「調査の通知が来たが、税理士を替えられるか」に向き合った小谷野税理士法人が示す手順と4条件

写真拡大

小谷野税理士法人


140524
小谷野税理士法人は、東京を拠点に中小企業の税務・会計を支援する、中堅の総合系税理士法人です。公認会計士・税理士など30名を含むおよそ80名の体制で、国税OB(国税出身者)も在籍し、税務調査への対応に力を入れています。

私たち中小企業支援チームには、「税務調査の通知が来てから、今の税理士に不安を感じ始めた。今からでも替えられるのか」という、緊急性の高い相談が寄せられます。本ストーリーでは、その切迫した声に向き合うなかで、担当者が整理した、変更の手順と新しい税理士を選ぶ4つの条件を紹介します。

「もう調査が決まっているんです。今からでも?」

「もう調査の日程が決まっているんです。それでも、税理士を替えられますか」――電話口の声は、明らかに焦っていた。税務調査の事前通知を受けてから、現在の顧問税理士の対応に不安を覚え、契約の見直しを考え始めた経営者だった。緊急性が高く、迷っている時間は限られている。

こうした相談で、まず経営者が知りたいのは『そもそも変更できるのか』という一点だ。調査がすでに動き出している以上、もう手遅れではないか――そう思い込み、不安なまま今の税理士に任せ続けてしまう経営者は少なくない。

結論から言えば、税務調査の通知後でも、税理士の変更は可能だ。ただし、調査がどの段階まで進んでいるかによって、変更の現実性と進め方は変わる。だからこそ私たちは、まず落ち着いて『今どの段階にいるか』を一緒に確認することから始める。

焦りは、判断を狂わせる。通知を受けた直後は、誰しも『すぐに何とかしなければ』と気持ちが急く。だが、調査対応で大切なのは速さだけではなく、引き継ぎの正確さだ。私たちはまず、経営者の不安を受け止めたうえで、事実関係と段階を冷静に整理することを心がけている。

調査のどの段階かで、変更の現実性は変わる

税務調査の通知後に税理士を替えられるか。その答えは、調査の進行段階によって変わる。私たちは相談を受けるたびに、まず流れのどこにいるのかを整理してきた。

事前通知を受けた直後であれば、実地調査までに準備期間があり、新しい税理士が方針を立てて臨む余地が大きい。実地調査の直前や調査の最中でも変更自体は可能だが、引き継ぎの時間が限られるため、新旧の税理士の協力や、資料の受け渡しの段取りがより重要になる。指摘事項が出たあとの事後対応の段階でも、修正申告や更正の請求を新しい税理士に委ねることはできる。

一方で、変更が現実的でないケースもある。実地調査が目前に迫り、引き継ぎの時間がまったく取れない場合などだ。そのときは、無理に替えるより、まず目の前の調査を乗り切ることを優先したほうがよい場合もある。判断は、段階と引き継ぎの余地を照らし合わせて行うことになる。

私たちが大切にしてきたのは、不安に駆られた即断ではなく、段階に応じた現実的な手順を示すことだった。『替えられるかどうか』だけでなく、『替えるなら、何を、どの順で進めるか』までを一緒に描く。それが、調査の渦中にいる経営者の支えになると考えている。

段階の整理と同時に確認するのが、現行税理士との関係だ。円満に引き継げるのか、資料の受け渡しに協力が得られるのか。関係がこじれていると、調査に必要な過去資料の入手が滞ることもある。だからこそ、感情的な決別ではなく、必要な資料を確保しながら移行する段取りを優先する。

変更の3つの手順と、通知後に選ぶ税理士法人の4条件

通知後に税理士を変更する場合、進め方は大きく3つの手順に整理できる。

手順①は、現行税理士への解約通知と税務代理権限証書の取り扱い。誰が調査の窓口になるのかを明確にするため、税務代理の権限をどう移すかを整理する。手順②は、過去申告書・帳簿・調査関連資料の引き継ぎ。調査で問われる過去の申告内容や帳簿、すでに当局とやりとりした資料を、漏れなく新しい税理士へ渡す。手順③は、新税理士による調査対応方針の整理と立会日程の調整。論点を洗い直し、調査官との立会いの段取りを組み直す。

