市川いちご園、国産いちごと吉野本葛を使った、とろける新食感「いちご生わらび餅」開発ストーリー
滋賀県東部、豊かな自然が広がる豊郷町でいちご、たまねぎ、ぶどうの栽培を行う市川農場。農産物の栽培だけでなく、加工品の企画販売にも積極的に取り組み、これまで多くの人気商品を開発、国内・海外で販売実績を重ねています。
代表を務める市川健治さんが農業を始めたのは2011年。ウェディングプランナーや食品の営業職を経験した後、生まれ育った地で就農したという経歴の持ち主です。あふれるアイデアと行動力で毎年、新商品を発売し、近年では「国産いちご」を使ったシリーズを展開しています。
「いちごバター」にはじまり、「いちご羊羹」、「いちご飴」、「苺抹茶」と続いてきた商品群。ここに2026年6月、新商品「いちご生わらび餅」が加わりました。国産いちごと吉野本葛を使った、とろける食感の和菓子、その開発ストーリーをうかがいました。
▲ 代表取締役 市川 健治さん
●展示会での出会いから動き出した新商品の開発。パッケージにも力を入れ、新たなブランドイメージを発信
・・・今回の新商品「いちご生わらび餅」が誕生した経緯を教えてください。
昨年の11月、東京で行われた展示会に出展した際に、吉野葛の食品製造・販売をされている奈良県のメーカーさんと出会ったことがきっかけです。実は以前、私が出演した関西ローカルの情報番組をご覧になっていて、偶然、展示会でご一緒したことから声をかけていただいたそうです。自社商品としても、いちごのわらび餅を持っておられて、「こういう商品が作れるんですけれど、いかがですか」と。その後、すぐに奈良県にある会社まで足を運び、お話を進めることができました。
「わらび餅」といっても、さまざまな種類がありますが、私がこだわったのはこの「生(なま)わらび餅」。ほんとにとろっとろで、「これで作りたい!」と開発を進めました。
商品としての付加価値を高めるため、材料は国産いちご、吉野の本葛を使い、レトルト殺菌をしているので未開封だと常温で5か月保存可能です。いちごのつぶつぶと風味を生かした、とろける食感を実現することができました。
・・・特に力を入れたこと、工夫したことはありますか?
この商品の良さを、まず見た目で認識してもらえるよう今回はパッケージにも力を入れました。いちご農家の商品であることをアピールできるよう、赤と緑のカラーデザインに加え、「いちかわいちご園」のロゴを新たに作り、ブランドイメージを確立していきたいと考えています。
あとは、「おすすめの召しあがり方」をパッケージに記しています。そのまま食べていただきたいのはもちろんですが、ヨーグルトやアイス、白玉などにトッピングしたり、きな粉をかけたり、お好みで楽しんでいただけるよう提案しています。
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▲ 高級感あるパッケージ
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▲ とろける食感が新しい「いちご生わらび餅」
●いちごを主軸に“和”の商品を展開。「開発は面白い、売るのも楽しい、でも売り続けるのは難しい」
・・・加工品の企画開発は、創業当初から積極的に取り組んでおられますね。
そうですね。商品の開発は楽しいです。売れるか売れないか、出してみないとわからない、そこが面白いですね。売るためにはいろんな方法があるということも分かってきました。例えば、今だったらSNSで知ってもらうことも一つですが、一瞬は売れても、評価してもらえなければ続きません。商品を作るのも、売るのも楽しいけれど、売り続けるのはとても難しいと感じています。
私は2011年3月に脱サラして就農したのですが、いちごの初収穫の12月までの期間は無収入だったので、これはなんとかしなければと作った初めての商品が「近江豊郷 市川農場のたまねぎドレッシング」です。これが新聞やテレビで紹介していただいて、たまたま売れ行きもよくて、幸先のよいスタートになりました。
・・・その後に、いちごを使った商品が主体になったのですね。
いちごを使った最初の商品は、2019年に発売した「いちごバター」です。いちごを自社で直売するだけではなく、いちごに付加価値を付けて商品化したいという思いから、取り組みました。おかげさまで好評をいただき、この商品をきっかけに、私たちは「いちご」の会社なんだということを明確化し、いちごを主軸にした商品を展開するようになりました。同時にブランドイメージも赤一色に、展示会のブースも服装も赤で統一しています。
商品づくりでは、コンセプトの一つとして「和」を常に意識しています。たくさんある「いちご」商品の中でも特に洋菓子との差別化を図るためです。そして、ただ「おいしい」だけではなく、高付加価値があり、商品の背景にあるストーリーが伝わるものを作りたいと考えています。
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▲ 丁寧に栽培される市川いちご園のいちご
●時代の変化、嗜好の変化に合わせて商品も「変化」していくことが必要。インバウンドの拡大を受けて海外へも販路拡大
・・・創業から15年を振り返って、どんなことを思われますか?
やっぱり、「変化」ですね。変えていくこと、マイナーチェンジを繰り返していくことが大事だと思います。商品を出して、お客様の反応を見る。するとやっぱりお客様はだんだん飽きてくるんですよね。嗜好も変化してくるので、味を変えていく、ラベルを変えていくという変化を常に考えるようにしています。
例えば、ドレッシングで言えば、開発当初は酸化防止のために入れる必要のあったものが、いまは技術が進み、そうしたものを入れなくても風味が落ちないように作ることができるようになりました。ですから、既存の商品も頻繁に見直すようにしています。
・・・販路についてはいかがですか?
昨年発売した「苺抹茶」が、特にインバウンドという大きなマーケットで評価いただいており、販売数が伸びています。全国展開のドラッグストアをはじめ、大手総合ディスカウントストア様からも声をかけていただき、海外の店舗でも販売される予定です。また全国の空港の売店での販売に向けた話も進んでいるなど、時代の流れの中で本当に世界観が変わりました。
おかげさまで既存商品をきっかけに、さまざまな販路を持つことができているので、今回の商品もPRしていきたいと思います。展示会出展のお誘いも増えているので、今後もいろんなメーカー様との出会いを通して、新たな商品がつくれることを楽しみにしています。
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▲ 静岡の製茶メーカーと開発した「苺抹茶」。新フレーバー「檸檬抹茶」も登場
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▲ テーマカラー「赤」で統一した展示ブース
●いちご園だからできる直売と、加工品の相乗効果でブランド力を高めていきたい
・・・今後の目標をお聞かせください。
6月8日に発売したこの商品を、まずは多くのお客様に知っていただけるように広めたいですね。今回の商品を機に「いちかわいちご園」のブランドネームを発信し、定着させて、「ここのいちご屋さんの商品なら間違いないよね。安心できるし、おいしいよね」と言っていただけるようになるのが目標です。
いちごの直売は地元近隣のお客様が主体ですが、実際に自社商品を販売するようになってから認知してくださる方が増え、いちごの対面販売も売上増につながっています。
昨年発売の「苺抹茶」が、まったく販路として想定していなかったインバウンドに好調という結果になっているので、どういうところにマッチするのか、なかなかつかめないところもあるのですが、商品を通して自社のブランド力を高め、いちごの対面販売へとつなげていきたいと思います。
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■株式会社 市川農場
代表者:代表取締役 市川 健治
所在地:滋賀県犬上郡豊郷町吉田350
TEL :0749-35-2589
FAX :0749-20-1662
e-mail:ichikawa.farm@gmail.com
URL : http://ichikawa-farm.jp/