21LADYの広野道子社長(撮影:佐谷恭)

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生活に密着した産業の投資、育成、コンサルティングを行う21LADY(トゥエニーワンレイディ)<3346>は、経営破綻した『洋菓子のヒロタ』を3年かけて建て直し、今年7月に再生手続きを終えた。広野道子社長は「年功序列や男性優位の企業文化を廃し、女性が活躍できる場が生活産業にはある」と話す。同社の今後の展開などについて広野社長に聞いた。

――事業内容は?

 21LADYグループは、ライフスタイル産業の事業創造、事業再生のための投資・育成をしている会社。

 グループ内には、『洋菓子のヒロタ』という80年続いているシュークリームの老舗のチェーンストア、『リテイルネット』というできたてのシュークリームを客の前でつめるシューファクトリーのチェーンストア、2年半前に加ト吉<2873>と共同出資(同社は25%の株式を保有)でダイエーから買い取った『HUB(ハブ)』というイングリッシュパブのチェーンの、3つの事業会社がある。

――創業の経緯と沿革は?

 私自身は創業前に20代後半から15年ほど、さまざまなチェーンストア事業に関わった。特にベンチャーリンクにいたときには、20社ぐらいのベンチャーのフランチャイズの方々と一緒にセミナーを開き、フランチャイズ開発をするお手伝いをした。

 生活産業は、女性がマネジメントで活躍できる重要な分野だと確信し、2000年3月に会社を作った。当社の平均年齢は28歳、女性が70%で、運営するチェーンのストアマネジャー、エリアマネジャーも80%が女性。

 3年前に『洋菓子のヒロタ』が民事再生手続きを申し立て、当社が引き受けた。今年7月7日に民事再生が終了し、これからは成長モードになる。今後は、年間15−20店を出店し、それぞれの事業の成長を支援する。

――特長と強みは?

 一番注力しているのは、老舗の事業や歴史の長い会社の経営の近代化。一般的なファンドは会社を買収し、売却することが事業の1つのシナリオになっているが、当社は事業運営会社として企業グループを増やしている。いったんグループに組み入れたら、半永久的に持ち続けるというのが事業の特徴であり、強みと言える。一緒に組む会社と、その資本を当社が持つ場合でも、一緒に成長していくことを目指している。

 洋菓子の業界は歴史があり、古い体質を引き継ぎながら21世紀になった。そういう業界でも、新しい経営手法を取り入れ、女性が頑張って働く仕組みを作り、若い人を登用していけば、経営のスタイルはどんどん変わる。

 そして経営を近代化しながら、いいものの歴史を残せるのが当社の強み。これを女性中心のマネジメントで、役割分担をして、若い世代の人たちや女性のマネジメントを登用してやっていく。(つづく)

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【会社概要】
商号トゥエニーワンレイディ(21LADY)株式会社

設立

2000年3月
上場2004年10月(セントレックス上場:証券コード 3346)
資本金7億7163万円
売上高36億9500万円(05年3月期連結)
代表取締役社長広野道子(ひろの・みちこ)
従業員数114人(05年3月末)
本社東京都千代田区二番町5−5 番町フィフスビル5階
電話番号03-3556-2121(代表)
URL http://www.21lady.com/


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