第一世代から大幅に進化し、ナビも表示できるようになった「Beeline Velo2」

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 【木村ヒデノリのTech Magic #133】 コロナ禍を経て自転車で出かけることが多くなった読者は多いのではないだろうか。密を避けられて、運動にもなる。自転車はまさに一石二鳥の移動手段だが、知らない場所に行くのには地図アプリが必須。また、スマホを見ながらは運転できないのは不便だ。そんな問題を解決するのが、今回紹介するサイコン一体型ナビ「Beeline Velo2」。これを使えば、スマホを見ずに目的地にたどり着ける。

●スマホを見ずにどこでもスイスイ



 初代Beeline Veloは自転車の自由度を活かすために方角しか表示されない仕様だったが、Velo2ではしっかりとルートを表示してくれる。大まかだが分岐する道も表示されるので、間違わずに進むことができる。

 次に曲がるまでの距離と方向はもちろん、少し手前で1回、曲がり角に差し掛かったところで2回のビープ音が鳴るので画面を見ていなくてもルートを把握できる。

 バイク用のBeeline Motoではルート表示が可能だったが、Velo2では情報がより整理されていてわかりやすい。画面が明るくなった点も良かった。

 タッチ式だった操作方法も本体を押し下げる方式に変更された。手袋をしている冬場も問題なく操作できる。充電方式はmicroUSBからUSB-Cに。価格もMotoと比べると1万5400円(一般販売予定価格、税込)と手頃だ。

●揺らぎのある走行、コンパスモードも健在



 第一世代で採用されていた目的地までの方角だけを表示してくれる「コンパスモード」も引き続き使える。「今日はこっちの道で行ってみようかな」といった揺らぎのある走行ができるのが楽しい。

 東京近郊のみに限定されていたスマートルート機能も現在は日本全国で利用可能となっている。高速ルート、バランスの取れたルート、静かなルートなどその日の好みで選ぶことができる仕様だ。

 Beelineアプリ独自のレーティング機能も面白い。ユーザーが道を評価したデータを使うことでサイクリングに適したルート案内が進化していく。

 Googleマップの案内を耳で聞いているだけで十分だ、と思っている人でもバッテリー消費は気になるだろう。Velo2でナビをするとスマホのバッテリーが全然減らない。車と違って電源がないのでこれも大事なポイントだ。

 目的地に辿り着いたらスマホの電池がない…という事態は地図アプリを使っていると頻繁に起こるトラブル。Velo2なら走行後の利用、また帰り道でのバッテリー残量も安心だった。本体も満充電なら4〜5回のライドに使えるので余裕がある。

●バイク用=Motoだったが、実はVelo2もバイクに使える



 バイクはMoto、自転車はVeloという区分けになっているが、実はアプリの設定で双方ともそれぞれに切り替えて使うことができるようになっている。

 ではVelo2の方が良いのでは?と思うだろうが防水性やマウントの種類でMotoはバイクに特化している。Velo2は防水性能があるものの、コネクタが剥き出しなので注意が必要だ。

 MotoとVelo2は写真から分かる通り、マウントの形が違う。共用できないのでバイク用の多様なマウントを使いたい場合はMotoを選ぶ方が良いだろう。

●Vanmoofとの組み合わせが最強



 ロードバイクユーザーにはもってこいのVelo2だが、個人的には電動自転車との組み合わせをおすすめしたい。筆者はVanmoofに乗りはじめて、車を使う頻度が極端に減った。電動ならではの楽さと、駐輪のしやすさがポイントだ。これとVelo2の相性がとてつもなく良い。

 高性能な電動自転車は少々値が張るが、バイクや車より取り回しがしやすいのでおすすめだ。Velo2とVanmoofの組み合わせでさらに出かける回数が増えた。

 サイコンの信頼性も高そうだ。速度計はVanmoofのものとほぼ同じ値を指していた。また信号などで停車中は走行時間も一時停止されるので純粋にどのくらい走っていたかがわかるのも優秀。サイコン兼ナビとして使えて1万円台なのはとても安く感じる。

●移動が楽しくなる優秀なガジェット



 前モデルから5年の時を経て進化したVelo2は非常に完成度の高い製品だった。自転車通勤しているユーザーにはマストのアイテムだろう。

 唯一気になったのは、画面の光沢。写真でわかるように結構映り込みがある。筆者のように水平に付けると反射で見づらいので、マイナーチェンジでマットな仕上げのものが出てくれるとうれしい。100均でマットタイプの保護シートを買ってきて自作するのもアリだろう。

 スマホ無しでナビを使えるのは想像以上に便利だ。コンパスモードを使うと気まぐれな道を選んでも目的地まで辿り着けるので通勤で新たな発見があるかもしれない。電動自転車との同時購入もぜひ考えてみてほしい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)

■Profile

木村ヒデノリ

ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】

https://www.youtube.com/rekimuras

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