31歳のダニ・オースティン氏は2012年にYouTubeで活動を開始、インフルエンサーとして10年以上のキャリアがある。2021年、オースティン氏は髪と頭皮の健康や抜け毛予防に焦点を当てたヘアケアブランド、ディヴィ(Divi)を立ち上げた。ブランドの所有権はすべてオースティン氏にある。

ディヴィの最初の製品スカルプセラム(Scalp Serum)は、発売後数時間で完売したヒーロー商品となった。その後、「水分補給+修復」のために作られたシャンプーとコンディショナーを発売している。2022年にアルタ・ビューティ(Ulta Beauty)で発売されたこのブランドは、急速に成長中だ。オースティン氏がフォーブス(Forbes)のトップクリエイターリスト(Top Creators List)に名を連ねた2023年9月には、ディヴィのこれまでの売上が2300万ドル(約33.4億円)に達したと報じられ、業界筋によれば2023年末までに2500万ドル(約36.3億円)以上になったという。

否定的なレビューをした人に直接コンタクト



最近、ディヴィはボリュームアップを目的とした第2弾のシャンプーとコンディショナーを発売する準備を整えた。発売に向けてオースティン氏は、200万人いるインスタグラムのフォロワーを活用し、従来とは異なるマーケティング手法を取り入れることにした。彼女は、最初のシャンプーとコンディショナーに否定的なレビューを残したフォロワーに直接電話をかけたのである。細い髪質の人に適した新たな処方はすでに完成していたが、その製品を作るにあたって、オースティン氏は否定的なレビューを考慮に入れたという。

「最初のシャンプーとコンディショナーは、細い髪の毛の人、なりたい髪や好みが異なる人からは重いと思われていた」とオースティン氏。同ブランドの美容液やヘアビタミンのように「誰でもみんなが」使える製品もあるが、シャンプーとコンディショナーに関しては、ブランドの顧客層によって異なる選択肢が必要なことに気づいたと、オースティン氏はいう。

クリエイターであり創業者でもあるオースティン氏は、ほとんど1日も休まず、投稿を行い、コミュニティと関わっている。また、ディヴィはインスタグラムに21万3000人のフォロワーという成長中のコミュニティがある。

「重すぎる」という意見について、オースティン氏は次のように話した。「実際にそのフィードバックには感謝している。私の顧客はとても親切で、そんなに攻撃的な人はいない。私たちがもっとよくなってほしいと心から思ってくれている。またそのフィードバックがなければ何か違うことをやる必要があると気づけなかった」。

ブランドの名誉を挽回し、不満を抱いた顧客を取り戻す



2022年9月、あるレビュアーはディヴィのウェブサイトに次のようなレビューを書いている。「ダニとディヴィが大好きなので、このシャンプーとコンディショナーをぜひ試してみたかった。でも1回洗っただけで、もう使い続けるつもりはないので、とても残念だ。シャンプーのテクスチャーが好きじゃない。2回洗ったのにシャワーから出たら髪がベタベタしていた。プレウォッシュのオイルトリートメントを使っているが、洗い流せなかった(ほかのシャンプーではこんな問題はなかった)。コンディショナーのとろみのあるテクスチャーはいい感じだけど、髪がパサパサしてごわついた感じになる。たまたまかもしれないので、今日もう一度使おうと思っていたけど、ほかのレビューを読んで、もう試さないことにする」。

アルタ・ビューティのウェブサイトではオリジナルシャンプーは星4.2の評価を得ている。これは1387件のレビューの平均値であり、そのうち星5つのレビューが807件だ。

ディヴィのブランドマーケティングのシニアディレクターであるローレン・ボンフィグ氏は、「クリエイターが創業したブランドとして、私たちはパーソナライズされた心のこもった方法でコミュニティとつながることができる」と語った。ボンフィグ氏のチームは不満を持つ顧客にeメールで連絡を取り、オースティン氏が電話をすることを知らせたという。

