《道交法改正後で都内初》電動キックボードで死亡事故…専門家が語る「ルール無視のユーザーから身を守る方法」
「ついに死亡事故が起きてしまいましたか…」
そう話すのは自転車評論家の疋田智さん。6月2日午前10時、東京都北区で特定小型原動機付自転車(電動キックボード)と軽貨物自動車が衝突。電動キックボードの運転手(62歳)が死亡した。事故原因などは現在捜査中だが、死亡したのは電動キックボードのシェアサービス「LUUP(ループ)」の利用者だ。2023年7月の道路交通法の改正以降、東京都内の車道での死亡事故は初めてだという。
電動キックボードは現在、16歳以上なら運転免許不要で乗ることができる。走るのは原則車道の左端で、時速20キロメートルまで。「自転車通行可」などの標識がある歩道では、時速6キロメートル以下で走行できる。また、右折時には、交差点を直進し渡り切ったら向きを変えもう一度直進する「二段階右折」が必要など、特有のルールもある。
「電動キックボードが登場したころのユーザーは、新しい流行にいち早く飛びつく“アーリーアダプター”が中心でした。交通ルールにも詳しくて、交差点では電動キックボードを降りて押す人も多く、意外と事故は少なかった。ですが、電動キックボードのレンタルサービスが浸透し、利用者がかなり増えました。ルールをよく知らないユーザーも多く、今後は事故が激増すると思います」(疋田さん、以下同)
疋田さんによると、電動キックボードは車輪が小さいうえ、人間が立って乗るので重心が高い。特に低速でふらつきやすく、小さな段差でもひっくり返る危険性があるという。
電動キックボードには時速20キロを越えないように速度を抑制する装置がついているが……。
「実際は、自動車がビュンビュン走る車道で時速20キロメートルは遅すぎて怖い。歩道での時速6キロメートルはそもそも低速すぎてふらついて危ないのです。だからそのうち、歩道を時速20キロメートルで走る連中が現れるのではないか、いえ、現在すでにそうなりつつあります」
歩行中に、歩道を走る電動キックボードを見かけたらどうすればいい?
「歩道では歩行者優先が大原則。ですが、ルールを守らない電動キックボードユーザーもいます。近づかないようにしてください」
ネット上にはタクシー運転手による「電動キックボードは厄介者。ルールがあってないような感じだ」といった意見も見られる。自動車の運転中に遭遇したら……?
「電動キックボードからある程度距離をとったほうがいいでしょう。近づきすぎると、自動車の風圧で電動キックボードがふらつき、ぶつかってしまうかもしれません」
電動キックボードはLUUPなどのレンタルサービスで利用する人が多い。東京でLUUPを20分利用した場合の料金は450円だ。気軽に安く利用できるのはメリットだが、電動キックボード関連の事故は、レンタル車両が9割を占める(2024年、警察庁)。
「気軽すぎて交通ルールをよく確認せずに利用する人もいるでしょう。交通ルール徹底のためにも運転免許は必須にするべきです」
最近は、電動キックボードにサドルの付いた「電動スクーター」や「電動シートボード」がリリースされ、多くは16歳以上なら免許不要で乗れる。
ルールを守る善良なユーザーかどうかは一見しただけではわからない。電動キックボードを見かけたら「近づくな!」が鉄則だろう。
