建設用地と電力求め、海にデータセンター 横浜港で課題解決の実験

生成人工知能(AI)やクラウドサービスの普及で需要が高まるデータセンターを海上に設置し、太陽光で全電力をまかなう実証実験が横浜市中区の横浜港で始まった。大量に消費する電力や建設用地に絡む問題の解消策として期待され、将来的には洋上風力発電所と組み合わせた商業化も視野に入れる。(共同通信=道下健弘)
「日本を囲む海を活用し、課題解決の機会を提供したい」。3月下旬、横浜市の大さん橋ふ頭であった式典で、実験に参加する日本郵船幹部が力を込めた。出席者の視線が注がれたのは、ふ頭に係留された縦25メートル、横80メートルのフロート(浮き)。サーバーを収めたコンテナのほか、太陽光パネルや蓄電池を備える。
日本郵船によると100%再生可能エネルギーで稼働する洋上浮体型センターは世界初。実験にはNTTファシリティーズや横浜市なども参加し、1年かけて波の揺れや海水に含まれる塩分への耐性を調べるという。
データセンターの新設には広い土地が必要なだけでなく、近年は費用高騰にも直面。電力の消費も多く、認可法人「電力広域的運営推進機関」によると、センターの新増設に伴う需要電力量は2026年度の48億キロワット時から35年度は494億キロワット時に達する可能性がある。
今回の実験で使う太陽光発電は出力44キロワットと小型だが、今後増加が見込まれる洋上風力発電所につなげば大規模なセンターも可能に。さらに海上では地盤改良や耐震化が不要なことに加え、造船所などでつくった設備を海に浮かべて輸送できるため低コストで済むというメリットもある。
NTTファシリティーズの川口晋社長は「情報社会インフラとして重要性が増しているが陸上では課題が多い。洋上のセンターは新しいスタンダードの一つとして潜在能力がある」と話した。