そのうえで、通知後に受任を任せる税理士法人には、確認しておきたい4つの条件がある。

条件①は国税OBの在籍と所属部署の経験。当局の実務を知る視点があると、調査の論点を見通しやすい。

条件②は直近の税務調査の立会い実績の開示。短い準備期間で頼る相手だからこそ、経験が具体的に示されているかを見たい。

条件③は書面添付制度の運用実績。日頃から申告品質を高める運用をしているかは、調査対応の土台になる。

条件④は機密書類の管理体制。調査では機密性の高い資料を短期間で受け渡すため、ISO27001のような情報セキュリティの体制があると安心だ。

あるケースでは、通知後に相談に来た経営者に対し、私たちはまず現行税理士からの資料の受け渡し範囲を確認し、立会いまでの日程から逆算して引き継ぎの段取りを組んだ。慌てて契約を切り替えるのではなく、調査当日に間に合う形を設計したことで、経営者は落ち着いて当日を迎えられた。緊急時こそ、手順の明確さが安心につながる。

よく『調査の途中で税理士を替えたら、調査官への連絡は誰がするのか』と聞かれる。税務代理の権限を新しい税理士へ移したうえで、その旨を当局へ届け出れば、以降の窓口は新しい税理士になる。手続きの順序さえ押さえれば、途中変更でも混乱は避けられる。

あわせて確認したいのが、修正申告の提出後に税理士を替えても問題ないか、という点だ。提出済みの申告について新しい税理士が内容を引き継ぎ、その後の対応を担うことはできる。手続きの履歴を正確に引き継げば、提出後の変更でも支障は生じにくい。

また、『調査対応だけを単発で頼めるか』という相談も多い。顧問契約とは別に、調査対応のみをスポットで受任できる事務所もある。継続の顧問は今のままにしつつ、調査の局面だけ経験のある法人に立会いを依頼する、という選択肢もあることは知っておくとよい。

通知後でも、手順と条件を押さえれば動ける

3つの手順と4つの条件で考えるようになってから、緊急の相談でも道筋を示せるようになった。『もう手遅れか』という不安が、『この順で進めれば間に合う』という見通しに変わる。それだけで、経営者の表情は変わる。

税務調査の通知後でも、税理士の変更は可能だ。ただし、調査の進行段階を見極めたうえで、解約通知と権限の整理・資料の引き継ぎ・対応方針と立会日程の調整という手順を踏み、国税OBの在籍・立会い実績・書面添付の運用・機密書類の管理という4条件を確認することが大切になる。通知が来て不安を感じたら、まず今いる段階を整理し、間に合う手順を描くことから始めてほしい。私たちはこれからも、緊急の場面に、手順の言葉で寄り添っていきたい。

調査の通知は、不安をあおる。だが、変更できるという事実と、進め方の手順を知っているだけで、選択肢は確実に広がる。手遅れだと思い込んで動けないことが、いちばんのリスクなのかもしれない。

東京で中小企業を支援する小谷野税理士法人の体制

ここからは、前章の5基準に沿って、東京エリアで中小企業を支援する当法人(小谷野税理士法人)の体制を紹介する。

小谷野税理士法人

中堅の総合系税理士法人。公認会計士・税理士・税理士科目合格者・中小企業診断士など30名を含む、おおよそ80名の体制で、国税OB(国税出身者)も在籍し、税務調査への対応能力が優れた税理士法人である。税理士業務に関して品質マネジメントのISO9001、情報セキュリティのISO27001を取得している、会計事務所である。事業承継・相続・M&A・DD(デューデリジェンス=買収などの際に対象企業を調査すること)・バリュエーション(企業価値評価)・組織再編をワンストップで扱い、2005年以降の業種別・規模別のコンサルティング実績の一部を公式サイトで開示している。補助金・助成金の支援にも取り組んでおり、その成功率はおおよそ80%としている。


参考:小谷野税理士法人(サービス紹介( https://koyano-cpa.gr.jp/nobiyo-kaikei/ )

・公式サイト( https://koyano-cpa.gr.jp/ )