ESSEonlineで2026年3月に公開された記事のなかから、ランキングTOP10入りした記事のひとつを紹介します。

近年人気の「薪ストーブ」。家づくりで導入を検討する際、メンテナンスやコスト、置き場所はどうするかなど、気になっている人も少なくないのではないでしょうか。3年前に地元の工務店で平屋の新築を建て、玄関に薪ストーブを設置した日刊住まいライターが、住んでみて気づいた薪ストーブのメリットとデメリットについてレポートします。

※ 記事の初出は2026年3月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。

あえて「玄関」に薪ストーブを導入した理由

筆者は、夫婦と子ども3人(4歳、2歳、0歳)の5人家族。3年前に、延床面積31坪の平屋を地元工務店で建てました。夫婦で憧れていた薪ストーブ。設置場所に選んだのは、玄関ホールです。

当初は、リビングに設置することも考えましたが、最終的には玄関ホールに落ち着きました。理由は、ワンシーズンしか使用しない暖房器具がリビングで場所をとるのを避けたかったからです。そして3年経った今、この選択は正解だったと思っています。

●理由1:薪の搬入がラク

薪ストーブの生活は、想像以上に薪を運び入れる回数が多いものです。わが家では、その日使う分の薪を玄関土間まで運んでおいて、そこからストーブに入れます。

土間から近いことで運び込む手間も減らせる上、リビングを汚すこともなく、日々のストレスを大幅に軽減してくれています。

●理由2:家全体を1台の薪ストーブで温められる

わが家の間取りは、玄関が家の中央に位置します。玄関ホールにストーブを置くことで、両端にある寝室や子ども部屋まで、家じゅうをほんのり暖めてくれるのです。

「玄関が寒い」という冬場特有の悩みも、わが家では無縁。玄関扉をあけた瞬間、家全体が包み込まれるような温もりに迎えられる感覚は、この配置ならではです。

いちばんのメリットは「格別な暖かさ」

薪ストーブを導入していちばん感動したのは、その「格別な暖かさ」でした。エアコンのように温風を吹き出すのではなく、遠赤外線による輻射熱(ふくしゃねつ)で、壁や床、そして体の芯までじわじわと温めてくれます。

わが家では、いつも気温の下がり始める夕方から薪ストーブに火をつけます。そしてそのまま夜寝る前までしっかりと焚いておけば、翌朝になっても室温が急激に下がることはありません。そのおかげで、底冷えする冬の朝も、布団から出るのがおっくうではなくなりました。

想定外だった…薪ストーブの「デメリット」

一方で、実際に暮らしてみないと見えてこなかった苦労もあります。

●デメリット1:薪の確保が大変

薪ストーブを毎日使うとなると、消費する薪の量も膨大です。薪は買ってすぐに使えるわけではなく、一般的に1〜2年の乾燥期間が必要。常に「来年、再来年のための薪」を確保し、乾燥させておくスペースが必要になります。

わが家も入居当初は、「薪はすぐ手に入るだろう」と甘く見ていましたが、計画的に入手・保管しなければ、冬の途中で燃料ぎれという事態に。

購入する場合も配送費を含めるとけっして安くはないため、薪ストーブを使用する頻度には気をつけています。

●デメリット2:煙の逆流問題

そして、もっとも想定外だったのが「煙の逆流問題」です。

わが家の薪ストーブは、屋外から空気を供給しています。この「外気導入」方式の薪ストーブは、一般的に煙の逆流は起こりにくいとされています。

しかし、室内の空気を大量に消費するガス乾燥機を使用すると、部屋の圧力が低くなり、薪ストーブの煙突から空気を取り込もうとするのです。

そうとは知らず、薪ストーブをつけたままガス乾燥機を使用したところ、家じゅうに煙が充満してしまい、あわてて窓を全開にしたことがありました。現在は、「同時使用を避ける」「ガス乾燥機のある部屋の窓を細くあける」などの対策をとっています。

薪ストーブのある暮らしは、手間もコストもかかります。それでも、炎の暖かさに包まれる感覚は。なにものにも代えがたいぜいたくな時間。薪ストーブのまわりが、わが家の家族団らんの場所になっています。