東シナ海で海上自衛隊が撮影した「瀬取り」。船籍不明の小型船が北朝鮮のタンカーにホースを接続している(防衛省提供)

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北朝鮮西部の南浦から東部の清津(日本海側)へ向かうと申告していた北朝鮮の貨物船「運船7号」が、予定の航路から大きく外れた中国沖の東シナ海で沈没していたことが国際海事機関(IMO)の海洋事故記録から明らかになった。専門家は、国連安全保障理事会の経済制裁を逃れるための「瀬取り(洋上での物資の積み替え)」や石炭の密売に動いていた可能性が極めて高いとみている。

安全保障関係筋や韓国メディアの報道によると、事故が発生したのは昨年12月14日午後。運船7号は悪天候のため中国浙江省舟山市沖の舟山群島海域に停泊していたところ、中国漁船と衝突し沈没した。乗組員は全員救助され、人的被害はなかったという。

不審なのは同船が申告していた航路だ。北朝鮮当局に対し、西側の南浦から朝鮮半島を迂回して東側の清津へ向かうと説明していた。しかし、実際に沈没した中国舟山沖は、南浦から南へ1000キロメートル以上も離れた海域。日本海へ向かう航路としては完全に逆方向であり、説明の合理性は皆無だ。現場となった舟山沖を含む東シナ海は、安保理の対北朝鮮制裁委員会などが「密輸の温床」として最も警戒を強めているエリアの一つ。北朝鮮船が自動船舶識別装置(AIS)を意図的に切って潜伏し、中国側の船舶と接触して石炭などの禁輸品を密売する違法な洋上取引(瀬取り)が常態化している。

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北朝鮮船舶を巡っては、昨年2月下旬にも黄海上で制裁逃れの石炭密輸中とみられる北朝鮮貨物船が中国船と衝突・沈没し、船員20人前後が死亡する事故が起きている。相次ぐ沈没事故は、国際社会の網の目を潜り抜けて外貨獲得を強行する北朝鮮側の焦りと、海上密輸の活発化を浮き彫りにしている。