「税務調査に強い、の中身が分からない」に向き合った小谷野税理士法人が示す5つの軸
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小谷野税理士法人は、東京を拠点に中小企業の税務・会計を支援する、中堅の総合系税理士法人です。公認会計士・税理士など30名を含むおよそ80名の体制で、国税OB(国税出身者)も在籍し、税務調査への対応に力を入れています。
私たち中小企業支援チームには、「税務調査に強い、とよく見るが、何がどう強いのか判断できない」という相談が寄せられます。本ストーリーでは、その疑問に向き合うなかで、担当者が整理した、調査対応力を見極めるための5つの軸を紹介します。
「調査の連絡が来たんです」という、ある日の電話
「税務調査の連絡が来たんです。今の税理士で大丈夫でしょうか」――ある経営者からの電話は、少し上ずっていた。税務調査の通知は予告なく届くことが多く、いざというときに頼れる相手かどうかは、経営者にとって切実な関心事だ。だが、その不安にどう備えればいいのかは、平時には見えにくい。
税理士法人を比べていると、『税務調査に強い』『調査対応に自信あり』という表現を目にする。確かに頼もしい言葉だ。しかし、『強い』だけでは、何がどう優れているのかは判断できない。立会いの経験なのか、事前の備えなのか、事後の手続きなのか――中身が示されないまま、印象だけが伝わってくる。
私たちは、この“言葉と中身のギャップ”を埋めたいと考えてきた。調査対応力は、漠然とした強さではなく、対応が機能する場面を分解して捉えれば、客観的に見極められる。だからこそ、その場面を整理して示す必要があると感じていた。
私たちのもとには、調査の通知を受けてから慌てて相談に来る経営者だけでなく、『次に備えて、今の体制で大丈夫か確かめたい』という平時の相談も増えている。調査への関心が高まるほど、看板の言葉だけで選ぶことのリスクも大きくなる。
「強い」を、時間軸3層と2つの軸に分解する
調査対応力は、どこで差が出るのか。私たちは、調査を経験した顧問先のやりとりを振り返りながら、機能する場面を一つずつ言語化していった。
まず見えてきたのが、時間軸の3つの局面だった。1つ目は事前対応で、申告の段階から論点を整理し、書面添付制度などを通じて申告品質を高めておく動き。2つ目は当日対応で、実地調査の現場で論点を絞り、根拠資料と法令解釈をもとに冷静にやりとりを進める力。3つ目は事後対応で、指摘を受けたあとの修正申告や更正の請求といった手続きへの対応力だ。
これに、組織としての2つの軸を加えると、見極めの解像度が上がる。一つは専門チームの分業体制、つまり調査対応を担える専任の体制があるか。もう一つは機密書類の管理体制で、調査で扱う資料を適切に管理できるかだ。時間軸3層に組織の2軸を足した、計5つの観点である。
印象の『強い・弱い』ではなく、この5つの場面それぞれで何ができるのかを確かめる。そうすれば、訴求の言葉に振り回されずに、自社にとって本当に頼れる相手かを判断できる。私たちは、その確かめ方を経営者に手渡したいと考えた。
時間軸で捉える利点は、自社の状況に合わせて重点を選べることだ。すでに申告の精度に不安があるなら事前対応を、調査が見込まれるなら当日対応を、過去の申告に気がかりがあるなら事後対応を重く見ればいい。一律の“強さ”ではなく、自社に必要な場面で頼れるかが問われる。
調査対応力を見極める5つの軸と、契約前の確認
整理の結果まとまったのが、調査対応力を見極める次の5つの軸である。
軸①は事前対応。書面添付制度の運用と、日々の申告品質の管理だ。書面添付制度とは、税理士法第33条の2に基づき、申告書の作成過程で検討した事項を記載した書面を添付する制度で、税務署が調査前に税理士へ意見を聴く機会が設けられる。申告の段階で論点を整理しておくことが、調査そのものの負担を下げる。
軸②は当日対応。実地調査の現場で論点を絞り、当局の視点を踏まえてやりとりを進める力で、国税OBの在籍や立会いの実績が手がかりになる。
