「とうもろこしの食べ過ぎ」は”体にどんな症状が出る”のか?管理栄養士が解説!

とうもろこしを食べ過ぎるとどうなる?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
曽田 久美子(管理栄養士)

病院、老健で栄養士として給食管理に従事し、2025年管理栄養士国家試験合格。食に迷う人や食を大事にしたい人、食で体を変えたい人へ確かな情報を届けるべく、食で心と体を元気にする管理栄養士を目指す。

とうもろこしとは?

イネ科トウモロコシ属の植物で、地域によってはとうきびともいわれます。普段、とうもろこしを食べる際、未成熟な状態の種子を食べる場合と、完熟した種子を食べる場合があります。未成熟な状態で食べている甘みのあるとうもろこしは、スイートコーンとよばれます。スイートコーンは茹でる、焼く、蒸す等して食され、野菜類に分類されます。一方で、完熟種子として食べるとうもろこしは、ポップコーンを作るための品種である爆裂種や、馬歯種、硬粒種、軟粒種、もち種などがあり、これらはコーンミールやコーンフレークなどの加工食品の材料となるほか、でんぷんの原料、工業用原料や家畜用飼料としても利用されます。また、とうもろこしの胚芽を原料にしてコーン油がつくられることもよく知られています。

とうもろこしは一日どのくらいの量を食べると食べ過ぎ?

とうもろこしの粒の皮は食物繊維が多く含まれていて、食べ過ぎると人によっては、お腹に張りを感じたり、腹痛や下痢を起こす可能性があります。とうもろこしだけを食べ過ぎると満腹を感じ、他の栄養素を摂取できなくなることもありますので、不足する栄養素を摂取するためにも、いろいろな食品を一緒に食べることが大切です。

とうもろこしに含まれる栄養と健康効果

とうもろこしに含まれる栄養素

とうもろこしは、食物繊維や糖質を含む炭水化物が多く、野菜の中では比較的エネルギーが高い食材です。そのほかにも、たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、ビタミンE、カリウム、亜鉛、鉄などが含まれています。炭水化物の多い食材として、白飯と比較すると、白飯100gあたりには炭水化物37.1g、食物繊維1.5g、たんぱく質2.5gが含まれています。一方、スイートコーン100gあたりには、炭水化物16.8g、食物繊維3.0g、たんぱく質3.6gが含まれています。とうもろこしは野菜に分類されますが、白飯と比べると食物繊維やたんぱく質を比較的多く含んでいます。また、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、カリウム、亜鉛、鉄なども含まれており、さまざまな栄養素を摂取できる食材のひとつです。また、とうもろこしには、ルテインやゼアキサンチンというカロテノイド(天然色素)が含まれています。これらはとうもろこしの黄色い色のもとになる成分で、抗酸化作用により活性酸素の発生を抑えることが期待されています。

とうもろこしの健康効果

とうもろこしには炭水化物が多く含まれているため、エネルギー補給に役立ちます。また食物繊維が多く含まれるため、健康的な排便習慣の維持に役立ちます。カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を助ける栄養素であり、塩分の摂りすぎが気になる方の食生活に取り入れたい栄養素です。さらに、鉄や葉酸も含まれています。葉酸は赤血球の形成に関わる栄養素であり、鉄とともに健康維持に重要な役割を担っています。

とうもろこしを食べ過ぎて現れる症状

腹痛や下痢を起こすことがある

とうもろこし100gには食物繊維が3.0g含まれています。特にとうもろこしの粒の皮には、セルロースと呼ばれる不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、水分を吸収してふくらむ性質があり、便のかさを増やす働きがあることが知られています。一方で、一度に大量に摂りすぎると、人によってはお腹が張ったり、腹痛や下痢などの消化器症状が現れたりすることがあります。とうもろこしに限らず、特定の食品に偏ることなく、さまざまな食品を組み合わせて食べることが大切です。

便秘

とうもろこしに含まれる不溶性食物繊維は便のかさを増やす働きがあります。しかし、水分が不足している状態で食物繊維を多く摂ると、便が硬くなり、かえって便秘を招くことがあります。食物繊維の多い食品を食べるときは、水分も十分に摂取することが大切です。

太る可能性がある

トウモロコシ100g(スイートコーン・未熟種子・ゆで)には、エネルギーが95kcal、炭水化物18.6g、食物繊維3.1g、たんぱく質3.5g、利用可能炭水化物12.8g含まれています。糖質や脂質を摂りすぎると、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されるため、食べ過ぎれば太る可能性はあります。ただし、とうもろこし1本(約300g可食部が150g)あたりのエネルギーは約143kcal、利用可能炭水化物は約19gです。一方で、白飯150gではエネルギー234kcal、利用可能炭水化物57gとなります。このように、とうもろこしは白飯と比べるとエネルギーや糖質が少なく、適量であれば過度に太りやすい食品ではありません。

とうもろこしを食べ過ぎた時の対処法

水分を十分に摂る

とうもろこしには、不溶性食物繊維が多く含まれていて、便のかさを増やす働きがあります。しかし、水分が不足すると便が硬くなり、便通に影響することがあります。とうもろこしを食べ過ぎた時は、水やお茶などでこまめに水分を補給するようにしましょう。

胃腸を休ませる

とうもろこしには食物繊維が多く含まれるため、食べ過ぎるとお腹の張りや胃もたれを感じることがあります。その場合には、胃腸を休ませ、次の食事はおかゆやうどん、スープなど消化の良いものを選ぶのがよいでしょう。

