リクシルが展開する二重窓用の商品(17日、福岡市博多区のショールームで)

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 各地で厳しい暑さが続き、今年から設定された最高気温40度以上の「酷暑日」も観測される中、住宅の断熱需要が高まっている。

 リフォーム業者では窓の内側にもう一つ窓を設置する「二重窓」の受注が増えているほか、住宅メーカーも断熱性能の高い住宅の供給に力を入れている。国も断熱対策に対して補助金を出して支援している。(川口尚樹)

夏に受注ピーク 

 「二重窓にして劇的に暑さが和らいだ。冷房も利きやすくなり、生活が快適になった」

 戸建ての自宅の窓をリフォームした福岡市の女性は、今夏の猛暑でも断熱効果を実感している。女性宅はリビングの東側に大きなガラス窓があり、夏は朝日で室温が上がるため「カーテンなしでは室内で過ごせないくらいだった」。2024年に二重窓へのリフォームを行い、今年5月には子ども部屋の窓にも内窓をつけた。

 リフォーム業を手がけるエコマド工房(福岡市)では、早くから猛暑が予想されていた今年は二重窓の受注が80件超に上り、すでに昨年1年間の実績を超えたという。塩田昌史代表取締役は「窓のリフォームは寒さ対策で冬に多かったが、近年は夏が受注のピークになっている。暑さが厳しくなるにつれて相談が増えている」と話す。

節電効果も 

 日本建材・住宅設備産業協会によると、夏の冷房時の室外から室内に入り込む熱は、窓やドアなど開口部からが73%を占めるため、断熱の重要性が高い。住設大手LIXIL(リクシル)が長崎市で実施した二重窓の効果試験(外気温32度程度)では、通常の窓だけの場合は日射で床の温度が54度を超えたが、二重窓では46度程度に抑えられたという。

 窓やドアの断熱性を高めればエアコンの節電にもつながるため、国は23年に改修費用への補助を始めた。LIXILの二重窓の販売額は補助金の効果もあって23年度は前年度の約3倍に急伸し、その後も増えている。

 新築住宅メーカーも、断熱への対応が進んでいる。「セキスイハイム」ブランドで住宅を供給する積水化学工業は昨年10月、屋根と壁の断熱機能を高め、国が定める等級で最も高いクラスの断熱性を備えた住宅を発売した。担当者は「高い断熱性を求める顧客が増えており、ラインアップに加えた」と話す。

熱中症、家が4割 

 総務省消防庁によると、昨年5〜9月の熱中症による救急搬送は10万人を超え、同期間で過去最多となった。発生場所別では住居が全体の4割で最も多かった。室内でも命の危険が高まっている。国は今年度から窓をリフォームする場合の補助対象に学校や保育所、老人ホームも加え、断熱対策の支援を強化している。