【+αオンライン編集部】死刑に参加した刑務官が明かす…「執行」の日を待つ死刑囚が取った「異常な行動」

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死刑とは犯した罪を自らの死によって償う刑罰で、刑法11条で死刑は刑事施設内において絞首にて執行すると定められている。日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。本記事では、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材したマンガ『刑務官が明かす死刑の秘密』より取り上げる。

重い責任を背負って

一之瀬さんはなぜ死刑について取材するに至ったのか、こう語る。

「もともと警察ものや犯罪ものの作品に興味があり、その手のドラマを見たり小説を読んだりしていました。そのような中、刑務官の方と知り合いお話をしていく中で、刑務官の仕事は塀の中の業務ということもあり、それまで深く知る機会がありませんでしたが、刑務所の中の治安を守ることはもちろんのこと、罪を犯した受刑者の矯正、そして死刑の立ち会いと、重い責任を背負って日々業務をこなしているのだということを知り、刑務官という職業のリアルな姿を伝えられればと思ったことがきっかけです」

一之瀬さんが取材したのは、実際に死刑に立ち会った経験のあるM刑務官。大学卒業後、刑務官試験に合格。地方刑務所、拘置支所勤務を経て、現在は某拘置所に勤務している。

裁判の判決を待つ未決囚や死刑囚が暮らす拘置所では、日々様々な事件が起きているという。本記事ではそんな拘置所で起こった事件について取り上げる。

追いつめられる死刑

死刑囚は死刑確定から執行までの間、拘置所で生活を送っているが、今日か、それとも明日か…いつ死刑になるか分からない恐怖に数年〜数十年苦しめられることになる。

ある日、死刑囚Nのもとに妻が面会に訪れた。

「あなた、太郎(仮名)が昨日、学校で絵を描いてきてね」

そう妻が話しかけると、Nは

「次郎が絵を描いたのか!」

と返した。

「あなた、息子の太郎よ…?」と妻は不審がるが、「うん。だから息子の吾郎のことだろ?」と譲らない。

どういうことだろうか。M刑務官はこう語る。

「Nには太郎という名の一人息子がおり、他に子どもはいなかった。これは『ガンザー症候群』と呼ばれるもので、長い拘置所生活によるストレス症の一種です。例えば、1+1=3と答えたり、問いに対する返答がズレたりするなどの症状が出ます」

この病気はストレスから離れればすぐに治るとされているが、言い換えると、死刑になるまで治らないということになる。

棺の中から謎の音が

死刑執行後に事件が起こることもある。

1872年、放火の罪で死刑囚Sの死刑が執行された。遺体は遺族に引き取られることとなり、遺族は棺を刑場から運び出した。しかし、1キロほどすると、棺の中から「ギュルギュル」「ゴボッ」など謎の音が聞こえてきたという。一体何が起こったのか。

記事後編【死刑に立ち会った刑務官が明かす…死刑執行後の遺族を襲った大パニックの真相】に続きます。

死刑執行後の「遺族」を襲った大パニックの真相…死刑に立ち会った刑務官が告白