ブラジルに敗れ、がっかりする日本のサポーターたち(29日、米ヒューストンで)=吉野拓也撮影

写真拡大

 【ヒューストン(米テキサス州)=木口慎太郎、林信登】歴史を変える勝利まで一歩届かなかった。

 サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会で、日本代表は29日(日本時間30日)、決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦し、1―2で敗れた。先制ゴールで爆発した歓喜は、後半終了間際に悲鳴に変わった。声をからした日本サポーターたちは悔しさをかみしめながらも、最後まで走り抜いたサムライたちに惜しみない拍手を送った。

 決戦の舞台となった米ヒューストンスタジアムには約6万8700人が詰めかけた。29分、佐野海舟選手(25)の先制ゴールが決まると、スタンドの8割以上を埋めたブラジルサポーターの応援コールが沈黙し、日本サポーターの大歓声が会場を支配した。

 後半は死に物狂いで点を奪いに来るブラジルの猛攻を耐える展開に。追加タイムで勝ち越しを許して力尽きると、ピッチの選手と同じようにサポーターたちもぼう然と立ち尽くし、悔し涙を流した。東京都世田谷区の無職男性(62)は「選手たちが本気で優勝を目指していたことが伝わる戦いだった。世界との差は確実に縮まっている。次こそ優勝を」と願った。

 東京都文京区のJFAサッカー文化創造拠点「blue―ing!」も試合終了の瞬間、静まりかえり、パブリックビューイング(PV)で応援した195人のファンはうなだれた。

 同区の会社員男性(30)は「相手が一枚上手だった」と自分に言い聞かせ、「今回の日本代表は間違いなく歴代ナンバーワンだった」とたたえた。川崎市の会社員女性(37)は「悔しいけれど、みんなと気持ちが共有できて楽しかった。4年後の優勝を目指して応援したい」と話した。

 東京・JR渋谷駅前のスクランブル交差点は両国のサポーターらであふれ、互いに健闘をたたえる光景も見られた。埼玉県新座市の男子大学生(19)は「残念だったが、かっこよくて心に響いた。サッカーで世界が一つになったように感じた」と興奮した様子で話した。

 人口4万1319人(5月末時点)の1割強をブラジル国籍の住民が占める群馬県大泉町。町内のバー「アシェバー」では、ブラジル人サポーターら約20人が熱戦の行方を見守った。

 ブラジル代表のユニホーム姿で応援した会社員男性(57)は「日本も強かったから、ブラジルが勝ってすごくうれしい。でも接戦で疲れたよ」と笑顔を見せた。