ニデック株主総会「4時間紛糾」…浮き彫りになった「紙ベース」のド昭和な企業文化
表舞台を去った創業者
「永守さんの話が聞けないなら、もう株主総会に来る意味がない」
質問に立った株主は憤りを隠さなかった。
不正会計に揺れるニデックの株主総会が6月18日、京都市内で開かれた。746人が集まった総会は、昨年の倍を超す約4時間に及んだ。
もちろん、創業者・永守重信氏の姿はない。
同社の第三者委員会は、不正会計を生んだ背景を、永守氏への権限集中と過度な業績プレッシャーにあると指摘。永守氏は表舞台から去ったが、株主たちは創業者への追慕の念を隠さなかった。
「永守さんが議長を務めていた頃は、厳しい経営環境でも、『会社を成長させる』という圧倒的な熱量が伝わってきた」
ところが総会は、皮肉にも、永守経営の限界を暴く場となった。
露見した「ド昭和」な経営
売上高3兆円に迫るグローバル企業とは思えないほど、同社の仕組みが旧態依然としていたことが、岸田光哉社長ほか役員の口から次々に明かされたからだ。5月に公表された品質不正問題について、執行役員の栗林綾氏はこう語った。
「これまでは、人に依存し、紙を使って工程変更を申請したり、書類を回覧したり、メールで承認を得たりしていました」
世界企業の現場を動かしていたのは、昭和ながらの紙と回覧と、せいぜいがメールだったのだ。
岸田社長も「世界約300拠点の情報を短期間ですべて整理することは難しい」と認め、今後5年で情報システムなどに1000億円、技術情報基盤に300億円を投じる方針を明らかにした。グローバル本社機能も全社IT基盤も、取締役へ正確な情報を届ける仕組みすら未整備だった。
永守氏の号令は「ド昭和」な仕組みを気合で埋めてきた。その永守氏が去り、10兆円企業を夢見てきたニデックが、世界企業の看板を掲げた「巨大な町工場」にすぎないことが露呈した。
「週刊現代」2026年7月20日号より
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