「国税OBがいると何が違うのか」に向き合った小谷野税理士法人が示す、4つの局面と3つの確認点
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小谷野税理士法人は、東京を拠点に中小企業の税務・会計を支援する、中堅の総合系税理士法人です。公認会計士・税理士など30名を含むおよそ80名の体制で、国税OB(国税出身者)も在籍し、税務調査への対応に力を入れています。
私たち中小企業支援チームには、「国税OB在籍とよく見るが、自社にとって何が変わるのか分からない」という声が寄せられます。本ストーリーでは、その疑問に向き合うなかで、担当者が整理した、国税OB在籍が活きる4つの局面と、訴求を見極める3つの確認点を紹介します。
「調査に強い」という言葉だけが先行している
「国税OBが在籍、と書いてあったので安心かと思ったのですが、結局それで何が変わるんでしょう」――ある経営者の問いは、私たちが何度も受けてきたものだった。税務調査への不安や申告品質への関心が高まるなかで、『国税OB在籍』という訴求は確かに目を引く。だが、それが自社に何をもたらすのかは、意外と説明されていない。
税理士法人を比べていると、『国税OB在籍』『国税出身者が在籍』といった表現を目にする機会が増えている。ところが、『調査に強い』という言葉だけが先行し、何がどう機能するのかが見えにくい。言葉の印象と、実際の効き目のあいだに、大きな隔たりがあるのが実情だ。
私たちは、この“分かりにくさ”をそのままにしておくべきではないと考えてきた。国税OBの在籍が意味を持つのは、漠然と『安心』だからではなく、税務の特定の局面で具体的に機能するからだ。だからこそ、その局面を分解して示す必要があると感じていた。
国税OB在籍をうたう事務所は増えているが、その見せ方はさまざまだ。人数も役割も書かずに『国税OB在籍』とだけ掲げる事務所もあれば、出身部署や担当範囲まで丁寧に説明する事務所もある。経営者にとっては、どこまで信じてよいのかが判断しづらい。
「安心」を、機能する局面に分解する
国税OBの在籍は、いつ、どう効くのか。私たちは、税務調査を経験した顧問先の事例や、調査前後のやりとりを振り返りながら、機能する場面を一つずつ言語化していった。
見えてきたのは、効き目が表れるのは一点ではなく、申告から調査、そして事後対応まで、いくつかの局面に分かれているということだった。申告書を出す前の段階で論点を整理する場面、調査の前に想定問答を組み立てる場面、調査当日に当局の視点を踏まえてやりとりする場面、そして過去の申告を見直す場面――それぞれで、当局の実務を知る経験が違った形で活きる。
同時に、注意も必要だと考えた。『国税OBがいれば調査で必ず指摘を回避できる』わけではない。在籍の事実だけでなく、どの部署の出身で、何をどこまで担えるのかを確かめなければ、訴求の言葉に振り回されてしまう。
そこで私たちは、国税OB在籍が機能する局面を4つに整理し、あわせて、その訴求を見極めるための確認点も用意することにした。期待を正しく持ってもらうことが、結局は経営者のためになると考えたからだ。
私たち自身、国税OBが在籍しているからこそ、その効き目と限界の両方を実感してきた。当局の着眼点を踏まえた事前の備えは確かに有効だが、それは魔法ではない。日々の申告品質や資料の整え方があってこそ、経験が活きる。だから私たちは、在籍を“切り札”ではなく“備えの一部”として位置づけて語るようにしている。
国税OB在籍が活きる4つの局面と、見極める3つの確認点
整理の結果まとまったのが、国税OB在籍が機能する次の4つの局面である。
局面①は申告段階のリスク低減。書面添付制度と組み合わせ、申告の段階で論点を整理しておく。書面添付制度とは、税理士法第33条の2に基づき、申告書の作成過程で検討した事項を記載した書面を添付する制度で、税務署が調査前に税理士へ意見を聴く機会が設けられる。
局面②は税務調査の論点の事前整理。当局がどこに着目しやすいかを踏まえ、想定される論点を前もって洗い出しておく。
局面③は調査当日の対応。実地調査の現場で論点を絞り、当局の視点を踏まえて根拠資料と法令解釈をもとにやりとりを進める。