様子をみる

とうもろこしの粒の皮は消化されにくいため、便の中にそのまま出てくることがありますが、通常は心配ありません。ただし、強い腹痛や嘔吐、下痢などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

とうもろこしの効率的な摂取方法

電子レンジで加熱する

とうもろこしに多く含まれるビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、カリウムなどは水に溶けやすい性質があるため、茹でるより電子レンジで加熱する方法がおすすめです。とうもろこしの皮をむき、軽く水でぬらしてふんわりとラップで包み、600Wの電子レンジで1本あたり4~6分加熱します。途中で裏返すと全体に熱が伝わりやすくなります。加熱後はそのまま5分ほど蒸らします。電子レンジ加熱は、茹でる場合に比べて栄養成分やうま味が流出しにくく、香りがよくジューシーに仕上がります。

なるべく購入した日に食べる

とうもろこしは収穫後は時間の経過とともに糖度が低下し、風味も損なわれやすくなります。新鮮なうちに調理して食べることが、美味しい食べ方です。どうしてもその日に食べられない時は、冷蔵保存し、なるべく早く食べることが大切です。

不足している栄養素とともに食べる

とうもろこしには、カルシウムの含有量が少ないため、牛乳やチーズなどの乳製品と一緒に食べると不足しがちな栄養素を補うことができます。また、とうもろこしのたんぱく質には、必須アミノ酸のひとつであるリジンが少ないという特徴があります。そのため、肉や魚、卵、大豆製品など、たんぱく質を多く含む食品と組み合わせることでたんぱく質の栄養価を高めることができます。

とうもろこしの保存方法や期間

なるべく購入した日に食べる

とうもろこしは、日持ちしない野菜です。収穫後に気温が上昇したり、時間が経つにつれて甘みがどんどん落ちていきます。そのため本来のおいしさを味わいたいなら、その日のうちに、できるだけ早く食べることをおすすめします。

加熱してから冷蔵で2~3日、冷凍で1か月

購入当日に食べない場合は、ラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ただし、とうもろこしは、生のまま保存するよりも、加熱してから保存するのがおすすめです。加熱後は、熱いうちにラップで包み、冷めてから冷蔵庫へ入れます。冷蔵保存の目安は2~3日です。ラップをしないまま冷ますと粒の皮にしわが寄ることがあります。冷凍する場合は、ややかために加熱し、粒をそぎ取ってから保存すると、調理時に使いやすくなります。冷凍保存の目安は約1か月です。

「とうもろこしの食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまでとうもろこしについて紹介しました。ここでは「とうもろこしの食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

とうもろこしは毎日食べ続けると体に良くないのでしょうか?

曽田 久美子(管理栄養士)

適量であれば問題ありませんが、主食と組み合わせる場合はエネルギーの摂りすぎに注意が必要です。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などと組み合わせて栄養バランスを整えましょう。
とうもろこしには炭水化物、食物繊維、ビタミンB1やビタミンB2、葉酸、カリウムなどが含まれており、食事に取り入れやすい食材です。野菜の中では糖質が多くエネルギーも比較的高めです。ごはんやパンなどの主食と組み合わせて食べる場合は、エネルギーの摂りすぎにならないように注意が必要です。また食物繊維を多く含むため、一度にたくさん食べるとお腹の張りを感じたり、腹痛や下痢を起こしたりすることがあります。また、とうもろこしを主食として長期間偏って食べ続けると、ナイアシンやトリプトファンが不足し、ペラグラという欠乏症につながることがあります。日常的に食べる場合も、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などと組み合わせ、栄養バランスを整えましょう。

とうもろこしは1日何本まで食べて大丈夫でしょうか?

曽田 久美子(管理栄養士)

明確な決まりはありませんが、一般的には1日1本程度が目安です。ほかの食品と組み合わせながら、適量を楽しみましょう。
とうもろこしを1日に何本まで食べてよいという決まりはありませんが、一般的には1日1本程度が目安です。とうもろこしは糖質や食物繊維を多く含むため、一度にたくさん食べるとエネルギーの摂り過ぎや、お腹の張り、腹痛などの原因になることがあります。ほかの食品と組み合わせながら、適量を楽しみましょう。

編集部まとめ

とうもろこしは、炭水化物や食物繊維、ビタミンB1やビタミンB2、葉酸、カリウムなどを含む栄養価の高い食材です。炭水化物が多いので、エネルギー補給に役立ちます。食物繊維は健康的な排便習慣の維持に役立ち、カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を助けます。また、収穫後は時間が経つにつれて甘みが徐々に低下します。購入後はできるだけ早く食べることがおすすめです。加熱する際は、栄養素の流出を抑えやすい電子レンジ加熱がおすすめです。加熱後はラップをしたまま冷ますと粒にしわがよるのを防ぐことができます。とうもろこしにはカルシウムや必須アミノ酸のリジンが少ないため、乳製品や肉、魚、卵、大豆製品などと組み合わせることで、より栄養バランスのよい食事になります。毎日食べても問題ありませんが、食べ過ぎには注意し、旬の時期にはぜひ食事に取り入れて、さまざまな食品と組み合わせながら楽しみましょう。

「とうもろこし」と関連する病気

「とうもろこし」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科の病気

高血圧貧血

「とうもろこし」と関連する症状

「とうもろこし」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

むくみ

便秘腹痛

下痢

参考文献

食品成分データベース|文部科学省

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省