●ステージ企画も満載のサードウェーブ「GALLERIA BASE」

2024年9月26日から29日まで「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」が開催されました。コロナ禍で大きく落ち込んだ展示会市場ですが、最近は復活を果たしており、今年はTGS史上最大規模で展開。BTOパソコンやパーツメーカーも多数出展していました。いくつかのブースを紹介します。

サードウェーブは新筐体や、試作CPUクーラー、「ぶいすぽっ!」など盛りだくさん

「TGS2024」のサードウェーブは、例年同様「GALLERIA BASE」として多彩な展示とイベントを行っていました。恒例の寄せ書きブースはビジネスデイと一般日で別にしており、3日目にはこれまでの寄せ書きが別に移動され、新しいものに変わっていました。

「GALLERIA」のゲーミングパソコンを使った試遊台も豊富。遊べるゲームの種類も結構多かったのですが、一般日は空いた順に案内していたため、試遊タイトルを選べなかったようです。ホワイトとブラックの2色のケースラインアップを採用したデスクトップの展示もありました。

また、「BtoB」にも力を入れるという経営方針があり、ビジネスデイはサーバーやワークステーション、ビジネスパソコンも展示。インテルブースでも紹介されたLunar LakeことCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)製品もいち早く展示されていました。

「TGS2024」のサードウェーブブース。個人向け高性能パソコン「GALLERIA」を前面に押し出した「GALLERIA BESE」を展開しました。ちなみに画像の手前と右側に試遊台があります

サードウェーブは今季法人向けを拡大することもあり、ビジネスデーはサーバー等も展示。GPUが4枚まで対応するこのワークステーションは電源2台!

法人向けパソコンも展示。いち早く量産開始となったCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)

一般日では、法人向けパソコンの代わりにゲームメーカーズのコラボパソコンを展示していました

試遊台。ちなみに現在プレイしている方が使っているのは「GALLERIA」のホワイトモデルです

試遊パソコンは、タイトル数が豊富な反面、列が2カ所しかないこともあり、混雑時には空いた台に案内されたようです

新パーツはケースだけにとどまりません。参考展示として銅を使ったCPUクーラーを出展。従来、銅のCPUクーラーというと、ソリッドな銅板、あるいはアルミに銅柱を入れたもの、銅のヒートパイプを使ったものが多いのですが、このパーツではスポンジのような形状を採用しており、放熱性と重量を改善しているようです。これがどのように使われるのかは未定とのことでしたが、オリジナルのCPUクーラーまで作ってしまうのは、なかなか意欲的です。

プロトタイプの銅製CPUクーラーを参考展示。量産までにはまだまだかかりそうな感じでした

実際に取り付けた例がこちら。銅板ではなく、同メッシュというかスポンジのように使っています

また、新GALLERIAパソコンのモックアップも展示。現在のGALLERIAパソコンは黒ベースで、先日ホワイトモデルが登場したものの、正面はブラックと最近の白パソコンのイメージからのズレが気になっていましたが、展示されていたモックアップは真っ白! 今後意見を伺って最終デザインにするとのことでした。

現在のGALLERIAパソコンケースは2020年から導入されたもの。次世代ケースのモックアップが展示されていました

GALLERIAは少々お高いという人向けのコスパ追及モデル「Lightning-G」も展示

コラボパソコンも豊富に展示していました。その中で以前から力を入れている「ぶいすぽっ!」コラボパソコン。先日、新筐体となり、サイドにオリジナルプリントが施されているだけでなく、各メンバーのシステムボイスやサイドパネルを別注できるという力の入れ具合です(初期ロットは完売しており、次回は10月からの販売を予定)。

以前の「GALLERIA BASE」では、全メンバーのPOP看板を展示していましたが、メンバーも増えたこともあり、3日目は入れ替え制で展示していました。

また、「ぶいすぽっ!」運営元のバーチャルエンターテイメントの製品ですが、「ぶいすぽっ!」のゲーミングデバイスシリーズ公式ブランド『VSPO! GEAR』から、第2弾として「マウスパッド」および「ガラスマウスパッド」が展示されていました。

パソコンだけでなくマウスパッドも推しにできるうえ、公式通販サイトでしか販売されない予定なので、現物を見て触れる(ガラスマウスパッドは割れる可能性があるので触れません)機会は「TGS2024」だけでしょう。なんと、マウスパッドを確認するための行列までできていました。

マウスパッドは5,800円で12月に常設販売を予定。ガラスマウスパッドは11月に受注販売を予定しています(初期ロットが完売した場合は状況を見て再販とのこと)。ガラスマウスパッドはPulsarの全面バックアップによって作られているので、高品質です。

なお、今回の製品は「花芽すみれ・花芽なずな・小雀とと・一ノ瀬うるは・胡桃のあ・兎咲ミミ・空澄セナ・橘ひなの・英リサ・如月れん・神成きゅぴ・八雲べに・藍沢エマ・紫宮るな・猫汰つな・白波らむね・小森めと・夢野あかり」の18名で、夜乃くろむ・紡木こかげ・千燈ゆうひは後日対応予定です。ご注意を。

