イメージセンサーとディスプレーの検査装置の開発・設計・販売を手がけるウインテスト<6721>は、05年7月期に売上高が前年比31.0%減の13億9300万円となったものの、創業以来12期連続で黒字を維持した。独自技術の専門分野で勝負するという同社の創業者である奈良彰治社長に、同社の強みと今後の方針などについて聞いた。

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―― 前期(05年7月期)の業績は?

 前期は売上高が13億9300万円で、前々期比3割減という結果だった。シリコンサイクルとクリスタルサイクルの両方が悪化し、オリンピックの好況感が終わり、経済全体も落ち込んだ。

 また、期待していた有機ELディスプレーの量産が、3年ほど遅れていることも大きな原因と思う。

―― 今期(06年7月期)の業績予想と今後の方針は?

 売上高20億円、経常利益3億8000万円の予想。エレクトロニクス分野の不景気は今年いっぱいで底を打って徐々に向上し、06年に開催されるワールドカップ、08年の北京オリンピックに向かって、半導体部門も液晶部門も順調に業績が回復し、次の大きな波となるのではないかと予想されている。15期までに売上げ40億円、経常利益8億円を目指す。

―― どのような形での社会貢献を考えていますか?

 当社は、人間の目に関わる半導体や液晶を検査する製品を作っている。これまで人の目で見て検査が行われてきており、非常に細かい画像を見たり、まぶしいディスプレーを見たりする必要があった。しかし、1人の方がフラットディスプレーの画面を見て、耐えられるのは2−3時間。その後は目が痛いということがある。これを自動化することが製品面での社会貢献だと思っている。

 また、CSR(企業の社会的責任)活動を行っており、社外に対しては、昨年はNPO法人のエミネクロス・スポーツワールド(ESW)を支援した。ESWは、車椅子のバスケットボールなど、さまざまな年齢層、組織のスポーツ活動をしている団体。その団体に対して、社員に寄付を呼びかけ、集まった寄付金と同額を会社も出して、ESWに寄付した。その他、対外的なCSR活動を横浜中心に少しずつしている。今年はさらに活動の輪を広げたい。

 また、社内的なCSRとして、社員の「情」の教育を年に何回か行っている。一般の会社でも、マネジメントや業務スキルを向上させるための社員教育はたくさんしていると思う。当社は、「理」の面だけでなく、「情」の面でも社員をバックアップすることで貢献している。【了】

【会社概要】
商号ウインテスト株式会社

創業

1993年8月
上場2003年9月(東証マザーズ上場:証券コード 6721)
資本金5億5205万円
売上高13億9300万円(05年7月期単体)
代表取締役社長奈良彰治(なら・しょうじ)
従業員数37人(04年3月末)
本社神奈川県横浜市西区北幸1-11-15
横浜STビル11F
電話番号045-317-7888(代表)
URL http://www.wintest.co.jp/


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