のうか不動産(公式ホームページより)

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 石川県金沢市に本拠を構える不動産会社「のうか不動産」。“日本一マメな不動産屋”をモットーに、1978年の設立以降、金沢大学や金沢美術工芸大学などの学生たちの部屋探しをはじめ、長年地域に密着してきた会社だ。そんな老舗があるSNSの投稿によって窮地に陥った。

【写真】「時代錯誤も甚だしい」批判が殺到したのうか不動産の広告の数々

《時代錯誤も甚だしい》

「きっかけは4月14日の、とあるXのユーザーによる1枚の写真の投稿です。のうか不動産の店舗前に掲出されたのぼりを撮影しており、そこには《部屋が古くて初体験が遅れてる。》という文章が掲載されていました。これが“不適切である”とのうか不動産への批判が殺到したのです」(全国紙記者)

 実際、のうか不動産の公式Xではもりの里店の前に掲出された当該のキャッチコピーを確認でき、ほかにも、

部屋がダサくて恋もできない。》
部屋が寒くて彼女の心も冷めた。》

 というのぼりが掲出されていた。さらに、Xの別のユーザーがのうか不動産の看板広告の写真を投稿。そこには、

《美大生は歓迎!美人女子大生も大歓迎!!(笑)》

 などという、目を疑うようなキャッチコピーが書かれていた。

 これに対し、ネット上では、

《女性にも男性にも極めて失礼な不動産屋》
《時代錯誤も甚だしい》
《芸も品もない》
《モラル以前にマーケティングとして失敗してる》
《内部でこれは駄目でしょうって言える人が居なかった事が一番怖い》

 などと、会社としての資質を疑う声まで上がってしまう始末。

 これに対し、のうか不動産は公式Xにて謝罪し、当該ののぼりを撤収したことを報告した。さらに、4月16日には公式ホームページにて《配慮の欠如を猛省しております》と重ねて謝罪した。

のうか不動産に直撃取材

 迅速な謝罪対応ができたにも関わらず、そもそもなぜこのようなのぼりを掲出してしまったのか、のうか不動産の広報担当者に話を聞いた。

「ご指摘のあったのぼりにつきましては、2009年ごろに掲出を開始しておりまして、毎年数か月間、掲出しておりました。広告看板につきましては、2009年ごろに掲出を開始し、2010年ごろに掲出をとりやめております。

 時代性やコンプライアンス等考慮せず、10年以上前に制作したのぼりを使用してしまっていたことに関しましては反論の余地はございません。配慮が欠けておりました。弊社の広告物により、ご心証を悪くされたみなさまには心よりお詫び申し上げたいと思っております」

 2009年ごろから掲出とのことだが、いったい誰がこの広告コピーを考案したのだろうか。

「いずれの広告物につきましても2009年の本社移転新築時に地元クリエーターに作成を依頼したものです。当方からこのようなテイストにしてほしいと具体的な指示はしておりませんでしたが、提案いただいたものに対してOKを出したのは間違いございません。

 弊社では数年前より、LGBTフレンドリー宣言をしており多様性の重視へと舵を切っていたところであります。そういった社の方針と広告表現との間のミスマッチを見過ごしてしまっていたことは恥ずべきであったと猛省しております」

 “日本一マメ”を掲げながら、企業のイメージを左右する広告に気を配れなかったとは、皮肉以外の何物でもない。