コラボパソコンの中でも特に扱いが大きい「ぶいすぽっ!」。メンバーが増えたため、これでも約半分。時間帯で入れ替えていました

「ぶいすぽっ!」コラボパソコンも展示していますが、今回はマウスパッド、ガラスマウスパッドの展示が目玉の1つです。この画像はTGS開場直後ですが……

昼過ぎになればご覧の通り。マウスパッドは現在公式通販のみの展開なので、現物を見られるチャンスはなかなかありません

ということで、ここにも最後尾の札が出るようになっていました

さらに、4日目には「ぶいすぽっ!」の『VALORANT』カスタムマッチイベントがありました。ステージ上に21名の全メンバーの看板が乗り切らず、隣のクリエイターブースにまで出張展示されていました。

最終日は「ぶいすぽっ!」メンバーによる『VALORANT』カスタムマッチ。MC/実況は平岩康佑氏、解説はAlelu氏です

メンバー全員+事前募集の一般の方とのカスタムマッチが2回と、特別ルールのトーナメントが行われました

ステージ上には全員集合……しきれません

なので、隣の展示スペースにも置かれていました

カスタムマッチは「ぶいすぽっ!」の全メンバーが3人パーティを組み、あらかじめ応募していたゲストも含めて39名、13パーティによるマッチを2回実施していました(ゲストは入れ替え制なので計12パーティ36名が選ばれていました)。

本番に強い「ぶいすぽっ!」メンバーらしく2回のマッチ共に「ぶいすぽっ!」のチームがCHAMPIONとなり、なかなか見ごたえのある内容。2回目のマッチでは残り体力ギリギリで相手チーム3名を次々と倒すと激アツ展開でした。

カスタムマッチはかなり見ごたえがありました。2回目は花芽すみれさんが相手チームの3人を体力ギリギリで倒しての勝利(左下のライフゲージに注目!)

その後、休憩をはさんで「ぶいすぽっ!」メンバーによるトーナメント「第一回拳で語れ!」が行われました。『VALORANT』は武器で戦うものですが、オリンポスのファイトナイトでのボクシング対決によるトーナメント戦。メンバーは先の3人チームそのままで行われましたが……、キックで決着がついたのは「ボクシングwww」という感じでこの辺のワチャワチャぶりは「ぶいすぽっ!」らしい気がしました。

特別ルールのトーナメントは武器なしの腕力勝負。アーマー禁止なので4発殴られると死亡です

拳で語るボクシングファイトと聞いていたのに、まさかのキックフィニッシュ!



ぶいすぽカスタム2024 Presented by GALLERIA【本配信】

●MSIとASUSは「BTOパーツ」をアピール

MSIは「Arrow Lake対応」マザー展示も

インテルブースでは、各社の「新CPU対応マザー」が展示されており、MSIブースでもマザーが展示されていたので同じ……と思っていたら「Arrow Lake対応」と明記されていました。「え? イイの??」と思ったのですが、インテルとのNDAを守っており問題ないとのこと。ウワサでは10月に正式発表なのでチラ見せ施策なのでしょうか? 従来のインテルだとこの辺一切秘密だったのでちょっと意外な展示でした。

ちなみに「展示されているのは、従来タイプのマザーボードですが(コネクタが裏側で配線が目立たない)Project ZEROは出ますか?」という質問にはノーコメントでした。自作パソコン界では配線を綺麗に見せるからProject ZEROの登場によって配線が見えないように進化しており、対応パーツが登場するか期待がかかります。

MSIブース。今回は9ホールでの展示です

ノートパソコンやグラフィックスカードが展示されているのはいつも通りなのですが

次世代Intelマザーボードも展示。しかも「Aroow Lake対応」と明言しておりビックリですが、契約の範囲での展示だそうです

環境展示にニトリの名前が入っており、機材類はニトリから提供された様子。ASUSブースではここ数年よく見られた手法ですが、MSIもこの手法を取り入れてきていました

今回は全面的にニトリコラボのようです

もう1つ気づいたのが、ボード採用BTOメーカーの展示を行うだけでなく、POWERD BY MSIとパーツ利用をアピールしていること

他メーカーのBTOマシンにも同じ表記がありました

ASUSは「日本未発売製品」の展示多数!

