「曲数とそれを支えるシステム開発力が強み」と話す鉄人化計画の日野洋一社長

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「カラオケの鉄人」などを運営する鉄人化計画<2404>は、業界最後発ながら独自のカラオケシステムを開発し、楽曲数の多さで差別化を図ってきた。今期、売上高は順調に推移しているが、新規出店の遅れと既存店の売上減少で、先月28日に業績予想の下方修正を発表した。日野洋一社長に、同社の戦略と今後の出店計画などについて聞いた。

――御社の事業内容は?

 カラオケの直営店の運営がメイン。そのほか、ダーツ・ビリヤード店、まんが喫茶(複合カフェ)の運営をしている。また、独自開発しているカラオケシステムの販売を今期から始めた。

――創業の経緯と沿革は?

 カラオケの事業は、約1万件とも言われる中小零細企業がマーケットを席巻していて、大手のシェアの合計は2割にも達していない、これから寡占化が進んでいくフィールド。運営事業者がなかなか差別化しにくい業態でもある。

 カラオケ市場が仮に成熟し、衰退するとしても、約4500億円のマーケットのうち7〜8割で寡占化が進んでいくとすれば、マーチャンダイジング(MD・商品化計画)を独自に開発し、差別化できれば、最後発でも競争優位が確保できると考え、参入した。今当社MDの中心は集中管理で、どの部屋でも、すべてのメーカーの曲が歌えるシステムを独自で組んでおり、大きな差別化要因となっている。

――御社の特長と強みは?

 通常のカラオケ店だとメーカーからコマンダー(楽曲の出る機械)を購入するだけ。本来的にカラオケ客のニーズである「歌う」ことに対する差別化ではなく、飲食、接客、料金体系など、付帯するところで差別化せざるをえない。これはカラオケに限らず、アミューズメント系のオペレーター特有の構造的な宿命。

 それに対して、当社は独自にシステム開発をする機能を持っている。独自コンテンツを追加するなど、よそのカラオケ店にはない曲が歌えることを戦略の中心においている。「鉄人システム」とわれわれが呼ぶ、リナックスベースの制御プログラムで、各メーカーのいろいろな曲を歌える。昨今のIT技術の発達により、それを実現するシステムが廉価に組めるようになったのが背景にある。

 通常1つの部屋で1つのメーカーから歌える楽曲数は、5−10万曲。「鉄人システム」ではどの部屋からも5社から30万曲が歌えるようになっており、他店では歌えない曲が「鉄人」では歌えること、そして、それを支えるシステム開発力がバックにあることが強み。(つづく)

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【会社概要】
商号株式会社鉄人化計画

設立

1999年12月
上場04年7月(東証マザーズ上場:証券コード 2404)
資本金4億8850万円
売上高39億5500万円(04年8月期単体)
代表取締役社長日野洋一(ひの・よういち)
従業員数86人(05年2月末)
本社東京都目黒区中目黒2-6-20
電話番号03-5773-9181(代表)
URL http://www.tetsujin.ne.jp/


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