【W杯】森保一監督が明かしたブラジル戦采配の葛藤「交代、先発が変わっていれば結果も変わっていたのか」
北中米W杯で決勝トーナメント1回戦敗退という結果に終わったサッカー日本代表が2日、都内で総括会見を行った。会見には森保一監督、日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長、山本昌邦技術委員長が出席した。
会見中、森保監督が自身の采配について言及する場面があった。
「自分に対しては、めちゃめちゃ本当にもう悔しくて。試合を振り返った時に、自分の采配で勝利に導くことができなかった」
「采配の交代カード、先発を決める、というところが変わっていれば、ひょっとしたら結果も変わっていたのかと」
そう語った指揮官の言葉からは、ブラジル戦のゲームプランに対する深い葛藤がうかがえる。
ブラジル戦、日本は1次リーグ初戦のオランダ戦からメンバーを入れ替え、負傷の久保建英に代わって伊東純也、右センターバックには渡辺剛に代えて冨安健洋を起用した。前半は強固な守備ブロックで相手のシュートを枠内2本に抑え、佐野海舟のゴールでリードして折り返す理想的な展開を見せた。しかし、後半に入るとクロス攻撃を強めたブラジルの圧力に屈し、10分に失点。その後も猛攻を受け、最後は後半アディショナルタイムに力尽きた。
1―1で迎えた後半21分、森保監督は両ウィングバックの堂安律と中村敬斗を下げ、守備的な菅原由勢と鈴木淳之介を投入。5バックで守り切った上でカウンターを狙うプランだったが、この交代以降、日本は一度もシュートを放つことができなかった。
ベンチには堂安や中村に代わる攻撃的なウィングバックはおらず、圧力を高めるカードは限られていた。冨安を右ウィングバックへ上げ、空いたセンターバックに渡辺を投入する策も考えられた。だが結果としてこの試合が約2年ぶりのフル出場となった冨安は、ビニシウスらの対応に追われており、これ以上の攻撃的な負担を課すのは酷だった。
三笘薫や南野拓実、そして久保ら主力の負傷離脱が、交代策の幅を狭めたことは否定できない。しかし、森保監督自身は「その時にいる選手が、チームのベスト。その選手たち(三笘ら)がいたら、というのは想像できるとは思うが、全く誰がいたら、こうなってたとかは考えていなかった」と語る。指揮官の悔恨は、負傷者云々ではなく、当時の陣容で選んだ先発メンバーや戦術の選択そのものに向けられているのかもしれない。例えば、堂安をシャドーに、菅原を右ウィングバックに配し、後半にスピードのある伊東を投入して勝負をかける――。今となってはすべてが結果論だが、指揮官の脳裏には様々な「もし・・・」が駆け巡ったはずだ。
「劣勢の展開に、受け身の展開になった時にも、そこを守り切って、そこからプランBに移る力をつけていかなければいけないと思っています。ボールを奪って攻撃に行った時に相手のカウンタープレスを受けて、また奪い返されるシーンがブラジル戦は多かった」
会見でそう分析した森保監督。すでにその目は、日本代表のさらなる強化に向いているように映った(金川 誉)

