読書は知識を蓄えたりメンタルヘルスに良い影響を与えたりと非常に有用な活動です。しかし、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンフロリダ大学の研究チームが実施した研究では読書を習慣とするアメリカ人が20年で40%以上減少していることが明らかになりました。

The decline in reading for pleasure over 20 years of the American Time Use Survey: iScience

https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(25)01549-4

Proportion of Americans reading for pleasure fell by 40% over 20 years | UCL News - UCL - University College London

https://www.ucl.ac.uk/news/2025/aug/proportion-americans-reading-pleasure-fell-40-over-20-years

研究チームはアメリカ人を対象にした時間使用目的調査「American Time Use Survey」に含まれる2003年から2023年の23万6270人分のデータをもとに、「個人的な目的で毎日読書している人の割合」と「子どもと一緒に毎日読書している人の割合」の推移を分析しました。その結果、個人的な読書習慣のある人の割合(青)は2004年の28%をピークに年間3%の割合で減少し続け、2023年には16%にまで減っていたことが明らかになりました。また、子どもと読書する習慣のある人の割合(紫)は横ばいで、2023年はわずか2%でした。



研究チームは属性別の読書習慣も分析しています。以下のグラフは「男性(オレンジ)」と「女性(緑)」の読書習慣がある人の割合を示したグラフです。女性の方が読書習慣のある人が一環して多いことが分かります。



年齢を「15歳〜24歳(オレンジ)」「25歳〜65歳(緑)」「66歳以上(紫)」に分けたグラフが以下。高齢者の減少傾向が目立ちます。



人種を「白人(オレンジ)」「黒人(緑)」「アジア人(紫)」「その他(ピンク)」に分けるとこんな感じ。黒人とその他の人種の読書割合が低めです。



学歴を「高卒以下(オレンジ)」「大卒(緑)」「学部生(紫)」「大学院生(ピンク)」に分けたグラフ。どの属性でも減少傾向にあり、高卒以下の読書割合が最も低いことが分かります。



収入を「3万ドル以下(オレンジ)」「3万ドル〜5万9999ドル(緑)」「6万ドル〜9万9999ドル(紫)」「10万ドル以上(ピンク)」に分けると、高収入な方が読書割合が高いことが分かります。



「地方に住む人(オレンジ)」と「都市部に住む人(緑)」の差は小さめ。



「障害のない人(オレンジ)」と「障害のある人(緑)」だと障害のない人のほうがわずかに読書割合が高いようです。



研究チームの一員であるデイジー・ファンコート教授は「読書習慣のある人の減少は憂慮すべき事態である」と述べ、読書習慣のある人を増やすために「子どもたちと一緒に読書すること」や「地域の図書館を魅力的で通いやすい場所にし、読書会を実施し、読書を孤立した活動ではなく社会的な活動にする」といった対策を提唱しています。