMまたぎなどを意識し、「謎掛け」→「視聴者が?と思う」→「これはどういうことかと言うとですね、ナンチャン!」→「つづきはCMのあとで」→「謎の答えはコレです!」というステップを踏むことができます。相手の興味を長時間惹きつけることに長けているわけです。

もしそれを野球に導入したらという栗山監督の試み。僕のまぶたには、早くもキャンプでの選手たちのポカーン顔が浮かんでいます。「今季目指す野球は、はやぶさ!」「ポカーン」「これはどういうことかと言うとですね」というやり取り。一事が万事この調子で、選手たちは栗山監督の話を熱心に聞くことになるのです。「この人、何を言ってるんだろう」「もったいつけるな」「もっとスパッと言ってくれ」という甘えを許さない姿勢。ある意味で「考える野球」というべきインテリジェンスを選手たちは身につけるのではないでしょうか。まぁ、「考え込む野球」と言ったほうが近いかもしれませんが…。

ということで、「目指す野球は、はやぶさ」というCMをまたぐレベルの栗山クエスチョンについて、10日のフジテレビ「すぽると!」からチェックしていきましょう。



◆DeNA→ハム、「すぽると!」は弱そうなチームから順にゲストに呼ぶ!

「異色の経歴、栗山イズムとは?」という見出しを掲げた「すぽると!」スタッフ。しかし、放送終了後もその謎が解けることはありませんでした。ぶっちゃけ、何を言いたいのかよくわからなかったのです。もしこのスタジオにナンチャンがいれば、栗山監督の言葉をわかりやすく噛み砕き、「つまり、こういうことですか?」と同時通訳してくれたのにと、もどかしくて仕方ありません。「Get sports」で本当に必要なのは、ナンチャンだったのです…!

↓颯爽とスタジオに登場した栗山監督は、まずは澤穂希さんの女子バロンドール受賞についてコメント!
アナ:「去年はなでしこが本当にたくさん、嬉しいニュースをもたらしてくれましたよね」

栗山:「そうですね、まぁ、あのー、ただ、僕らがねぇ、すごい、すごいのはすごいんですけどもー、あのー、これから女性が、お母さんが、やっぱこういう賞を獲るっていうのは、サッカーの広がりと、子どもとお母さん一緒じゃないですか、だから澤さんがサッカーを広げるために、ものすごい大きなコレ、すごいことになっていくということを考えると、本当に嬉しいでしょうねぇ。よかったですねぇ」

選手:「わかるか…?」
選手:「よかった、ってことはわかりました、よ…?」
選手:「お母さんのくだりは…?」
選手:「そこはノイズじゃないですか…?」
選手:「これ解説者としても心配だな…」

何となくのイメージとしては、女性が賞を獲ると、影響を受けたお母さん世代が熱を上げるので、若年層への普及が進む…ってことかな?ナンチャン!


巨人に江川コーチの計画があったと聞いた際、試合中に「さぁコーチクイズだ!私は今のイニングで今日の負けを確信しました。さて、どこで確信したでしょうか?」なんてクイズを出されたらイラッと来るなと思ったもの。どうやら、栗山監督もそれに匹敵する謎を仕掛けてきそうです。合コンをtwitterで暴露された小谷野・鶴岡両名、週刊誌に海老蔵の義理の姉との交際を報じられた斉藤佑樹さんも、女性にウツツを抜かしている場合ではありませんね。

↓そして栗山監督は、キャスターから監督への転身について熱く語った!
アナ:「キャスターとしてのポリシーと、監督としてのポリシーは変わっていきますか?」

栗山:「まぁある意味ベースは一緒なのかもしれないですよねぇ。あのー、僕、この話をいただいたときに、僕に死んでくださいって言ってるんですよねって言ったんですよね。要するに、あの、伝え手のときっていうのは、もちろん、選手を活かすんだっていう想いだけでやってました。けども、僕が媒体としているわけですよね。ところが指導者っていうのは、もう自分のことはゼロでいいわけですよね。とにかく選手がよくなることだけ。チームが強くなることだけ。自分のことはどうでもいい、自分を捨てろっていう仕事だと思うんで、それが自分でできるかどうかっていうことだと思うんで、ベースは違うかもしれないですけど、何か一回自分は死んだなと思ってます」

選手:「ベースは一緒って言い始めたけど」
選手:「最後はベースは違うに落ち着きましたね」
選手:「これ10文字くらいでまとまるんじゃねーの?」

何となくのイメージとしては、まるで質問の答えにはなっていないけれど「死ぬ気でやります」…ってことかな?ナンチャン!

