住宅ローン残高が「2500万円」あり、貯金から「300万円」を繰り上げ返済するつもりです。妻に「住宅ローン控除が減る」と止められましたが、繰り上げ返済しないほうが得ですか?

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住宅ローンの繰り上げ返済を検討していると、「住宅ローン控除が減るから今は返済しないほうがよい」と言われ、どうしたらよいのか迷っている方もいるでしょう。住宅ローン控除のメリットだけで判断すると、結果的に損をしてしまうケースもあります。   本記事では、住宅ローン控除の仕組みや住宅ローン控除と繰り上げ返済のどちらを優先すべきかなどについて解説します。繰り上げ返済を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

住宅ローン控除はどう決まる?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入した方が利用できる税制優遇制度です。一定の要件を満たすと、一定の上限の範囲内で、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が所得税住民税から控除されます。
入居時期や住宅の種類によって異なるものの、2022年以後に一定の新築住宅等へ入居した場合、控除を受けられる期間は13年間です。控除額は年末時点の住宅ローン残高を基に毎年計算されるため、残高が多いほど控除額も大きくなる仕組みです。
 

繰り上げ返済をすると住宅ローン控除額は減る?

繰り上げ返済を行うと住宅ローンの元本が減るため、その年の年末時点のローン残高も少なくなります。その結果、年末残高を基準に計算される住宅ローン控除額も減る可能性があります。
ただし、繰り上げ返済をすると将来支払う利息を減らせる点はメリットでしょう。住宅ローンの金利や控除期間の残り年数などを踏まえて、利息軽減額と控除額を比べたうえで判断することが大切です。
また、期間短縮型の繰り上げ返済によって、当初の返済開始時から繰り上げ返済後の最終返済時までの返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の適用要件を満たさなくなります。繰り上げ返済を実施する前に、返済期間が要件を下回らないか確認しておきましょう。
 

住宅ローン控除と繰り上げ返済、どちらを優先すればよい?

住宅ローン控除を受けている間に繰り上げ返済をするか迷った場合は、住宅ローンの利息と住宅ローン控除額を比較することが判断の目安になります。
例えば、通常返済による残高の減少を考慮せず、繰り上げ返済をしなかった場合の控除対象となる年末残高が2500万円で、計算上の控除額を所得税住民税から全額控除できるものとします。この場合、年末までに300万円を繰り上げ返済すると、残高が2200万円となるため、その年の計算上の住宅ローン控除額は17万5000円から15万4000円へ、2万1000円少なくなります。
300万円を繰り上げ返済せずに1年間借り続けた場合の利息相当額を単純計算すると、住宅ローン金利が0.5%であれば1万5000円です。控除額の減少(2万1000円)のほうが大きいため、住宅ローン控除を受け終えてから繰り上げ返済をしたほうがよいと考えられます。
一方で、住宅ローン金利が1.5%なら、300万円分の年間利息は4万5000円となります。利息の軽減額が控除額の減少を上回るため、住宅ローン控除を受けられる間であっても繰り上げ返済を行うほうがよいかもしれません。
ただし、実際にどちらがよいかは、借入金利や控除期間の残り年数、返済方法などによって異なります。繰り上げ返済を検討する際は、住宅ローン控除だけでなく、将来の利息負担や手元資金とのバランスも考慮して検討しましょう。
 

繰り上げ返済をして住宅ローン控除が減る可能性はあるが状況によってどちらが得かは変わる

300万円を繰り上げ返済すると年末残高が減るため、住宅ローン控除額が下がる可能性があります。ただし、控除額の減少よりも利息の軽減額が大きければ、控除を受けている間の返済が有利になることも考えられます。
そのため、住宅ローン控除を受けている期間中の繰り上げ返済は、一概に「したほうが得」とも「しないほうが得」とも言えません。住宅ローン金利や控除期間の残り年数によって、有利な選択は変わります。
繰り上げ返済を検討する際は、住宅ローン控除で受けられる節税効果と、利息軽減によるメリットを比較したうえで判断することが大切です。また、教育費や生活費など、将来必要になる資金も考慮し、無理のない範囲で返済計画を立てましょう。
 

出典

国税庁 マイホームを持ったとき
一般社団法人全国銀行協会 教えて!くらしと銀行 Q. 住宅ローン減税と繰上返済、どちらを優先させた方がいいですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー