稼働率98%なのになぜ閑散? ワールドカップで生じる“空席問題” 開幕前に「全試合完売」を宣言したFIFAには非難の声「戦略問題が浮き彫りになった」【W杯】

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韓国とチェコとの一戦でもスタンドのいたるところで空席が目立った(C)Getty Images

 現地時間6月11日に堂々の開幕を迎えた北中米ワールドカップ(W杯)。アメリカ、メキシコ、カナダでの共催となった今大会は、史上最多48か国が参加するとあって、今まで以上に国際的な関心が注がれている。

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 そんな一大トーナメントにおいて開幕早々から波紋を呼んでいるのが、チケットの売り上げを巡る問題だ。11日にメキシコのグアダラハラ・スタジアム行われた韓国代表とチェコ代表の一戦では空席が散見。国際サッカー連盟(FIFA)は観客数を4万4985人と公表したが、スタンドの閑散ぶりは目にも明らかだった。

 FIFAの公表した人数との乖離は、実際の観客数ではなく販売されたチケット枚数を公表したと推測できる。だが、ジャンニ・インファンティーノ会長が大会前に「全試合完売した」と発言していたような盛り上がりが実現できていないのは、紛れもない事実だ。

 チケット販売の売り上げが芳しくない要因の一つが、代金の急騰だ。今大会から需要と供給のバランスに応じて、価格をリアルタイムまたは自動的に変動させる「ダイナミックプライシング」を導入したFIFAだが、それがここまでは裏目に。決勝戦のチケット価格が最安で1万1000ドル(約175万7921円)にまで膨れ上がっている現状は、ファンや関係者から反感を買っている。

 今後も空席が悪目立ちし、盛り上がりに欠ける試合は増えていくはずである。そんな今大会が直面する“現実”には、海外メディアでも批判が渦巻いている。ドイツの日刊紙『Main Post』は「今回のワールドカップは開幕初日からスタンドは多くが空席のままだった。それにもかかわらずFIFAが収容率を『98.5%だった』と公表したことで物議を醸している」と指摘。その上で、こう続けている。

「サッカー文化が深く根付いている都市グアダラハラでの試合で空席が目立ったことで、FIFAに対する非難はさらに強まった印象がある。お世辞にも『満員』とは言えないガランとしたスタジアム内を映し出した中継映像は、皮肉にも強気な価格設定とマーケティング戦略の問題を改めて浮き彫りにした」

 いまだ104試合中75試合でチケットが売れ残っているとも報告されている今大会は、果たして、どこまで盛り上がっていくのか。ニューヨークで行われる決勝戦は“超満員”となってもらいたいが……。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]