「人が瘦せる」ためにはどんな条件が必要?医師が徹底解説!

人が瘦せるためにはどんな条件が必要?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「食べる量を減らしても痩せない」原因はご存知ですか?痩せにくい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 友太(医師)

【経歴】
医師、医学博士。
福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長、東京予防クリニック院長を歴任。現在は神宮前統合医療クリニックなどで脳機能向上、認知症予防を中心に診療している。
【資格・所属】
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本健康経営専門医

人が瘦せるためにはどんな条件が必要?

エネルギー収支(カロリー収支)

人が体重を減らすためには、摂取エネルギーより消費エネルギーが少し多い状態を作ることが基本です。つまり、食事から入るエネルギーよりも、基礎代謝や日常生活、運動で使うエネルギーの方が多ければ、体重は減りやすくなります。 ただし、体重の変化は脂肪だけでなく、水分や筋肉量の変動も含まれるため、毎日の体重だけで判断しすぎないことが大切です。よく「脂肪1kg=約7,000kcal」と言われますが、これはあくまで目安で、実際の体重変化はもう少し複雑です。

現実的な目標設定

ダイエットは短期間で大きく落とすより無理なく続けられる目標を立てることが重要です。日本の肥満症診療では、まずは現在の体重の3%程度の減量でも、血糖、血圧、脂質などの改善が期待できるとされています。BMIが高い方や合併症がある方では、5~10%の減量を目標にする場合もあります。ダイエットは短期間で大きく落とすより、無理なく続けられる目標を立てることが重要です。肥満症診療では、まずは現在の体重の3%程度の減量でも、血糖、血圧、脂質などの改善が期待できるとされています。BMIが高い方や合併症がある方では、5~10%の減量を目標にする場合もあります。

バランスの良い食事と十分なたんぱく質摂取

減量中でも、栄養バランスはとても大切です。単純に量を減らすだけではなく、主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識しましょう。 特にたんぱく質は筋肉の材料になるため、不足すると筋肉量が減り、結果として痩せにくくなることがあります。毎食、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを適量とることが、健康的に痩せるための基本です。減量中のたんぱく質摂取は、筋肉量の維持に役立つ可能性があります。

筋肉量の維持・増加

筋肉量の維持も、減量では重要です。筋肉が減ると、安静にしているときに使うエネルギーも下がりやすくなり、痩せにくく感じることがあります。 特に、食事だけを減らすダイエットでは、脂肪と一緒に筋肉も減りやすくなります。そこで、たんぱく質をしっかりとりながら、筋トレを組み合わせることが勧められます。 ウォーキングなどの有酸素運動は消費エネルギーを増やしやすく、筋トレは筋肉を保つ助けになります。どちらか一方ではなく、両方を無理のない範囲で続けるのが理想的です。

生活習慣の安定

生活習慣の安定、特に睡眠とストレス管理も大切です。睡眠不足が続くと、食欲に関わるホルモンや脳の反応が変わり、食べすぎや間食につながりやすくなります。短い睡眠は体重増加や肥満と関連することが報告されています。睡眠不足が続くと、食欲に関わるホルモンや脳の反応が変わり、食べすぎや間食につながりやすくなります。短い睡眠は体重増加や肥満と関連することが報告されています。生活全体のリズムを整えることが大切です。

行動を見える化して続けること

減量では、食事・運動・体重を記録することが役立ちます。行動療法では、こうした自己記録(セルフモニタリング)が基本とされています。 食べた量や運動量をなんとなくで済ませず、見える化することで、「思ったより食べていた」「意外と動いていなかった」に気づきやすくなります。記録が丁寧なほど、減量が進みやすい傾向があります。

「食べる量を減らしても痩せない」についてよくある質問

ここまで食べる量を減らしても痩せないことについて紹介しました。ここでは「食べる量を減らしても痩せない」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

白米を抜いても瘦せない理由を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

白米を抜いても痩せない主な理由は、糖質制限によってエネルギー源が不足し、体が「省エネモード」に切り替わってしまうことにあります。炭水化物は筋肉を動かす重要な燃料ですが、これが枯渇すると体は筋肉を分解してエネルギーを補おうとします。筋肉量が減ると基礎代謝が低下するため、結果として食べる量を減らしても脂肪が燃えにくい体質になってしまうのです。
また、白米を抜くことで満足感が得られず、脂質の多いおかずを無意識に食べ過ぎたり、間食が増えたりすることも原因の一つです。さらに、極端な糖質不足は自律神経の乱れを招き、代謝を司る甲状腺ホルモンの活性を低下させる可能性もあります。健康的なダイエットには、白米を完全に排除するのではなく、食物繊維の豊富な玄米や雑穀米を適量取り入れ、代謝を維持しながら体脂肪を減らすのが良いでしょう。

まとめ

「食べる量を減らしているのに痩せない」と感じる背景には、エネルギー収支だけでなく、記録のズレ、NEAT低下、水分変動、睡眠不足、筋肉量の減少、病気や薬の影響など、さまざまな要因が関わっています。
人が健康的に痩せるためには、ただ食事量を減らすだけでは不十分で、バランスのよい食事、たんぱく質、運動、睡眠、ストレス対策を含めた生活全体の見直しが必要です。特に、体重の3~5%程度の減少でも健康指標が改善することがあるため、いきなり大きく痩せようとしなくて大丈夫です。無理なく続けられる方法を積み重ねることが、結果として一番確実です。
焦らず、自分の体と向き合いながら、必要に応じて医師や管理栄養士などの専門家の力も借りて、安全に進めていきましょう。

「食べる量を減らしても痩せない」と関連する病気

「食べる量を減らしても痩せない」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内分泌・代謝系

甲状腺機能低下症クッシング症候群

婦人科の病気

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

更年期障害

代謝・生活習慣病

2型糖尿病脂質異常症

精神・神経系

うつ病睡眠時無呼吸症候群

薬剤関連

ステロイド薬・一部の向精神薬の影響

「食べる量を減らしても痩せない」場合、体質だけでなくホルモンや病気が関係していることもあるため、長く続く場合は一度医療機関での確認も大切です。

「食べる量を減らしても痩せない」と関連する症状

「食べる量を減らしても痩せない」と関連している、似ている症状は11個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

体重がなかなか減らない

むくみやすい

疲れやすい

だるい

冷えやすい

お腹まわりだけ脂肪が増える

食事量が少ないのに太る感覚がある

寝ても疲れが取れない

日中の眠気が強い

食欲がコントロールできない

月経不順やホルモンバランスの乱れ

体重だけでなく、「疲れやすさ・眠気・むくみ」などのサインがある場合は、単なる食事の問題ではなく体のバランスの乱れが関係している可能性があります。

参考文献

Definition, criteria, and core concepts of guidelines for the diagnosis and treatment of obesity disease in Japan. Endocr J. 2024

Systematic review and meta-analysis of protein intake and lean mass. Obesity Reviews. 2022

Short sleep duration and weight gain: a systematic review. Obesity. 2008

The impact of meal timing on risk of weight gain and obesity. Nutrients. 2022

Effects of dietary protein intake on body composition changes after weight loss. Nutrients. 2016