ロシア・モスクワ市内で日本時間3日午後6時、火星の有人探査飛行を行うための「火星500」の予備実験が始まる。ロシア人、フランス人、中国人の男性計6人が、模擬宇宙船の中で、520日間にわたる「密閉生活」を行う。法制晩報などが報じた。

 火星の有人探査飛行を行う場合、火星に到達するまでに250日、火星に着陸しての活動に30日、地球帰還までの240日と、計520日が必要とされる。6人は、狭い船内に長期間滞在することの人に対する影響を調べる。睡眠時間8時間、作業時間8時間、娯楽時間8時間と、外界から隔離され、単調な生活を続ける。実験期間は延長される場合もあるという。

 宇宙船が火星に向かう場合、地球から離れるにつれ、交信電波が到達する時間も大きくなる。このため、実験では最大で20分の「外部との交信のためのタイム・ラグ」を設ける。また、宇宙船と地球の間に太陽がはさまる位置関係になった場合には交信そのものが不可能になるため、実験でも、実際の飛行計画に合わせて「交信不能期間」を設定する。

 6人が生活するのは550立方メートルの空間。立方体になおせば、1辺が8メートルたらずだ。実験開始後の「リタイア」は許されない。

 中国からは、中国航天研究訓練センター教員の王躍氏が参加する。王躍氏は1982年7月生まれ。予防医学を専攻して南京医科大学を卒業した。2008年には航天研究訓練センターで、宇宙医学・航海医学で修士号を取得した。(編集担当:如月隼人)



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