【ボートレースコラム】「心の支えになっていた」 選手も残念に思う“横断幕の終了”
少し残念なニュースが6月25日に発表された。レース場の対岸などにおける横断幕掲出が、10月1日以降を初日とする競走から終了となる。終了の理由は、近年の異常気象や予測が極めて困難な突風などにより、レース中に横断幕が水面に落下した場合、レースの中断や選手の命に関わる重大な事故につながりかねず、全てのレースにおいて絶対的な安全と信頼を確保するため。ファンの思いがこもったカラフルな横断幕が見られなくなるのは寂しい。
6月24〜28日のボートレース平和島で、横断幕が“師弟”関係にある堀之内紀代子のものと並んで掲出されていた仲道大輔は「ペラとエンジンに向き合う苦しいときに、横断幕を見ると物凄く背中を押してもらった気持ちになる。心の支えになっていました。自分にとっては横断幕があるかないかで天と地ほどの差があったし、恩返ししたいと気合も入った。寂しいですね」と話した。
地方競馬、競輪、オートレースではまだ横断幕があるが、JRAでは2020年2月以降、パドックでの掲出が終了している。こちらはパドック本来の役割である馬体を見る行為の妨げになっていたため、というのが主な理由だ。
ボートレースでは横断幕に代わるレーサーへの応援サービス実施の検討や、情報表示装置の導入を進めるなど、対岸エリアの新しい活用法を模索していくという。オッズやレース映像を映す大型ビジョンを活用し、レースの合間に横断幕風の応援メッセージを表示するのもいいかもしれない。募集はインターネットでできる。再びファンの思いが何らかの形でレーサーに届く日が来るといいと願う。(秋田 麻由子)
◇秋田 麻由子(あきた・まゆこ)20年からボート担当。1日に優勝戦が行われる戸田では4枚の横断幕が掲出されており、高山弘斗の横断幕には“雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)”と、高山の活躍を願う熱い思いが込められている。

