朝の菓子パンで「顔の魅力度」が最大7割下がる。食べたわずか2時間後、他人に“冴えない顔”と判定されるワケ
ただ、医師の目線から見ると、この習慣はすこし注意が必要かもしれません。「太る」から?「血糖値が上がる」から?
もちろんそれもありますが、実は、その手軽な朝食が、食べた数時間後の「顔の魅力」を激減させているかもしれないのです。せっかく外見を整えても、朝ごはんのせいで第一印象を損なっているかもしれない、今回はそんな少し怖い話です。
フランスのモンペリエ大学などの研究チームが20〜30歳の健康な男女約100人を対象に、精製炭水化物と顔の魅力の関係を調べた面白い研究があります。参加者には空腹で来てもらい、約500kcalの朝食を食べてもらいました。ただし内容が違います。一方は精製されていない炭水化物を中心にした朝食、もう一方は精製炭水化物を中心にした朝食です。
精製された炭水化物とは、白いパン、白米、砂糖、ジャム、ジュースのような、「血糖値を上げやすい」食品のこと。一方精製されていない炭水化物とは、玄米や全粒粉のパン、オートミールなどで、食物繊維が多く含まれ「血糖値の急上昇を抑える」のが特徴です。
朝食の約2時間後、参加者を同じ照明・同じ背景で顔写真を撮影しました。笑顔などの表情、メイク、アクセサリーなどの影響も除外した上で、被験者とは別の第三者に、「どちらの朝食をとった被験者の顔のほうが魅力的に見えるか」を評価し、選んでもらいました。
結果は実に興味深いものでした。「血糖値を上げやすい」朝食を食べた人は、男性も女性も、魅力度が低く評価されました。
詳しくは、精製された炭水化物の朝食だと、「魅力的だ」と選ばれる割合が男性で約6割、女性で約7割低いという結果でした。朝食での血糖値の上がり方の違いが、たった2時間後には、顔色や雰囲気の違いとして他人の目にうつって見えたということです。
◆なぜ朝の菓子パンで顔の印象が変わるのか
理由として考えられているのが、食後の血糖変動。精製炭水化物を多く含む朝食は、血糖値を急に上げます。すると体はインスリンを出して血糖値を下げようとしますが、その反動で食後しばらくして血糖値が下がり過ぎる(反応性低血糖)ことがあります。研究では写真撮影のタイミングである食後2時間ごろ、高血糖タイプの朝食だけで低血糖が生じていました。
低血糖と聞くと、手の震えや冷や汗を想像するかもしれませんが、実はもっと軽いレベルでも、顔色や皮膚の血流にダイレクトに影響します。低血糖状態では、皮膚の血流が低下するため、肌の血色が悪くなり、不健康や老けの印象につながるという方程式です。「なんとなく顔色が悪い」「むくんでいる」「表情に張りがない」など、人はそうした微細なサインを本能的に読み取ることで「今日の〇〇さん、表情が冴えないな(魅力が少ない)」と判断しているわけです。
◆「糖」は長い目で見ると老けにも関係する
もう一つ、無視できないのが糖化。終末糖化産物(AGEs)という単語を耳にしたことはあるでしょうか。血糖値が慢性的に高い状態が続くと、糖がコラーゲンなどのたんぱく質と結びつき、AGEsと呼ばれる物質が増えます。肌の奥(真皮)にあるコラーゲンは、肌のハリを保つ「スプリング」の役割をしています。AGEsが増えると、このスプリングがいわばさびて硬くなってしまいます。その結果、皮膚の弾力が低下し、しわやくすみ、たるみといった「老け」の原因となるわけです。
実際、オランダの研究では、約600人の顔写真を評価したところ、血糖値が高い人ほど「見た目年齢」が高く判断されていました。糖尿病でない人だけに絞っても、血糖値が約18mg/dL 高いごとに、見た目年齢は約0.4才高く見えるという結果でした。