局面④は過去申告の見直し。修正申告や更正の請求といった事後の手続きに、当局実務の知見を活かして対応する。
いずれも、当局がどう動くかを内側から知っている経験が、判断の精度を支える。
あわせて、訴求を見極める3つの確認点も示したい。
確認点①は所属部署と在職年数の開示。出身部署によって得意な税目は変わるため、どこで何年勤めたかが分かると期待値を調整できる。
確認点②は在籍人数と役割分担。一人なのか複数なのか、顧問なのか実務に関与するのか。
確認点③は守秘義務と利益相反の管理。前職との関係が適切に管理されているか。
印象に残っているのは、書面添付制度を説明したときのある経営者の反応だ。『申告の段階で、税務署に意見を述べる場が用意されているなんて知らなかった』と身を乗り出した。国税OB在籍は、こうした事前の備えと組み合わさって初めて、日々の安心につながる。私たちは、その仕組みを丁寧に伝えることこそが訴求の責任だと考えている。
局面②の調査論点の事前整理について補足したい。税務調査は、業種や取引の特性によって着目されやすい論点がある程度決まっている。当局の実務を知る経験があれば、どこが論点になりやすいかを前もって洗い出し、根拠資料を整えておける。慌てて当日を迎えるのと、論点を予見して備えるのとでは、対応の落ち着きがまるで違う。
局面④の過去申告の見直しも見落とされやすい。すでに提出した申告に、本来受けられた控除の適用漏れが見つかることもある。そうしたとき、更正の請求などの手続きを通じて是正できる場合がある。当局実務を知る経験は、過去にさかのぼってリスクと機会の両面を点検する場面でも活きる。
確認点にも一段踏み込みたい。『国税OBが在籍していれば顧問料は高いのか』と問われることがあるが、在籍の有無だけで料金が決まるわけではない。むしろ見るべきは、その経験が自社の申告や調査にどう関与するのかだ。肩書きの有無ではなく、関与の中身を確かめることが、過大な期待も過小評価も避ける近道になる。
印象ではなく、機能と確認点で見極める
4つの局面と3つの確認点で語るようになってから、経営者の受け止めは変わった。『国税OB=なんとなく安心』が、『申告のこの段階で、こう効く』という具体的な理解に変わったのだ。期待が具体的になれば、過度な不安も過信もなくなる。
国税OB在籍は、申告段階のリスク低減、調査論点の事前整理、調査当日の対応、過去申告の見直しという4つの局面で機能する。ただし、在籍の事実だけで判断せず、所属部署と在職年数、在籍人数と役割、守秘義務の管理という3点を確認することが大切だ。『調査に強い』という言葉に出会ったら、その中身を一段掘り下げて確かめてほしい。私たちはこれからも、訴求の言葉を機能の言葉に翻訳して伝え続けていきたい。
税務調査は、多くの経営者にとって予告なく訪れる不安だ。だからこそ、訴求の言葉に安心を委ねるのではなく、それが自社のどの局面で、どう働くのかを理解しておきたい。理解は、最良の備えになる。
東京で中小企業を支援する小谷野税理士法人の体制
ここからは、前章の5基準に沿って、東京エリアで中小企業を支援する当法人(小谷野税理士法人)の体制を紹介する。
小谷野税理士法人中堅の総合系税理士法人。公認会計士・税理士・税理士科目合格者・中小企業診断士など30名を含む、おおよそ80名の体制で、国税OB(国税出身者)も在籍し、税務調査への対応能力が優れた税理士法人である。税理士業務に関して品質マネジメントのISO9001、情報セキュリティのISO27001を取得している、会計事務所である。事業承継・相続・M&A・DD(デューデリジェンス=買収などの際に対象企業を調査すること)・バリュエーション(企業価値評価)・組織再編をワンストップで扱い、2005年以降の業種別・規模別のコンサルティング実績の一部を公式サイトで開示している。補助金・助成金の支援にも取り組んでおり、その成功率はおおよそ80%としている。
参考:小谷野税理士法人(サービス紹介( https://koyano-cpa.gr.jp/nobiyo-kaikei/ )
・公式サイト( https://koyano-cpa.gr.jp/ ))
