中谷潤人「負けて得るものは断トツで多かった」尚弥戦後初の練習再開 骨折の左眼窩底完治も次戦は来年メド
プロボクシング元世界3階級制覇王者の中谷潤人(28=M・T)が1日、相模原市内の所属ジムで練習を再開した。シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを3ラウンドずつ実施。上半身裸で行ったサンドバッグ打ちでは力強い音を響かせるなど、約30分間精力的に動いた。
5月2日に東京ドームでの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)戦後、初始動。同一戦では左眼窩(がんか)底を骨折し、手術も受けたため約3カ月の休養期間を挟んだ。「これだけ休んだのも初めて。体力的にもゼロになった」と苦笑いを浮かべながら、約3カ月ぶりにグローブをはめてリングに立つと「僕自身を表現できる場所。皆さんに何か届けられる場所だな、と改めて感じた」とし「リスタートじゃないが、ここからつくり上げていく上で大事な一日になった。また強い自分をつくり上げてやっていきたい」と決意を新たにした。
井上尚弥との“世紀の一戦”では0ー3判定負け。33戦目で初黒星を喫し、世界4階級制覇を逃したが「負けて得るものは断トツで多かった」と振り返る。「僕だけが感じて身にできたもの」と完全無欠のモンスターと対峙(たいじ)したからこそ得たリング上での感覚を今後の糧にする。
休養期間中は映像で試合を振り返る機会もあった。「今だから出てきた課題や“こうすればよかった”という部分はある。ただ口にすると井上選手へのリスペクトがなくなる。言葉にはしたくない」と慎重に言葉を選びながら「自分より優れていたから井上選手が勝利した。そこはしっかり受け止めて、成長するために生かしていきたい」と決意をにじませた。
骨折した左眼窩(がんか)底は試合後、約2週間の入院期間中に手術を行った。「痛みを知って、改めて凄いスポーツだと感じた。だからこそたくさんの人に感じてもらえるスポーツの一つと実感できた。僕の体が動くうちは存分にやりたい」と今後もリング上で生きざまを体現していく構えだ。
7月中旬からはロードワークも再開。今後は未定だが、現在も骨折箇所にはプレートが埋め込まれているため「年明けてからくらいにはなるのかな。年内は現実的じゃない」と次戦の見通しを明かす。現在は61キロ。食べる量も減ったことでバンタム級(53・5キロ)も“射程圏内”だが「練習再開すれば自然と体重も増える。バンタム級は不可能」と笑いながら「いいパフォーマンスができる階級が自分の居場所。現時点ではスーパーバンタム」と改めて同階級で世界4階級制覇を目指すと宣言した。
先月22日にプロゴルファーの田村亜矢(29)との結婚を発表。先月から同居もスタートさせ「順調。入院生活もサポートしてくれてありがたかった。安心します」と笑顔を浮かべる。尚弥との日本人対決を終えても、闘志の火は消えていない。「世界チャンピオンになるというモチベーションと、またビッグマッチをやるというモチベーション。そこは変わらず持っている」。最終目標に掲げるパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強ランキング)1位に向け、ビッグバンが再び走り出した。

