トランプ氏の看板政策に痛手、米最高裁が「出生地主義」見直しは「違憲」と判断
【ワシントン=阿部真司】米連邦最高裁は6月30日、米国で生まれた子供に米国籍を与える「出生地主義」の見直しを命じたトランプ大統領の大統領令は違憲だとして、無効と判断した。
出生地主義の見直しを不法移民対策と位置づけていたトランプ政権にとって痛手となる。
判決は「米国に不法滞在、または一時的に滞在している両親から生まれた子供」であっても出生時に米国の市民になると明示し、現行制度の見直しを訴える政権の主張を退けた。
米国憲法修正第14条は「合衆国内で生まれた者は合衆国の市民である」と定めている。最高裁は1898年の判決で外交官の子供ら一部の例外を除き、父母の国籍に関係なく、出生地に基づき米国籍が付与されるとの見解を示した。以降、米国は出生地主義を採用している。
これに対し、トランプ氏は昨年1月、少なくとも一方の親が米国籍か米国の永住権を持っていなければ米国籍を与えないとする大統領令に署名した。出生地主義の制度が不法移民の流入を助長していると主張したほか、子供に米国籍を与える目的で米国に一時滞在する「バースツーリズム(出産観光)」が横行していると強調した。

出生地主義の見直しを含む不法移民対策はトランプ氏の看板政策の一つで、今年4月に開かれた訴訟の口頭弁論では、トランプ氏が審理を傍聴し、見直しへの強い意欲を示していた。
判決を受け、トランプ氏は自身のSNSに「我が国にとって非常に残念なことだ」と投稿した。司法省は30日の声明で「制度を悪用して米国籍を子供に取得させようとする者たちは安全保障上の脅威だ」として、バース・ツーリズムを取り締まる方針を示した。
