元秘書が暴力団員と「会合疑惑」…自民党都連会長に向けられる「疑いの目」

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物議を醸した写真

ロウソクが刺さったケーキを持つ男性と、それを祝う周囲の人々。

一見、何の変哲もない「誕生日会」の光景を捉えた一枚の写真のようにも見えるが――。

「誕生日ケーキを持つ男性の隣に写るのは、住吉会系の暴力団員であるX氏です。そして、彼の周囲にいる人間は青梅市議会議員と青梅市の職員なのです。『不適切交際なのではないか』と職員の間では噂が広がっているようです」(青梅市関係者)

反社会的勢力との会合は「事実無根」だという青梅市議会からの回答。ところが、この疑惑は青梅市議会を飛び越え、ある大物政治家が関わる疑念へと発展している。

前編記事『青梅市議会議員の「暴力団との会合疑惑」を市関係者が告発…「彼らは自民党都連会長の元秘書です」』に引き続き、後編では一連の疑惑について詳報する。

麻生派の有力議員に「疑惑」が

「実は、自民党の井上信治氏と暴力団員のX氏はFacebook上で友達関係にあるのです」

そう語るのは、前編記事『青梅市議会議員と暴力団との「会合疑惑」を市関係者が告発…「彼らは井上信治都連会長の元秘書です」』で、青梅市議会議員と住吉会系二次団体『日野一家』の現役構成員との「親密ショット」を告発した青梅市の関係者だ。

井上信治氏といえば、都議補選での大敗の責任を取り辞意した萩生田光一氏の後任として東京都連会長に就任するほか、国際博覧会担当大臣、内閣府特命担当大臣、環境副大臣などを歴任するなど、自民党・麻生派の有力代議士の一人として知られている。

「彼は、政治家には珍しい非野心家タイプ。萩生田氏の後任として都連会長の座に就任したのも決して狙ったものではなく、たまたま席が空いたという見方をする人間が多いほどです」(全国紙社会部記者)

井上氏は7日に行われた自民党東京都連の会合で、政治資金収支報告書に不記載があった議員の公認を巡る石破総理の対応に「なぜもう少し早く決断してもらえなかったのか。大変遺憾だ」などと批判。その上で「裸一貫で出直すしかない」と、衆院選に向けて決意を述べている。

「現在は都連会長の立場にある井上氏ですが、2018年には派閥からのキックバック458万円を収支報告書に記載していなかったことを赤旗に報じられています。この件は結果的に裏金扱いにはなりませんでしたが、他にも自身が代表を務める団体と旧統一教会関連団体との繋がりもあったりと、決して疑惑がゼロの政治家ではないのです」(前出の全国紙記者)

暴力団員と元秘書の写真…井上氏の回答は

そんな井上氏と住吉会系二次団体『日野一家』の現役構成員との関係とは。前出の青梅市関係者はいう。

暴力団員のX氏と写真に写っていた青梅市議の寺島、中野は、市議になる以前に井上氏の私設秘書を務めていました。そして、井上氏本人はFacebook上でX氏と友達関係にあります。これは偶然なのか。元秘書と共に反社会的勢力の人間と繋がりがあったと疑う声は多いです」

井上氏にX氏との関係について質問状を送ると「Facebookは秘書が運用しており、友達申請は原則として全て承認しております。こちらから友達申請を行うことはありません」と回答があった。

また、元私設秘書とX氏の交友疑惑についても「ご指摘の2名が写真の人物とどのような関係か、どのように知り合ったか等についても存じ上げません」とのことだった。

一連の出来事はすべて「偶然」だったということなのか。

「納得がいかない…」市関係者の思い

「青梅市議会の回答には到底納得がいきません」

市の関係者は憤ってこう話す。

「たまたま知り合いの経営者と飲食店で会い、そこにたまたま暴力団員がいて写真を撮る。しかも、そこにいた暴力団員は秘書を務めていた政治家とSNSで繋がっていた……。疑問点が多いというのが正直なところです。これまでお話した通り、片谷、寺島、中野は市議会議員であり、文化複合施設整備特別委員会の中心的立場です。井上氏同様に倫理観が求められます。軽はずみの行為で我々が受けるダメージを考えてもらいたかった」

市民はもちろん、共に働く関係者からも「疑惑」の目を向けられない行いをしてもらいたいものである。

青梅市議会議員の「暴力団との会合疑惑」を市関係者が告発…「彼らは自民党都連会長の元秘書です」