AIがホームテキスタイル産業を変革、物流効率向上とコスト削減を実現―江蘇省南通市
中国最大級の家庭用繊維製品(ホームテキスタイル)産業集積地の一つ、江蘇省南通市の叠石橋家紡産業園区では、新エネルギーの無人配送車が工場や倉庫、店舗の間を走行し、産業のデジタル化を支える存在となっている。
これらの車両はL4レベルの自動運転技術を採用し、高精細カメラやLiDAR(レーザー測距装置)などのセンサーを搭載。周囲の状況を自動で認識し、歩行者や障害物を回避しながら低速で安定走行することができる。産業団地内の短距離・高頻度・小口配送に適した物流システムとして活用されている。
ホームテキスタイル産業ではこれまで、受注量の変動が大きく、工場や倉庫、店舗間の短距離輸送を人手に頼るケースが多かったことから、物流コストや作業負担が課題となっていた。こうした課題を解決するため、南通市のクラウド型電子商取引(EC)企業、雲尚找家紡電子商務は無人配送車によるスマート物流システムを構築。近距離輸送の無人化・スマート化を実現し、物流効率を大幅に向上させた。
同社によると、計画では3000台の無人配送車を順次導入する予定で、現在は1日当たり20万件以上の注文を処理できる体制を整えている。輸送時間は約40%短縮され、配送1件当たりの物流コストも25〜50%削減されるなど、企業のコスト削減に大きく貢献しているという。
物流システムと並行して、同社は受注、物流、資金、情報を一元管理するデジタル運営プラットフォームも構築した。淘宝(タオバオ)や京東(JD.com)など主要ECプラットフォームと連携し、受注情報や在庫、出荷状況、配送状況をリアルタイムで管理できるため、在庫確認や伝票処理などの業務効率も大幅に向上した。
人工知能(AI)技術の活用は商品開発や生産管理にも広がっている。AIによる商品選定や、約30秒でデザインパターンを生成する機能を導入したことで、新商品の開発効率は約60%向上した。また、販売データを基に工場の生産能力を自動で最適化するスマート生産管理システムにより、多品種少量生産や人気商品の迅速な供給にも対応している。
現在、このデジタル化モデルは全国の伝統産業集積地への展開が進められているほか、越境EC市場への進出も視野に入れている。AIとデジタル技術を活用し、南通のホームテキスタイル産業は「地域のものづくり」から「世界市場への供給」へと新たな成長を目指している。(提供/紫牛新聞)

