Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

火星の地をコロコロと、10年以上探索しているNASAの探査車キュリオシティ。火星のシャープ山(Mount Sharp)にコロコロと上り、謎に包まれた地層の探索をしています。そこで偶然見つけたのが純硫黄岩。火星にかつて生物が存在したことのヒントとなるかもしれません。

純硫黄は初!

キュリオシティが探索中に偶然上を通り、踏んづけた衝撃で割れた石。中から出てきたのは黄色い結晶でした。その後、この結晶が硫黄であるとNASAが発表。火星での硫黄混合物の発見は以前にもあったものの、今回見つかったのは純硫黄であり、これは初。

発見はしたものの、踏んづけて割った石はあまりに小さく脆いためサンプルとしての収集はできず。かわりに、キュリオシティに搭載されたドリルロボアームで、近くにあった巨大な石に穴を開けサンプル収集。解析は、同じくキュリオシティに搭載された機器で可能。

純硫黄物には味も匂いもありません。硫化水素の酸化によって発生することから、火山地帯で発見されることが多いのだそう。しかし、今回、キュリオシティが石を発見したエリアは、過去に火山活動があった痕跡なし。

Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

微生物が存在した?

一方で、純硫黄物は、微生物の活動による硫黄還元化合物が酸化することで生成されることもあります。その場合、今回の発見は火星で過去に微生物がいたかもしれないヒントと受け取ることもできます。

キュリオシティが探索しているゲディズ峡谷(Gediz Vallis)は、太古の川が削り取ってできたかもしれない谷。微生物に必要な栄養があったエリアを探る手がかりを求め、このエリアの調査が続いています。

火星のゲディズ峡谷(Gediz Vallis)。Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

NASAのジェット推進研究所にてキュリオシティプロジェクトを担当する科学者Ashwin Vasavada氏はこう語っています。「純硫黄からなる岩があるフィールドの発見は、砂漠にてオアシスを発見するようなものです。あるはずのないところにあった。これから、その原因を解明していかねばなりません。予想外で変わったものの発見こそ、惑星探査の醍醐味ですね!」

Source: NASA

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