六代目山口組の中核組織・弘道会最高幹部も参加…名古屋の有名武闘派ヤクザが行った「盃直し儀式」内幕
武闘派ヤクザが執り行った「盃事」
閑静な住宅街の一角に強面の男たちが集結したのは、5月下旬のある休日のことだった。
三重県の県庁所在地・津市の中心街から車で5分ほどのところにある老舗ヤクザ・紙谷一家の本部前には、早朝から組員たちが詰めかけていた。周囲には地元の三重県警や愛知県警、兵庫県警など全国各地から捜査員が集まって警戒にあたっており、付近は物々しい雰囲気に包まれていた。
現場の緊張が一層高まったのは、時計の針が9時45分を指そうかという時だった。1台の黒塗りの高級車が本部へと入ってきて、六代目山口組の中核組織・弘道会の南正毅若頭が降り立ったのだ。
弘道会といえば、六代目山口組の司忍組長(84)や郄山清司相談役(78)らを輩出した有力組織。そのナンバー2が厳戒態勢の中、姿を現した目的とは何なのか−−。
「この日、紙谷一家の本部では弘道会の2次団体・稲葉地一家の代目継承に関わる兄弟盃、並びに親子盃が行われていました。弘道会・南若頭以下執行部の立ち会いのもと、稲葉地一家・林雅志若頭が新たな総長に就任しました。
稲葉地一家は愛知県名古屋市を縄張りとし、江戸時代末期から続く有名団体。’15年に勃発した六代目山口組分裂騒動では抗争の最前線で複数の発砲・射殺事件を起こすなど武闘派ヤクザとしても知られています。組のために身体を張った組織の代替わりとあって、弘道会の南若頭が直々に立ち会ったのです。会場となった紙谷一家も稲葉地一家と同じく弘道会の2次団体。儀式ごとのために本部を貸したということでしょう」(山口組事情に詳しいジャーナリスト)
午前10時から始まった代目継承の儀式は滞りなく終了したようで、12時を前に南若頭が紙谷一家本部から出てきた。新たに就任した林総長ほか、稲葉地一家の組員たちが見送る中、送迎車に乗り込むと本部を後にした。
2次団体の儀式を無事に終えた弘道会はここ1年、大きな変化の時を迎えている。
「昨年9月、当時の会長だった六代目山口組・竹内照明若頭(66)から、現在の野内正博会長への代替わりが行われた。今回、見届け人として参加した南若頭も、このタイミングで今のポストに就任しています。
組織の若返りを進める中、今年3月には関東の有名団体・東声会の会長に弘道会の元若頭補佐が就任。その背景に、弘道会ーー六代目山口組の関東進出という目論見があるのではないかと話題になりました。組織変革を進める弘道会において、今回の稲葉地一家の代替わりも重要な意味を持つものといえます」(同前)
一連の不穏な動きに、警察当局も警戒を強めている。