「顧客の髪質を知りたかったし、私たちが不満の声に耳を傾け、そうしたフィードバックを大切にしていることを示すためにも、ブランドの名誉を挽回し、新しい処方を紹介する機会となる(2024年1月7日に開催された)イベントにその人たちを招待したいと考えた」とオースティン氏。「不満を抱く顧客を取り戻すことに興奮していた」。

その週の時点でオースティン氏は電話をかけ始めていた。オースティン氏によると、いくつかのケースでは、ファンは最初に連絡してきたディヴィのチームメンバーにメールを送り、電話の相手が本当にオースティン氏だったのかを確認したという。顧客に心おきなく否定的な意見を伝えてもらうには時間がかかったが、オースティン氏が自分が気分を害することはないことを保証すると心を開いてくれたという。オースティン氏は相手にこう伝えた。「私たち双方にとっていいことだ。私は方向転換して変わることができるし、あなたがきっと気に入るものを作ることができるだろうから」。

ブランドは、テキサス州フリスコにあるゴールディ・アンド・コー(Goldie & Co)のサロンで開催されたイベントに不満を抱いていた顧客約20人を招待し、2024年1月5日に発売されたばかりのボリュームアップシャンプーとコンディショナーを使ったブロー施術を無料で提供した。また、出席した顧客には持ち帰り用の新製品もプレゼントした。

ソーシャルメディアへの投稿がブランド成長の一因に



2024年はディヴィにとって新たな成長の年となりそうだ。今後数カ月でいくつかの新製品を発表する予定である。「新しい(ボリュームアップ)ラインは、新製品開発による収益を5倍以上に拡大しながら、2024年に前年比60%成長という目標達成に貢献する」とオースティン氏は語った。

オースティン氏は、予想以上に早く訪れたブランドの成長の一因は、「自分をフォローしていない人」も含め、顧客が自発的にソーシャルメディアに投稿したビフォーアフター画像のおかげであるという。その投稿の多くは、乾癬、産後の抜け毛、脂っぽさや部分的な薄毛、ヘアエクステンションのダメージなどに悩む人々によるスカルプセラムを使用したプラスの効果を取り上げている。これはブランドの成長に寄与するだけでなく、女性の抜け毛やそれに関連した問題に対する偏見を減らすことにも役立っているという。「コミュニティのクールな感覚を作り出している」とオースティン氏は話した。

スペイト・トレンドウォッチ:レインボーアイシャドウ





消費者はTikTokで「レインボーアイシャドウ」現象を受け入れている。メイクアップ愛好家たちがクリエイティビティを披露しているTikTokでは、このカラフルなメイクのトレンドが週平均130万ビューを獲得、最近では月間ビューが11187%増加した。(2024年1月時点)

レインボーアイシャドウのトレンドの独創的な解釈のひとつには、チーター柄と鮮やかな虹色を組み合わせたものがある。別のバリエーションとして、レインボーテープアイシャドウのトレンドがあり、これはテープを使って目の周りに輪郭を作り、レインボーアイシャドウを塗ってからテープを剥がすときれいなラインが出るというものだ。

メイクアップのお手本動画がこのトレンドを牽引しており、プロのアーティストや独学で学んだアーティストが、レインボーアイシャドウの技術をマスターしたい人たちのためにステップ・バイ・ステップのガイダンスを提供している。「ブランドは、レインボーアイや鮮やかなレインボーリップなど、表現力豊かなルックに共鳴するために商品を多様化することで、進化する消費者の嗜好を形成する機会を得ている」と、スペイトの共同創業者ヤーデン・ホロウィッツ氏は語る。「従来のフェイシャル製品の枠を超えたマルチユース製品の導入は、現代の美容嗜好に対する深い理解を示すだけでなく、市場の微妙な需要にきめ細かく対応する革新的なリーダーとして、ブランドの地位を確立する」。

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[原文:Glossy Pop Newsletter: Why Divi founder Dani Austin worked with negative reviewers to launch new products]

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida、編集:山岸祐加子)