その後、栗山監督は「選手の強みを探し、選手の気持ちを引き出すのは解説者の得意とするところ」と自身の得意な部分や、理想の監督像として「僕が思っているんじゃなく、本とかでよく書いてあるのは三原脩氏」と明かすなど、思い描く監督像について通りいっぺんの説明を展開。そして、いよいよ番組は本題の来季構想に切り込んでいきます。

↓栗山監督は、謎掛けに謎掛けを返して場を盛り上げるぞ!
アナ:「ダルビッシュ投手がメジャーに行くという前提で聞きますが、大きな穴になりますよね」

栗山:「行くんですかねメジャー?いや、あのーねぇ、ほんと、うっ、あっのー、イチ野球人としては夢を追い掛けてほしいと思いますけども、ただ、まぁ、行かないということも考えないといけないですよね。で、穴は埋まりません。あのー、要するに、このダルビッシュ投手が貯金したぶんじゃなくて、その前後でダルビッシュ投手が投げるとバッターが崩れたりとか、例えばここで連敗が止まるという安心感でピッチャーが投げやすくなったりとか、いろんな要素を考えたらこれだけの数字じゃなくて25勝ぶんくらいだと僕は思っている部分もあるんですね。で、それを、まぁ、歴史の中でもナンバーワンと言ってもいいピッチャーの穴を埋めようとすると絶対チームに無理が生じるという風に思っていて、で、そこ埋めるんではなくて、ダルビッシュ投手が仮にメジャーに行ったとすると、先発で誰かが投げるチャンスが生まれるわけですよね。で、試合に出ることがいっちばん上手くなりますから。そこで、どれだけのピッチャーがそのチャンスをつかんで出てきてくれるのか、っていうところに、期待をしてます」

選手:「長げぇよwww」
選手:「ミーティングとかクソ長そうだなwww」
選手:「あの解説者風の身振り手振りが地味にウザイwww」

何となくのイメージとしては、「数字以上にダルビッシュの存在は大きい。穴は埋まらないし、埋めない。若手にはチャンスと思って奮起してほしい」…ってことかな?ナンチャン!


栗山監督はモニターに映し出された日本ハムの投手一覧を見ながら、ダルビッシュの抜けた穴に飛び込む選手として、吉川光夫・糸数敬作・八木智哉・中村勝・大塚豊の各投手の名を挙げ、そして期待の最右翼として斉藤佑樹さんを指名。ボードに映されながら名前がまったく挙がらなかった矢貫俊之さんは、早くも構想外ということが明らかになりましたので、できるだけ荷物はコンパクトにまとめておいていただきたいものであります。

↓佑ちゃんに対する栗山監督の期待感は無駄に高い!
アナ:「斉藤佑樹投手には、今シーズンどのように期待されていますか?」

栗山:「まぁホントにフル回転してほしいですね。まずは。あのー、もちろん、数字っていうものがね、えっと大きな、例えば、これ6勝6敗が12勝6敗になってくれれば一番いいわけですけど、そのことよりも、責任を取ってほしいですね。自分が先発をした試合は、まぁ、何点取られてもっていうのはそういう意味で、自分で勝ちも負けも背負って、前に進んでほしい。で、追い込まれれば追い込まれるほど、チカラを発揮されるピッチャーなんで、まぁそこはもう、キャンプのときからホントに死んでもらうって思ってますけど、もぅ走り込み含めてね。ただそういうものを背負ったときに何を出してくれるかっていうのは、ひじょーに楽しみにはしてます」

選手:「斉藤死ぬらしいぞ」
選手:「さっき、自分も死ぬって言ってたよな」
選手:「死屍累々ってヤツか…」

何となくのイメージとしては、「斉藤にはローテーションの柱として自覚を持ってもらう。キャンプから追い込みますよ」…ってことかな?ナンチャン!

これらの謎掛け合戦には、思わず司会の西岡アナも「わかりやすいですね」と嫌味の豪速球。気をよくした栗山監督はその後もわかりやすいコメントで来季を語ってくれます。不安の打撃陣については「イメージとしてはものすごく動きまくる」と語り、「攻めダルマになる」ことを宣言。これには視聴者も「まずランナーが出ないと動けないのだが」「そういう監督、大体途中で送りバント始めるよね」「あだ名は、攻めダルマ親方だな」と苦笑い。

そして、番組の最後に栗山監督は目指す野球を色紙で表明してくれました。番組の最後だと言っているのに、もう一回CMをまたぐレベルの謎を仕掛けてくるその姿勢。野球ニュースにはえらく評判がいい監督として、来季の栗山ハムは旋風を巻き起こしてくれそうな予感。ハム選手たちも知性を磨いて、キャンプインに備えてほしいものです。

↓栗山監督が目指す野球はズバリ「はやぶさ」です!
アナ:「栗山監督、お願いします!」

栗山:「こんな野球になったらいいなという、はやぶさ。はやぶさ、こぅ、あれだけ苦労しながら地球に帰ってくるときに、ホントに、知恵と力が大事で、で、ホントに最後にね、身を削ってでも、あれ、自分たちで燃えてもね、残したじゃないですか。そんな風にマイチームだって思って選手が戦う野球がやりたいです。頑張ります」

選手:「え?」
選手:「外国人監督のほうがまだ言ってることわかりそうな予感」
選手:「死ぬか、死にそうになるか、いずれにせよ半死半生なんだな…」

何となくのイメージとしては、「最後まで諦めずに頑張ります」…ってことかな?ナンチャン!


もう栗山監督のコメントから耳が離せない!離すとわからなくなるから!