【高橋 克英】地方都市から「ルイ・ヴィトン」が消える!?…相次ぐ閉店ラッシュに地元民が上げる「悲鳴」

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日本随一のスキーリゾート地としてその地を確固たるものにする北海道・ニセコ。いま全国のリゾート地では、「第二のニセコ」を目指す開発競争が加速しているーー。なぜ国内外の富裕層はリゾートを求め、巨額の投資と消費を繰り返すのか。その背景には、金融政策やAI時代の到来がもたらした世界的な「カネ余り」と、「退屈で、ひまな社会」の広がりがある。

富裕層との実際のやりとりやリゾートでのヒアリングをベースに分析した新書『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』より一部を抜粋・再編集して、世界の高級ブランドや超富裕層がいま日本に進出する理由を読み解く。

超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社+α新書)

地方都市からルイ・ヴィトンが消える

2024年12月、フランスのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下の高級ラグジュアリーブランドのルイ・ヴィトンが、茨城県水戸市の水戸京成百貨店にある県内唯一の店舗「ルイ・ヴィトン水戸京成店」を閉店した。

関東では元々店舗がなかった群馬県とともに、茨城県でもルイ・ヴィトンの店舗がなくなる事態に、SNS上では「突然の閉店はショック」「水戸がますます寂れる」といった声があふれた。

実は近年、地方都市にあるルイ・ヴィトン店舗が相次いで閉店している。

2015年2月に「ルイ・ヴィトン高知店」(高知県高知市)と「ルイ・ヴィトン熊本鶴屋店」(熊本県熊本市)を閉店したのを皮切りに、2016年9月に「ルイ・ヴィトン西武旭川店」(北海道旭川市)、2019年1月に「ルイ・ヴィトントキハ大分店」(大分県大分市)、2021年8月には、「ルイ・ヴィトン神戸阪急店」(兵庫県神戸市)が閉店した。

2023年8月には、「ルイ・ヴィトンうすい店」(福島県郡山市)、同年9月に「ルイ・ヴィトン浜松遠鉄店」(静岡県浜松市)が閉店。2024年7月には「ルイ・ヴィトン柏店」(千葉県柏市)、同年12月には「ルイ・ヴィトン水戸京成店」と閉店ラッシュだった。

閉店した店舗の特徴

これら閉店となったルイ・ヴィトンの店舗には、?地元の老舗百貨店内のテナント店だった、?地域内の他の都市との競争に押され気味だった、という2つの特徴がある。実際、上述した過去10年間で閉店した店舗のうち、高知を除く全てが地元の老舗百貨店のテナント店の撤退だ。

言うまでもなく、ルイ・ヴィトンは、ブランド力も集客力も絶大である。このため、ルイ・ヴィトン側の出店や取引条件が厳しく、大家である地元の老舗百貨店側にとって、採算が合わない場合もある。

しかしながら、地方都市の中心地に立地する老舗百貨店にとって、格上の存在であるルイ・ヴィトンの誘致は、ブランド力の象徴となり競合他社との差別化にもなるため「三顧の礼」で迎えてきた。だから、ルイ・ヴィトンの店舗が、百貨店の1階正面など最高のスペースに店を構えているケースが多いのだ。

こうした経緯があるなか、多くの場合、直接の閉店理由は、ルイ・ヴィトン側が賃貸契約の更新をしないと決めたことにある。しかし、当然ながら、その背景には当該地方都市の人口減少に伴う競争力や購買力低下による売上の減少が影響していよう。

【後編を読む】すでに4県が「百貨店ゼロ」に…「ルイ・ヴィトン」が見抜いていた「都市格差」拡大の現実

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