「ミスター文部省」あるいは「ゆとり教育の提唱者」として世間に知られる著者は、冒頭、「官僚は『犬』である」と挑発的な表現を使う。読む方は「政治家や上司に尻尾を振って媚を売る役人」といったイメージを思い浮かべてしまうが、その肝は次のような文章にある。「本来犬は、ご主人様が見ていないところで悪いことが起こったときのために飼ってあるのではないでしょうか。今のように不景気で税収が不足しているときにこそ、