王座返り咲きを果たした尾崎優日(カメラ・勝田 成紀)

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◆プロボクシング ▽WBOアジアパシフィック・ライトフライ級(48・9キロ以下)王座決定戦10回戦 〇同級2位・尾崎優日(6回終了TKO)同級3位ジェリー・フランシスコ●(7月15日、東京・後楽園ホール)

 WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王座決定戦で、WBC・IBF同級8位の尾崎優日(23)=ワールドスポーツ=がジェリー・フランシスコ(29)=フィリピン=を6回終了TKOで下し、1年7か月ぶりの王座返り咲きを果たした。

 プロでは初めて立つ後楽園ホールのリングでも、臆することはなかった。サウスポーの尾崎は、初回から右ジャブ、左ストレートで主導権を掌握。左右ステップで角度を変えながら、左をたたき込んだ。4回には左でぐらつかせると、コーナーに詰めて連打で圧倒。5回にも左ショートでダメージを与え、6回終了後にフランシスコ陣営が棄権を申し出た。

 「プロに入って初の後楽園で、勝てたことはホッとしている。世界ということを口にしたからこそ今日の内容にはがっかりしているが、勝てたことは次に繋がる。試合を通して学ぶことが多かった。収穫の多い試合だった」。王座奪還を喜びながらも、表情に満足の色は薄かった。

 相手の攻撃パターンを読めていた一方で、足で外してカウンターを当てる自分のスタイルに固執し「ワンパターンから抜けられなかった」と自己分析。「試合中に、相手のパンチをかいくぐって小さいパンチを当てていくという閃きはあった。そこは試合を通して吸収できた。やるべきことは山積みです」と話した。

 契約を結ぶトレジャーボクシング・プロモーションの元WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪代表からも「5点」と厳しい言葉が飛んだ。「もっとできるはずです。相手が打ってきて打ち返す、待ちのボクシングになってしまった。4点ぐらい」とさらに評価を下方修正すると、「打って引く必要はない。ちょっと見ながら前へ歩いてどんどんプレッシャーをかけて、コーナーで打ち込めばいい。死に体になってきている選手に対し、差し合いなんて必要ではない。押して殴る、でよかった。できるはずなので、それを次に見たいですね」と高い次元を要求した。

 世界ランクもWBO12位から上位にアップすることは確実だが、伊藤代表は「今日の出来では世界はないんじゃないですか。この階級で、まずは日本人で一番だということを証明していく必要がある。(9月26日に対戦するIBF王者タノンサック・シムシーと挑戦者マーク・ビセレスの)勝者にも興味がありますし、(WBA・WBO王者の)レネ・サンティアゴもいる。あとは東洋、日本王者との統一戦とか。すごいセンスの塊だと思うので、今日の試合では納得できないですね」と話した。次戦は年内にも行う見通しだという。

 尾崎は大阪・豊中市生まれ。小学1年でボクシングを始め、興国高ではアジアジュニア選手権銀メダルを獲得。法大中退後の2022年9月にプロデビューし、プロ3戦目の23年4月にWBC同級ユース王座を獲得。9戦目の24年12月にWBOアジアパシフィック同級王座も奪取した。翌年、飛躍のため渡米したものの、契約の関係で1年以上も試合から遠ざかる苦境も経験。帰国後にワールドスポーツジムに移籍し、再出発。今年5月にフィリピン・マニラで約1年半ぶりの復帰戦に臨み2回TKO勝利を収め、この日の王座返り咲きへとつなげた。

 伊藤代表から授かった新たな愛称は、「ザ・フラッシュ(閃光)」。この日は閃光のようなスピードで観客を魅了したが、尾崎本人はその輝きにまだ納得していない。「次のステップは世界だと思うが、埋めていかなければいけない穴がいっぱいある。強くなっていくので、今後の尾崎優日に期待してください」。王座返り咲きは、世界への助走にすぎない。

 戦績は尾崎が10勝(8KO)1分け、フランシスコが12勝(4KO)4敗。