週末のテニスで出会った気のおけない仲間たち!永谷園・上田谷真一社長の休日の過ごし方
「味ひとすじ」の理念のもと、創業の品である「お茶づけ海苔」をはじめ、「あさげ」「麻婆春雨」などを展開。シュークリーム専門店「ビアードパパ」などで国内外でも事業を拡大。社長を務める上田谷真一氏(56歳)の休日の過ごし方とは?
(撮影/西粼進也)
株式会社永谷園ホールディングス
取締役社長
上田谷真一
70年、埼玉県生まれ。92年、東京大学経済学部卒業。ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンなどを経て、04年に黒田電気取締役。クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン社長、バーニーズジャパン社長、TSIホールディングス社長、三浦屋会長などを経て24年に永谷園ホールディングス入社。26年4月より現職。
筋トレで鍛えた身体が、テニスの武器になった
週末のどちらか、4時間ほどテニスをすることが多いですね。学生時代にも少しやっていたんですが、40歳を過ぎて、ちゃんとスクールに通って始めたら、とても楽しくなりまして。妻が先にスクールに通い始めたんですが、妻と一緒にテニスをすることもあります。
もともと子どもの頃から運動が好きで、水泳だったり、剣道だったり、ラグビーだったり、何かしらやっていました。20年ほど前に始めたのが、ジム通いです。
今も朝5時半に起きて、毎日6時から7時までジムに行って筋トレをしています。それから戻ってシャワーを浴び、朝食を摂って仕事に向かうのが、ルーティンになっています。
これがあるからなのか、体質なのかはわかりませんが、食べたいものを食べていても成人病にならず、体型も大きく崩れたりしない。好きなものを食べられて、好きな服を着られているんですね。
しかも、筋トレの間はイギリスの雑誌『エコノミスト』の音声版を聞いていて、情報収集の時間にもなっています。この習慣は、週末も同じです。
そんな中でテニスを始めてみたら、身体を鍛えていたことが生きて、テニスの腕前のなさを体力でカバーできたんです。人よりちょっと早くダッシュするとか、遠いボールを拾いに行くとか。これができるとやっぱり結果も出るし、楽しかったんですね。
とりわけ50歳を過ぎてからは、カバーできる分量が増えてきて、体力があると得なんだな、と改めて感じています。
加えて、一緒にやるのはテニスを始めてからできた仲間。年齢もバラバラで、仕事などの利害関係もまったくない人たち。これがまた面白いんです。
テニスをした後に食事に行ったり、飲みに行ったりすることもありますが、学校でも会社でもない人脈ができたことは本当に貴重でした。毎週、楽しみにしています。ダブルヘッダーで6時間テニスをして、終わった後にみんなで焼き肉に行く、なんて日もあります(笑)。
掃除当番を担当。映画や買い物でゆったりと
テニスを終えて、そのまま帰る日もあります。そこからは週末の役割、掃除当番です。食事を作れない代わりに、片付けをしたり、掃除機をかけたり、洗濯をしたりします。
普段も皿洗いをしたり、トイレ掃除、床掃除は私の役割です。妻もフルタイムで仕事をしていますので。
あとは、空いている時間にストリーミングで映画を観たり、本を読んだり、音楽が好きなので聴くこともしますし、実はバンドをやっていたりもします。
坂本龍一さんが大好きなので、家でコードを研究してピアノをつま弾いたりしていることもありますね。
BtoCのビジネスに携わってきた経験が長いので、街を見に出かけることもよくあります。これは仕事というより、半分楽しみです。車で商業施設に出かけて、何を買うわけでもなくブラブラして、昼食を食べて帰ってきたり、
休みの日にガッチリと予定を立てる、というのはあまり好きではありません。テニスはコートを取らないといけませんから予定が決まっていることが多いですが、あとはギリギリで決めることが多い。
だから、予約をしないといけないところは、避けてしまう傾向にありますね。急に思い立っても行けないので、入れる店に入る、という感じでしょうか。
子どもも大きくなり、妻と2人で過ごす時間も増えてきました。最近は引っ越しをしたので、家具を買いに行ったり、見に行ったりするのも楽しい。
週末にも働いている従業員がいる会社のトップを務めていた時代は、少し無理をしてなかなか休まないこともありました。ただ、やはり余裕を失っていたような気もします。だから、ちょっと思い直して、休みはちゃんと休もう、と思うようになりました。
オンタイムのときは、ものを考えているようで考えていないような気もするんです。会議も瞬発力でこなしていることも多い。
オフタイムで他のことを考えているときに、じっくり熟成されたりする。ぐちゃぐちゃしたものが、フッと整理されたりするのは、案外、仕事から切り離された時間なんです。
まったく保守的な雰囲気がなかったことに驚き
永谷園ホールディングスは2年前に非上場化しました。目的は、この先100年続く会社にすること。これからも優良会社であり続けるために、大きく会社を変えていくのは簡単ではない。そのため、ここで一気に経営をアップデートさせよう、と。
その流れの中でお声がけをいただいたのが、私でした。もっと海外事業の比重を増やし、グローバルな会社にする。加えて、グループを取りまとめる日本発の永谷園ブランドをもう一度磨き上げて超優良企業に仕立て上げる。できる人材にチームを任せ、世代交代も含めて組織を変えていく。そんな取り組みを推し進めています。
伝統ある会社ですが、意外だったのは、まったく保守的な雰囲気がなかったことです。先祖代々続いている会社ですから、ともすれば引き継いだ会社を保守的に守っていくという考え方もある。ところが、現在の創業家の会長はそうではなかった。
グローバルな会社になったほうが面白いじゃないか、と恐れずに飛び込んで、結果的に多角化のベースを作った。オーナー企業だからこそ、思い切ったことができた、ともいえます。
ただ、この先はグローバル化もしっかり仕組み化したほうがいい。海外事業に関しては、永谷園グループの事業内容と合っている、成長性が見込まれる会社をM&Aで広げてきたんですね。今後も多角的に検討し、その時の永谷園グループの事業内容と会っている、成長性が見込まれる会社を加えていくのがいいと考えています。
ポテンシャルはとても大きい。日本発のグローバルな会社になれると思っています。
一方、社員も同様で社風が保守的ではないのも意外でした。服装も超カジュアルだったり、組織がとてもフラットだったり。伝統的なのに攻める姿勢があるんです。このギャップは大きな魅力だと感じています。
5月17日には「お茶漬けの日」でした。創業者の先祖であり、煎茶の製法を発明した永谷宗円翁の功績をたたえ、命日である5月17日を「お茶漬けの日」として制定いたしました。私も両国国技館でのサンプリングに参加してきました。
本当に幅広い年齢層や海外からの観戦客などにサンプリングし、お客様の声を直接聞くことができる貴重な機会となりました。皆さんが知っているブランドなので、改めて「お茶づけ海苔」の強さを感じました。
社長の月曜日
愛用しているのが、非売品の社内限定タンブラーです。子どもの頃は、古臭いなぁと思っていたお馴染みのデザインは、今になってその価値がわかります。
実は永谷園ホールディングスの売上高の約半分は海外事業なんです。シュークリームだったり、フリーズドライ加工したドライフルーツだったり。一連の伝統的なデザインは、海外でもとてもインパクトがありますし、実際に評判もいい。日本らしい大きな財産だと思います。
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