バーバリー、 DE&I の積極的な取り組み:ファッション業界外から優秀な人材を採用
ブリティッシュ・ファッションカウンシル(British Fashion Council)、インキュベーション・プラットフォームのアウトサイダーズ・パースペクティブ(The Outsiders Perspective)、学習・開発プラットフォームのファッションマイノリティリポート(The Fashion Minority Report)、コンサルティング会社マッキンゼー(McKinsey)が1月23日に発表した報告書によると、英国のファッション企業のほとんどがリーダーシップの包括性において遅れをとっており、有色人種や女性の幹部職に占める割合が低いことが明らかになった。遅れているファッション業界の社内における多様性
一年間にわたる調査と2023年の第1回英国ファッションDEIセンサス(U.K. Fashion DEI Census)から得られたレポートは、英国のファッション業界における多様性の進展の格差を浮き彫りにしている。ランウェイショーをはじめとするマーケティング商品全体における多様な表現が目覚ましい進歩を遂げている一方で、従業員や役員といった社内における多様性は遅れている。この報告書は、11人のビジネスリーダーへのインタビュー、英国のファッション企業70社の分析、その他の調査から得られた洞察を活用している。
報告書によると、有色人種は経営陣と取締役の9%、CEOとクリエイティブディレクターの11%にすぎない。女性は経営幹部の39%を占めているが、トップの地位に就いているのはわずか24%である。業界の多様性に対する認識はグループによって大きく異なり、白人男性の86%、白人女性の69%が業界の多様性を認めているのに対し、同じように考えている有色人種の男性は57%、有色人種の女性では46%にとどまっている。
調査パートナーであるマッキンゼーによると、多様な従業員によって意思決定が最大87%改善され、それが収益に影響する。2015年には、経営陣に占める女性の割合という意味で上位4分の1の企業は、パフォーマンスが下位4分の1の企業を15%上回る可能性があった。2023年には、39%パフォーマンスが上回る可能性がある。
異業種から優秀な人材を採用したバーバリー
「すぐに(ブランドは)業界のオルタナティブな視点が何をもたらすかを知ることで利益を得ている」と語るのは、非営利団体アウトサイダーズ・パースペクティブ(Outsiders Perspective、以下OP)の創設者ジェイミー・ギル氏だ。同団体はファッション業界やラグジュアリー業界の運営、商業、マーケティング部門の役職における有色人種のプレゼンスを高めることに注力しており、バーバリー(Burberry)、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)、ザランド(Zalando)といったブランドと連携している。「石油やガスなど異なるバックグラウンドを持つ候補者をファッションブランドのファイナンス(チーム)に配置した。彼らの業務の遂行は、細部にまで気を使い、品質水準を非常に高く維持しており、まさに別次元だ」。
OPと連携し、他業界から人材を採用したブランドのひとつに、2019年にDE&Iに焦点を当てた複数の目標を打ち出した英国のラグジュアリー大手バーバリー(Burberry)がある。同社は昨年3月に、マクラーレン・グループ(McLaren Group)の財務のトップだったケイト・フェリー氏を採用した。また同社はBRITスクールファッションプログラム(School Fashion Program)のスポンサーも務めており、大学入学前の次世代の多様な候補者たちにファッションの機会について教えることを目的としている。
バーバリーのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン担当グローバルバイスプレジデントのジェフリー・O・ウィリアムズ氏は次のように語る。「当社にとって、(思考の多様性は)つねに組織の基本的な信条となっている。それはつまり、どのように製品を革新するか、ラグジュアリーな英国ブランドとしての歴史を活かしつつ、未来を見据えるにはどうすればよいのか、ということなのだ」。
目標は、上級管理職にさらなる多様性を持たせることだ。「上級職については、伝達可能なスキルとは何かを探求し、それを職場環境に適用するよう取り組んでいる」とウィリアムズ氏は言う。「採用担当者もまた、時には常識にとらわれないことをするよう奨励されているので、最近採用した人材のなかには異業種から来た人もいる」。
効果的な変革のためにはDE&Iのリブランディングが必要
報告書の多様性のビジネスケースは、ブランドがDE&Iを後回しにするのではなく、優先順位をさらに高めるのに役立つかもしれない。ジョージ・フロイド氏暴行死事件のあと、多くのファッション企業がDE&I部門を設立したが、具体的なダイバーシティ目標を設定したのは、わずか17%だった。
ファッション・マイノリティ・リポートの創設者であるダニエル・ピーターズ氏は、「私たちの業界の中心はお金だが、人も重要だ」と語る。「だから私たちは、この業界で同じようなタイプの人々をサポートするだけにとどまらないよう注力している」。
報告書はさらに、効果的な変革のためにはDE&Iのリブランディングが必要であることを示唆している。またそれは、有色人種やLGBTQIA+、障害者コミュニティを含め、5年以内にリーダーシップにおける人員構成をさらに改善するという業界目標を設定することを目指している。
[原文:Burberry aims to hire from outside the fashion industry, as first UK Fashion DEI report is released]
ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)
