◆ヤンキース4―0ホワイトソックス(6月30日・ニューヨーク) ヤンキースの黒田博樹投手(37)が、Wソックス戦に先発し、7回を3安打無失点で8勝目(7敗)を挙げた。11奪三振は、ドジャース時代の08年6月6日のカブス戦に並ぶ自己最多タイ。また、10日にカンザスシティーで行われるオールスター戦出場選手は、1日(日本時間2日未明)発表される。レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が入るかが注目される。

 サバシア、ペティットが故障で戦列離脱が発表され、中地区首位のWソックスに計18失点で連敗。そんな嫌な雰囲気を吹き飛ばしたのが37歳の黒田だった。「ここでズルズルいくのは良くないので何とか勝ちたかった」

 1回2死一、三塁のピンチに5番リオスをスライダーで三振に仕留めるとエンジンがかかった。「アグレッシブにいこうと思った」。6回ユーキリスの左ひじに151キロをぶつけたが動じず、7回を3安打無失点。11奪三振は自己最多タイだ。ジラルディ監督は「腕の振りが良くなって安定感が増した。これが本来の姿」と、右腕エースを絶賛だ。

 5月27日のアスレチックス戦以降7試合に5勝1敗、防御率1・65と好調は1か月以上続いており、ニューヨークのメディアでも、黒田との1年1000万ドル(約8億円)の契約はお買い得だったとの声が出ている。

 日本人選手では、メジャー123勝した野茂英雄は37歳の誕生日以降1勝もできずにユニホームを脱ぎ、黒田と同学年の松井秀喜(レイズ)は出場機会が激減。1学年上のイチロー(マリナーズ)も往年の安打製造機ぶりが影を潜めるなかで、37歳の黒田の安定感は際だっている。ヤンキースの37歳以上の右腕で最近10年間2ケタ勝利を挙げたのはR・クレメンス、K・ブラウン、M・ムシーナら。名だたるメンバーしかいない。これでメジャー通算49勝目(53敗)。渡米時、15勝差あった松坂大輔(Rソックス)に肩を並べ、日本人3人目の通算50勝も先にマークしそうな勢いだ。