国際オリンピック委員会(IOC)は知的財産権保護に力を入れています。五輪のシンボルや「オリンピック」という単語そのものを保護しているほか、特にオリンピックの各競技の放映権保護に尽力しており、2024年7月だけで数千件のURLを対象にデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく削除要請をしていることが報じられています。

IOC Sends Thousands of DMCA Notices to Deter 'Olympics' Piracy * TorrentFreak

https://torrentfreak.com/ioc-sends-thousands-of-dmca-notices-to-deter-olympics-piracy-240731/



IOCは、これまでにもオリンピックの放映権を保護するためにさまざまな取り組みをしており、2008年の北京オリンピックの際にはオリンピック関連の動画を提供するトレントサイト閉鎖のためにスウェーデン政府に協力を要請しています。また、2016年のリオデジャネイロオリンピックの際には、オリンピックの動画をTwitter(現X)に投稿したベネズエラ人のユーザーがIOCからクレームを受け、「ベネズエラでは90秒以下のムービー7つまでは合法」と反論したところ、Twitterから「アカウント凍結の通知」が届いたケースが報じられました。

オリンピック動画をツイートしたユーザーのアカウントをTwitterが凍結 - GIGAZINE



By carlbob

2024年のパリオリンピックでも著作権侵害は問題となっていますが、以前とは異なり、トレントサイトよりもライブストリーミングポータルが脅威とみなされています。フランスの報道機関であるL'Informeによると、IOCを含む団体は7月中旬頃から大手プロバイダに対して法的措置を開始していますが、2024年4月には問題のある海賊版サイトとサービスのリストが作成されていたとのこと。結果として、パリ司法裁判所ではフランス国内の25のドメイン名に限定して、ブロッキング命令が下されました。

IOCはさらに取り締まりを広範かつ確実に強化するため、著作権侵害防止サービスを提供するFriend MTSに協力を要請し、DMCAに基づく削除要請を開始しました。ファイル共有に関するトピックを扱うメディアのTorrentFreakによると、IOCがGoogleに要求したDMCA削除要請は、2024年7月末の約1週間で5907件にのぼるそうです。



IOCは削除要請に合わせて、「オリンピック競技大会およびオリンピック関連財産、特に2024年パリ夏季オリンピックのために制作されたオーディオビジュアルコンテンツに関するすべての権利は、IOCが所有しています。このようなオリンピックコンテンツは、IOCの事前の書面による明示的な承認なしに、インターネットまたはその他のインタラクティブメディアまたは電子メディアを介して送信または伝達することはできません。当委員会の記録によると、そのような承認はあなたに付与されていません」という警告文を発表しています。