チェルシーDFジョン・テリーやマンチェスター・ユナイテッドDFリオ・ファーディナンド、チェルシーDFアシュリー・コールのセックス・スキャンダルや、負傷者続出(マンUのDFウェズ・ブラウンも離脱)だけでは足りないようだ。今度は盗聴問題が、イングランド代表の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)への道のりをさらに難しくさせている。

『デイリー・スター』が独占記事として報じ、その後イングランドのあらゆるメディアが伝えているところによると、3日に行われたエジプトとの国際親善試合を前に、数年前からイングランド代表が宿泊しているホテルで、ファビオ・カペッロ監督らがスパイされていたという。報道によれば、盗聴していた人物やその方法はまだ特定されていないそうだ。イングランド代表の選手たちやカペッロ監督は、6時間に渡って会話を盗聴されていたという。

分かっているのは、すでに先週、盗聴内容が多くのタブロイド紙に売り込まれていたということだ。その内容は「本当のダイナマイト」であり、「困惑するかもしれない」もので、「対戦相手のあらゆる指揮官の夢」だと言われていたという。盗聴された内容には、W杯に優勝した場合のボーナスから個人的なことまで、選手たちが様々なテーマについて話しているところや、カペッロ監督の戦術的な話も含まれていたようだからだ。

ただし、『インディペンデント』によると、盗聴の真の目的は、カペッロ監督がテリーを叱るところをキャッチすることで、それをゴシップ紙へ売るつもりだったのではないかという。マンチェスター・シティDFウェイン・ブリッジの元恋人とテリーが不倫をしていた問題のことだ。だが、盗聴された中に、カペッロ監督とテリーが“手の内”を見せた場面はなかったと言われている。

いずれにしても、FA(イングランドサッカー協会)は弁護士を通じ、違法にテープの内容を手に入れ、プライバシーを侵してそれを公表することのないように、あらゆるメディアに警告している。同時に、代表周辺の警護を強化しつつ、今回の件を明らかにするための調査を開始することを決定した。

一方、ホテルの広報は『タイムズ』の中で、「我々は何も知らない。我々は3、4年前からイングランド代表を招いており、常に彼らに最高基準の安全を保証してきた。それに、彼らには独自のセキュリティーチームもいる。だからこそ、我々のところでスパイ行為が行われたというなら、とても驚きだ」と主張している。