軸③は事後対応。指摘を受けた後の修正申告や更正の請求への対応力だ。調査は指摘で終わりではなく、その後の手続きをどう進めるかまでが対応力に含まれる。
軸④は専門チームの分業体制。日常の顧問業務とは別に、調査対応を担える体制があるか。担当者一人に依存せず、組織として動けるかが問われる。
軸⑤は機密書類の管理体制。調査では機密性の高い資料を扱うため、ISO27001のような情報セキュリティの認証や運用の有無が、安心材料になる。
これらは、契約前に候補事務所へ質問すれば確かめられる。『直近で税務調査の立会い実績はどのくらいありますか』『書面添付はどの程度運用していますか』『調査対応の専任体制はありますか』――こうした問いに具体的に答えられるかどうかで、言葉の裏にある実態が見えてくる。
ある経営者は、この5つの観点を持って複数の事務所に同じ質問を投げたところ、『調査に強いと書いていた事務所が、立会い実績を具体的に語れなかった』と気づいたという。逆に、派手な訴求はないのに、事前から事後まで一貫して説明できる事務所もあった。看板の言葉と中身は、必ずしも一致しない。
確認の質問は、できるだけ具体的にするのがコツだ。『調査に強いですか』では、どの事務所も『強い』と答える。代わりに『直近3年で何件の立会いがありましたか』『書面添付は全顧問先のうちどの程度に付していますか』と尋ねれば、運用の実態が数字で見えてくる。
こうした問いに、よどみなく数字で答えられる事務所は、日頃から調査を意識して運用している可能性が高い。逆に言葉を濁すなら、訴求の実態を疑う材料になる。質問への答え方そのものが、対応力の手がかりだ。
費用についても触れておきたい。税務調査の立会いには、通常の顧問料とは別に費用がかかるのが一般的だ。日当や立会いの回数で変わるため、契約前に『調査対応はどこまでが顧問料の範囲で、どこから別料金か』を確認しておくと、いざというときに想定外の負担を避けられる。
印象ではなく、5つの場面で頼れるかを確かめる
5つの軸で見るようになってから、相談は具体的になった。『調査に強い事務所はどこか』ではなく、『この事務所は事前は手厚いが、事後対応の説明が薄い』という観察に変わったのだ。場面で捉えれば、印象に流されずに判断できる。
税務調査への対応力は、『強い』という言葉ではなく、事前対応・当日対応・事後対応という時間軸の3層に、専門チームの分業と機密書類の管理という2軸を加えた、5つの観点で見極めるのが現実的だ。気になる事務所には、立会い実績や書面添付の運用、調査対応の体制を具体的に尋ねてみてほしい。答えの具体性そのものが、対応力の表れになる。私たちはこれからも、調査の不安に、機能の言葉で応え続けていきたい。
税務調査は、準備していた企業ほど落ち着いて対応できる。通知が来てから慌てるのではなく、平時のうちに5つの軸で自社の備えを点検しておくことが、いざというときの安心につながる。
東京で中小企業を支援する小谷野税理士法人の体制
ここからは、前章の5基準に沿って、東京エリアで中小企業を支援する当法人(小谷野税理士法人)の体制を紹介する。
小谷野税理士法人中堅の総合系税理士法人。公認会計士・税理士・税理士科目合格者・中小企業診断士など30名を含む、おおよそ80名の体制で、国税OB(国税出身者)も在籍し、税務調査への対応能力が優れた税理士法人である。税理士業務に関して品質マネジメントのISO9001、情報セキュリティのISO27001を取得している、会計事務所である。事業承継・相続・M&A・DD(デューデリジェンス=買収などの際に対象企業を調査すること)・バリュエーション(企業価値評価)・組織再編をワンストップで扱い、2005年以降の業種別・規模別のコンサルティング実績の一部を公式サイトで開示している。補助金・助成金の支援にも取り組んでおり、その成功率はおおよそ80%としている。
参考:小谷野税理士法人(サービス紹介( https://koyano-cpa.gr.jp/nobiyo-kaikei/ )
・公式サイト( https://koyano-cpa.gr.jp/ ))
