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中東情勢を巡り、政府は中東以外からのナフサの輸入量を増やしたり、目詰まり解消にむけて調整を行うなど対応を続けています。一方で、企業に対して“強い要請”とも受け取れる対応をとっていたことも日本テレビの取材でみえてきました。

■政府側が企業に関与? 経産省から問い合わせが…

政府の企業への対応にも課題が見えてきました。日本テレビ経済部の後閑駿一記者が解説します。

政府は中東以外からのナフサの輸入量を増やしたり、目詰まり解消にむけて調査や調整を行うなど対策を続けています。しかし、初期対応でこのようなケースもありました。

西日本に本社を置くある企業は、中東情勢の悪化以降、一部の商品に使う資材が品薄になってきていて、仕入れ先からも在庫の見通しが示されなくなったことなどから、一時的に新規の受注を停止することを決めました。

すでに受けている注文の納期を守ることを優先するための対応です。

複数の関係者によりますと、このタイミングで経済産業省から「受注停止しないといけないレベルなんですか?」などといった問い合わせがあったということなんです。

この企業の関係者は「1年に1度くらいしか顔も合わせないので、いきなり強いトーンの連絡で正直、面食らった」と話していました。

■企業関係者「政府の“介入”のようなかたちになったのは事実」

企業側は経産省に事情を説明し、それを受けて経産省は、取引先に在庫や今後の納期の見通しを提示するよう求めるなどの対応を行ったといいます。

その上で企業側は、経産省から「事態を落ち着かせたいのでどうにかなりませんかね」などと早期に受注を再開するよう、強い要請を受けたと感じたといいます。

そこで企業側は、当初の予定よりも早めて、受注の再開を決定しました。しかし、現在も一部の商品では供給の制約が続いていて、受注を断ったり、納期を明示できないなどの対応が続いているということなんです。

この企業の関係者は、「要請があって再開を早めざるを得なかった。経産省のおかげの部分もあるので大きいことは言えないが、政府による“介入”のようなかたちになったのは事実だ」と話しています。

■「言論統制に近い」との業界団体の声も

ほかにも、ある業界団体の幹部は報道機関の取材に対し、中東情勢の悪化が長引く可能性を踏まえ、“需要抑制の必要性”について言及しました。

“需要抑制の必要性”というのは、原油由来のものを節約する必要があるといった趣旨のことです。

この発言をうけて、政府側からは「政府の発言と齟齬(そご)があることについては、発言を控えるように」などとした上で、今後は報道機関の取材に応じないように求めてきたほか、人事上の処遇で不利になると受け止められるような発言もあったということです。

こうした動きを受けて、業界団体では、ただちに需要抑制は必要ないなどとするコメントを発表しました。

さらに別の団体でも、幹部が需要抑制の必要性に言及したところ、政府側から、「発言の真意はなんなのか」などと問い合わせが来たということで、団体内でも「言論統制に近い。今の政府の手法はやりすぎでは?」との声があがっています。

■企業側と政府側の対応“向かっているベクトルが違う”

企業などと政府のコミュニケーションは、どのようであると良いとされているのでしょうか。野村総合研究所エグゼクティブ・エコミストの木内登英さんに聞きました。

「企業が受注停止を決めるのは自衛的な面が強く、合理的な判断ともいえるのではないか」と話していました。一方で「取材内容が事実であれば、政府の個別企業への対応は、問題の本質に直接働きかけるものではないように感じる」としています。

その上で、「政府による代替調達の努力は評価するが、重要なのは将来にわたる安定的な調達について、企業の不安が解消されるかどうかだ」と話しています。

 ◇

一方で、政府側はこうした対応をめぐって、どう説明しているのでしょうか?今日の会見で、赤沢経産相はこのように述べています。

赤沢経産相
「早期の受注再開を強く要請したケースがあるとは認識しておりません。個別のケースに応じて、正確な情報の把握と共有に努めているものであり、個々の民間事業者の事業活動について強制することは意図しておりません」

政府としては、そのような対応はしていないという認識を示しています。

中東情勢を巡っては、企業が経営に支障がでないように対応している一方、政府はパニックが広がらないように対応していて、向かっているベクトルが違うんですね。

それだけに、政府には企業に対してより丁寧なコミュニケーションと、疑心暗鬼にならないような納得できる情報発信を行ってほしいと思います。

(5月29日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【#みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)