――学校ではどんなことを学んでいたんですか?

melody.:学校の中では陶芸とかペインティングとかを主にやっていて、学校の外では歌とかダンスとかをやっていたので、アーティスティックなことが好きだったんですよね。大学もファッションのデザインで受かった学校だったんです。アートとかファッションにすごく強いと言われている学校で、そこに行くことになっていたんですけど、大学に行かずに日本に来たんです(笑)。きっと大学に行っていれば、ファッション関係に進んでいたと思うんですけど、やっぱり自分の中でずっと思っていたのが、「歌をやりたい!」ということだったので。歌が叶わなければ、セーフティーとしてファッションがあったのかな?日本に行くことが叶って、大学に「ごめんなさい」と言って(笑)。

――日本以外の国は、選択肢に無かったのですか?

melody.:全く無かったですね。日本しか考えていなかったです。

――その当時、日本に対してどんなイメージを抱いていましたか?

melody.:もう憧れでしたね。ハワイに無い都会があったり、とにかくカッコよくて。あと、親戚がほとんどみんな日本に住んでいたんですよ。だから毎年、夏休みとかは日本に遊びに来て、親戚に会ったり。ただ、親戚と言っても、ほとんどみんな沖縄なんですよ。だから1週間ぐらい東京で過ごして、「おぉ!カッコイイ」とか思いながら渋谷でショッピングしたり。その後に沖縄で、ハワイとあまり変わらない所で「やっぱり都会はいいなぁ!」と思っていました(笑)。12歳の頃「日本で歌いたい!」と思った時から、日本に対する、都会に対する憧れが強くて。ファッションもカッコイイし、音楽も日本独特の音楽があると思っていたし。

 あとは、やっぱり私の親戚とか先祖は日本だから、「ルーツが日本だな」って。それで、一応は日本人なんだけど、生まれはアメリカで日本語もほとんど話せないし、当然日本の文化もほとんど分からない自分がちょっと嫌で。「日本のことをもっと知ってみたいな、自分の親が生まれた所を知ってみたい」という気持ちがすごく強くなって。意外とハワイには、そういう人が多いんですよ。日系5世だったり、ずっと前にハワイに来た人達がそのままステイしている人が多くて。みんな顔も普通に日本人だし(笑)、名前も伊藤だったり田中だったり日本の苗字を持っているのに、日本語を全然話さなくて。「一回でもいいから、日本に行ってみたい」と思っている人達がすごく多いんです。

――それまで1週間ほど滞在したことはあったものの、実際に日本で生活をするようになって、新たに気付いたことはありますか?

melody.:やっぱり一番最初に苦労したのは、会話ができなかったんですよ。「どこまで日本語が話せない状態だったんだ!」って(笑)。テレビを見ていても、言っていることの半分ぐらいしか分からなくて。それで、自分の意志がちゃんと伝わらないというフラストレーションから始まって。それ以外は、ハワイには電車が無いから、電車に乗ったりはすごく楽しかったし。

――満員電車の混雑を苦痛に感じることはなかったですか?

melody.:それよりも、「わぁ!私、丸ノ内線に乗ってる」とか、それだけでも楽しく感じたり(笑)。結構ローマ字で書いてあったんですけど、どこどこの駅に行きたいから、どっち方面に乗ればいいのか分からなかったことが多くて、逆方向に行って迷子になったり。あと、カルチャーショックはありましたね。例えば、地面にくっついてるトイレとか。

――最近はなかなか見ないですけど、和式トイレですね。

melody.:そうそう!和式トイレが落ちちゃいそうで、未だに怖いんですよ(笑)。あとは、どこに行っても食べ物がすごく美味しくて食べ過ぎちゃって、日本に来てすぐに太りました(笑)。