ASUSは日本未発売を含む多くのパーツを展示。ちょっと気になったのは「4Kモードでは160Hz、フルHDモードでは320Hz」の液晶モニターで、高画質動画を再生しつつ、フルHDではハイリフレッシュレートでプレイできてすごくいい感じ……、なのですが、再生されていた説明ムービーが60Hzでした。まあ、ヌルヌル高画質説明ビデオなんて普通作りませんからしかたないですね。

ASUS(ROG)ブース。こちらは2ホールで、今年は会場移動が結構面倒でした

マザーボードの展示はありますが、MSIのように次世代Intel CPU対応の表記はありません

一方、日本未発売や新製品は多数ありました

特に気になったのがROG Strix XG27UCG。4K 160Hzのモニターですが、フルHD 320Hzとモードを切り替えることができます。ゲームは高フレームレートで、動画や普段の作業は4Kでという人向けです

ペリフェラル系も多数展示。製品の幅の広さでは「TGS2024」随一かも

MSI、ASUSの両ブースとも「当社パーツを利用したBTOメーカーパソコン」をアピールしており、自作だけでなくBTOでパーツを使って欲しいという意思を感じました。

また、ニトリ、Bauhutte、IKEAとの家具コラボのアピールも大きく、ゲーミングルームづくりをともに推進しているイメージがあります。ASUSは以前からこの施策を行っており、今回もBauhutte/IKEAとのコラボを行っていました。

ASUSの家具メーカーとのコラボも従来通り。こちらは関西のBauhutteの家具を利用

こちらはIKEAの家具を使用していますが、POWERD BY ASUSの表記は今までなかったような覚えがあります。BTOメーカーへの提供をアピールしていました

●開発向け、コラボ、スタンプラリー。さまざまなアピールのPCメーカー

レノボは独自ブースでゲームを作る環境をアピール

メーカー系パソコンとして独自ブースを設置していたレノボ。ゲーミングパソコンがインテルブースに展示されていたからか、ここでは「Legion Go」が目立つ程度で、ゲームを作る側に高性能ワークステーションを展示して、AMD Ryzen Threadripperを搭載したワークステーションやクライアントパソコンをアピールしていました。

Lenovoブース。ThinkStationと書いてあるように、開発者向けの製品を展示していました

藤井八冠使用で一躍(?)有名になったAMD Ryzen Threadripper PRO採用のワークステーション。左のP8はアストンマーティンと共同開発ということで、いつもの黒ケースではありません

ThinkStation P2 Towerはおなじみの黒ケース。ThinkPadも含めて開発側にアピールしていました

とはいえ、TGSなので「Legion Go」も展示しています

ユニットコムはゲーミングチームコラボパソコンが試遊台に

ユニットコムはブースを構えていませんが、ゲーミングチーム「ZETA DIVISION」ブースの試遊台にコラボPCを提供。『VALORANT』の試遊台には詳しいスペックは書かれていませんでしたが、「TGS2024」と同時に発表されたもので、Intel CPU版(279800〜)とAMD CPU版(154800〜)が用意されています。

自作PCで流行の二面ピラーレス筐体を使用しており、「ZETA DIVISION」ロゴ入の映えるパソコンでした。ファンなら“買い”でしょう。

ゲーミングチームで最も広いスペースの出展をしていたのが「ZETA DIVISION」。ゲーム試遊、ファンミーティングやトークショーなどを実施していました

ユニットコムは、26日に「ZETA DIVISION」コラボパソコンを発表。『VALORANT』試遊台として使用していました。二面ピラーレスケースと最新の流行ケースを採用しており、正面のロゴが……カッコいい!

サイドにもZETA DIVISIONマークが入っています

また、「ZETA DIVISION」では、初日に「ZENIAM」と共同開発した「KEYBOARD60」が発表されました。コンパクトな60%キーボードかつ、1.9mmのロープロファイルなラピッドトリガー対応のキーボードは今のところ他社にないスペックです。非常に薄型で、キー荷重は40〜50gと徐々に重くなるタイプ。サンプルを見せていただきましたが、なかなかスタイリッシュでカッコいい感じでした。こちらは来年発売予定です。

発表会には参加できませんでしたが、後日「ZENIAM」の方から説明を伺いました。今のところこの仕様のキーボードはない唯一無二な存在のうえに、質感もなかなか良かったです

スイッチは磁気センサーを使用しており、ラピッドトリガー対応。キー荷重は初期40g、押し込むと50gまで強くなるというちょっと変わったものを採用していました

マウスコンピューターはスタンプラリーも実施

マウスコンピューターは「G-Tune」ブランドのゲーミングパソコンと「iiyama」ブランドの液晶を中心に展示していました。ギリギリまで出展が決定していなかったとのことです。

マウスコンピューターブース。各種マウスコンピューターゲーミングパソコンを展示しています

当然ながら各社のゲーム試遊もできます© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX

比較的プレイしやすい状況でした© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.LOGO & IMAGE ILLUSTRATION:©2020, 2022 YOSHITAKA AMANOFINAL FANTASY, SQUARE ENIX and their respective logos are trademarks or registered trademarks of Square Enix Holdings Co., Ltd.

また、スタンプラリーも実施。PCを貸し出したほかのブース含め6ブースにスタンプ台が設置されていました。3ブースで1回、6ブースすべてで2回、さらに公式Xフォロー&リポストで3回くじが引けます。

「昨日、一等の液晶モニターの当選者がいなかったので、本日はキャリーオーバーでモニターは2台提供!」だったので期待したのですが……残念、参加賞でした。

「TGS2024」で他社の複数ブースをめぐるスタンプラリーを行っていたのはおそらくマウスコンピューターのみでしょう