楽天 三木監督「休養」発表の裏側 顕著だった求心力低下 球団の姿勢にも疑問 現場と足並みそろわず
楽天は10日、成績不振のため三木肇監督(49)が休養し、塩川達也ヘッドコーチ(43)が同日の巨人戦から監督代行を務めると発表した。借金15に膨らんだ9日の試合後の協議で決まり、日をまたいだ午前1時にリリースが出されるという異例の指揮官交代劇。担当する花里雄太記者(42)がその理由と、今季の低迷の裏側、そして球団が長く抱える課題に迫った。
日付をまたいだ深夜1時の発表には驚かされた。本拠6連戦初戦の巨人戦に敗れた後、深夜まで及んだ双方協議により、決まった電撃的休養。森井誠之球団社長は「残り85試合、まだ諦めない。一試合でも多くファンの方に前向きな新しい戦いを見せていきたい」と力を込めたが、選手も報道で知るほど、強い緊急性を感じさせた。
誤算が相次いだ。正遊撃手の宗山、中継ぎの柱の西口が開幕から不在。新加入の前田健、主砲のボイトも結果を残せていない。だが、それ以上に三木監督の求心力の低下は顕著だった。一部選手からは「今年は監督と話をする機会が減った」との声も上がっていた。選手の昇降格などについての質問に口をつぐむことが多く、先発投手の起用について「詳しくはフロントに聞いてください」と答えるなど、現場と球団が一枚岩ではないことを感じさせる言動も増えた。7点リードを逆転された4日のDeNA戦。右翼の佐藤が投手交代の際にあぐらをかいて芝生をむしる姿が見られ、巻き返しへの機運が高まる兆しは見られなかった。
長期的なチームづくりという点で球団の姿勢にも疑問がついて回る。日本ハムは新庄監督が2年続けて最下位に終わっても辛抱強く見守り、優勝争いの常連に変貌した。24年5月に松井監督が休養した西武も同年オフの西口新体制発足時に、チームに縁のなかった鳥越氏、仁志氏らをコーチとして招いた。新しい血を入れ、今季は首位を走る。優れたモデルケースが身近にある。
球団創設22シーズン目の楽天はこれまで6人の指揮官が1年で監督の任を解かれた。腰を据えたチームづくりの信念がなく、「楽天の監督は誰もやりたがらない」というのは今や球界の定説だ。組織そのものを劇的に変えない限り、球団初のリーグ優勝&日本一に輝いた13年のような栄光は二度と訪れない。(楽天担当・花里 雄太)
≪9日の試合後協議 深夜1時に異例リリース≫楽天は9日時点で、21勝36敗1分けの借金15。5位のロッテと7ゲーム差の最下位に沈んでいた。休養する三木監督は球団を通じ「シーズン中にこのような形となり大変悔しく、不本意な思い。支えてくださったファンの皆さまには感謝の思いでいっぱいです」などとコメントした。20年と、その時以来の1軍指揮となった昨季はいずれも4位だった。
塩川監督代行は「現状の成績を受け止め、選手が思い切って力を最大限に出せるようにすることが自分の役目」と所信表明した。東北福祉大から、プロ野球参入を控えた楽天が初参加した04年ドラフトの5巡目で入団。内野手として11年までプレーし、18年から楽天でコーチ職を歴任してきた。また、真喜志康永育成総合コーチ(66)がヘッド格のチーフコーチに配置転換され、1軍に合流した。
